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第5話 住人の皆さんと交流しました

「黒崎君、折角このミカン荘に住めることになったのに何でそんな表情をしているんですか?もしかして、嬉しくないんですか?」


「い・・・いや、"ここに住まわせて欲しい"と大家さんにお願いをしたのは自分なのでこのミカン荘に住めることになったのは勿論嬉しいことなんですけど・・・そんな簡単に住むことが決まって良かったのかなと思って・・・」


「別にそんなことなんか気にしなくってもいいと思うし、今はこのミカン荘に住むことが決まったのを喜べばさ」


「夏子さんの言う通りだよ、折角ここに住めることが決まったんだから、今はそれを喜ぼうよ」


「そ・・・そうですよね、折角皆さんのお陰でこのミカン荘に住めることが決まったんだから、今はそれを喜ぶべきですよね」


 智子による多数決の結果、念願のミカン荘に住めることが決まったのにも関わらず、一人だけ不安な表情をしている零夜に蜜柑が心配してそんな声を掛けていた。

 蜜柑にそう声を掛けられた零夜は不安そうな表情をしたまま"こんな簡単に住むことが決まっていいのかと思って"と答えた。

 零夜と蜜柑のそんなやり取りをその場で見ていた夏子と早苗がそんな声を掛けると、零夜は二人が言った通り細かいこととかを気にすることなく、このミカン荘に住むことが決まったのを喜ぶことにした。


「ねぇ、まだ時間もあるしこうして一緒に住むことになったんだから、改めてお互いに自己紹介とかをしない?」


「あっ、それいいですね!!お互いに自己紹介とかをすれば、親睦とかを深めたり出来ますし、私は賛成ですよ!!」


「勿論、私も賛成です」


「何か、盛り上がってるところ悪いけど私は自己紹介パスするわ。早く部屋に戻って明日の会議で使う予定の書類とかを整理したいし、自己紹介なら別に今日じゃなくっても出来るしね」


「あっ、わたしも明日は部活の練習で朝早いから自己紹介はパスするね〜。貴方もわたしの自己紹介を聞きたいのなら、お姉ちゃんから聞いておいてください〜」


 夏子と早苗からの助言により改めてミカン荘に住める喜びを言動で現している零夜や他の住人達に対して、夏子が"お互いに自己紹介をしよう"と提案した。

 この夏子の提案に多数決で夏子とともに賛成派として挙手していた蜜柑と早苗は自己紹介にすぐ様賛同したが、反対派として挙手したいた冬美と林檎は自己紹介を拒否して、それぞれリビングから出て行き、自分の部屋に戻ってしまった。


「あ・・・あの〜、二人ともお部屋に戻って行ってしまった見たいですけど、大丈夫なんですか?」


「別に黒崎君が、心配する必要は無いので大丈夫ですよ」


「確かに蜜柑の言う通り、いつも二人はあんな感じだし、いちいち気にしてたらキリが無いしね」


「そうそう、君がわざわざそんな心配する必要は無いですし。そんなことよりも、今残ってる人達で自己紹介でもしましょうか」


 夏子が提案した自己紹介を拒否して、それぞれ自分達の部屋に戻って行ってしまった冬美と林檎の二人を見た零夜は心配そうな表情で"本当に大丈夫なのか"と蜜柑達に聞くと、それぞれ"いつものことだから、心配する必要は無い"という答えが返ってきた。

 そして、話を戻すように早苗がそう言い、人数は少し少なくなったものの自己紹介が始まった。


「まずは、提案者である私からだね。もう君も知ってるかもしれないけど私の名前は赤川夏子、歳は今年で二十八歳で市内の会社でOLとして働いているわ、これからミカン荘で暮らす家族だから何か困ったことがあったら遠慮なく声を掛けてね」

 

「夏子さんの次は順番的に私だね、私の名前は七原冬美、歳は二十一歳で市内の女子大に通ってるわ、歳だと蜜柑ちゃんや林檎ちゃんの次に近いと思うから、友達感覚で気軽に話し掛けてね」


