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転生者の付き人  作者: どーてーの独り言
最終章:魔王との最終決戦編
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最終話:拝啓、この無意味な世界とユルリカちゃんへ

ついに最終回です。衝撃のラスト、必見です

あの日から大体半年がたった。ユルリカちゃんを失ったあの日から。

確認した所俺とメイナードとハルカとサイカン以外はほぼ全員死んだらしい。

あの後はメイナードから莫大な報酬が与えられ、国に避難した国民が戻ってきた。

命をかけたみんなは戻ってこないのに。平民は何もしていないのに平然と笑っている。


でももう、何も感じない。あの日からもう、俺は俺じゃない。

俺は寝れなくなった。眠るとユルリカちゃんが俺の腕で死にゆく感覚が鮮明に蘇る。

だから俺は寝れない。長い夜を無感情で過ごし、朝になったら3人が眠る墓に行く。

あの大きな桜の木の下で。そんで墓石にお供物をしては1人で談笑をする。

そんでひとしきり泣いて、遠くに行って吐く。そのまま墓を眺めて夜になる。

短く感じるかって?んなわけないだろ。なんでこんなにも一日が長いんだよ。

俺は一日の48時間が数ヶ月にまで感じる。いや、ユルリカちゃんと居た日々が、

長すぎる48時間を苦じゃないものへと変えていたのだろう

それに息をする度に肺が痛いんだ。生きてるだけで辛いんだ。


何度死のうと思ったか。でもその度に考えるんだ。

ユルリカちゃんがそれを望むのかって。そしてメイナードが1人になる。

ネルフさんも死んだらしいからな。ハルカに関しては、

タチバナが暴走を始めた時点でメイナードを引き連れて戦場から飛んで逃げたんだと。

ソイツらにとって俺は必要なのだろうか。俺は度々考える。

何の取り柄もない俺を。空っぽの俺を。民衆に崇められようと何も埋まらない。

民衆に対しての怒りも湧かない。


俺にあるのはユルリカちゃんを守れなかった後悔だけだ。

でもユルリカちゃんが俺が後悔だけしている現状をどう思うだろうか。

きっと良くは思わない。だから俺は生きる希望を探した。この半年間ずっと。

でも無理だ。余生を陶芸に費やしても、宗教に足を踏み入れてみても、

ユルリカちゃんは帰って来ない。それを認識するたび泣いて、吐く。

あそこで死ぬのがユルリカちゃんじゃなくて俺だったらどんなに良かっただろうか。

俺はどれだけ精神力を強化しても君の死に耐えられない。

でもユルリカちゃんは違う。ユルリカちゃんはとっても強いんだ。

俺が死んだらそれは悲しんでくれるだろうけど、いずれ立ち上がれる。

1人で前を向いていける。そんな子だから惚れたんだ。

でも、生き残ったのは結局空っぽの俺。弱い俺だ。


そんな俺にこれ以上何が出来るだろうか?答えは何もできない、だ。

女神様が俺に与えた使命は魔王を倒すことだけ。この世界に来た意味はもうない。

ユルリカちゃんのいないこの世界に意味はないし、世界ももう俺を必要としない。

魔物ももう発生しないと言っても差し支えがない。

この星は魔王を失ったことによりスライムやゴブリン程度のカスしか産めなくなった。

俺がいなくたって別にどうとでもなる。だから俺はメイナードに別れを告げ、

俺の全財産を貧しい村に寄付し、鬼灯丸と共に仲間のいる桜の下へ向かう。


ハルカ

「ご主人さま、頼みとは何でしょう?」


「ハルカ、とても酷なことをさせる俺を許して欲しい。」


俺は今日、ユルリカちゃんが望まないことをする。これが最初で最後だ。

思えば俺はユルリカちゃんに依存していた。ユルリカちゃんに執着していた。

だからってこんなことになるなら好きにならなければよかった、

なんて微塵も思っちゃいない。俺の人生19年と半年、

一番ユルリカちゃんと居た日々が輝いていた。18年半を簡単に覆すほどに。

俺の人生はユルリカちゃんの為にあっただろう。俺がそうしたかった。

俺がユルリカちゃんに尽くしたかった。そのくらいあの1年間が輝いていた。

それも今となっては叶わない。ならばいっそ潔く...


ハルカ

「アタシに出来ることがあれば何でも言ってください」


「無理そうだったらいいんだ。俺がやることやったら鬼灯丸は保管して、

 俺をユルリカちゃんの元に埋めて欲しい。」


ハルカ

「そんなの...アタシ...どうしたら...」


「大きな桜の木の下で〜」


キリヤマは歌いながら再生能力、回復力、防御力を1000分の1にする。


「あーなーたーとーわーたーしぃ、なーかーよーくー埋まりたい〜」


鬼灯丸の殺傷能力を1000倍にして自分の首に刀を構える。


「大きな桜の木の下で〜」


今君の元へ行くよ。例え望まれて無くても。もう生きてるだけで辛いんだ。

呼吸するだけで胸が張り裂けそうになるんだ。それでも何度でも言う。

ユルリカちゃん、世界で一番、何よりも大好きだよ。


心のなかでそう唱え、キリヤマは刀を首に振りかざした。



転生者の付き人 第一部 完

今までご愛読ありがとうございました!1年半近く楽しかったです!

次回作は初っ端ブーストかけて制作します!次回作はものずき2部では無いですが、

世界線は一緒かもしれませんね

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