「私は今朝簡単に自己紹介をしたと思うけど、もう一度自己紹介をするね、私の名前は梅崎蜜柑、歳は黒崎君と同い歳だから十七歳で湊川学園高等学校に通ってる、改めてこれからは同居人としてよろしくね」


「はい、これで私達の自己紹介は終わったわね。じゃ、次は君の自己紹介をよろしくね」


「分かりました、俺の名前は黒崎零夜と言います、歳さ梅崎さんと同い歳の十七歳です。これからよろしくお願いします」


 冬美と林檎の二人が自己紹介を拒否して、自分達の部屋に戻って行ったあと、この自己紹介の提案者でもある夏子から自己紹介を始め、夏子の自己紹介が終わると早苗、蜜柑、零夜の順番で自己紹介が行われて行ったのだった。


「黒崎零夜って言うのね、それじゃ零夜って呼び捨てで呼んでも大丈夫かな?私のことも、夏子って呼んでもらっても大丈夫だから」


「それじゃ、私も夏子さんと同じように零夜君って呼ばせてもらうね。因みに、私のことも早苗って呼んでもらっても大丈夫だよ」


「分かりました。それでは、夏子さん、早苗さん改めてよろしくお願いしますね」


「うん、よろしく」


「よろしくね」


 自己紹介を終えた零夜達はお互いに呼び方の了承を得て確認してから、改めて"これから、よろしく"と言う意味がこもっている握手をそれぞれ交わしたのだった。


「どうやら、自己紹介は終わった見たいですね」


「うわぁ、智子さん!?今まで何処に居たんですか?話し合いが終わってから姿が見えなくなったから、冬美や林檎のように部屋に戻ったのかと思いましたよ」


「少しお花を摘みに行っていただけですよ。この話し合いの場を設けたのは私何ですから、そんな私が皆さんよりも先に部屋に戻る訳にもいかないでしょう」


「あ〜、確かにそうですね」


「時間も十二時を回っていることですし、皆さんそろそろ部屋に戻りましょう」


「はい、おばあちゃん」


「それでは、皆さんゆっくりお休みください。それと、蜜柑は黒崎君をお部屋までご案内してください」


「分かりました、おばあちゃん。それじゃ、黒崎君部屋まで案内するね」


「あぁ、ありがとう」 


 一通りの自己紹介が終わり零夜を含めたミカン荘の住人達が談笑を楽しんでいると、何処からともなく智子がやって来来て談笑を楽しんでいる零夜達に声を掛けた。

 突然現れた智子に対して驚きながらも夏子が"今まで何処に行っていたのか"と聞くと夏子は"お花を摘みに席を外していた"と答えたあと"早く部屋に戻る"ように住人達に声を掛け、蜜柑には"零夜を部屋まで案内"するように指示してからリビングから出て行き自分の部屋に戻って行った。

 そして零夜は蜜柑の後に着いていきリビングから出て行き、夏子と早苗もそれぞれ自分の部屋に戻って行った。


「はい、ここがこれから黒崎君が暮らすことになる部屋だよ、と言っても今朝黒崎君が目を覚ました部屋なんだけどね、まだ前の住人の荷物とかが置いてあるから使いそうな物があったら自由に使っていいからね、それじゃお休み」


「あぁ、わざわざ案内してくれてありがとう。お休み」


 零夜を連れてリビングから出て行った蜜柑はある一つの部屋の前で足を止めた。

 蜜柑が足を止めた部屋はこれから零夜が住む部屋であり、今朝零夜が目を覚ました部屋だった。

 蜜柑は零夜に"ここがこれから零夜が住む部屋"だと言うことと"前の住人の荷物が残っているから好きに使っても構わない"と言って自分の部屋に戻って行った。

 零夜も自分の部屋に戻って行く蜜柑に対して"お休み"と一言返したあとこれから住む部屋に入って行った。


「はぁ〜、何か今日一日だけで色々なことがあったな・・・。これで、眠って次に目を覚ました時は全てが夢だったら一番良いんだけどなぁ・・・」


 零夜は部屋に入って直ぐに今朝から部屋の真ん中に敷かれていた布団の中に入り、今日あった出来事を思い出しながら静かに目を閉じ、深い眠りに入ったのだった。

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