第75話:生きててよかった
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俺
「なぁ、お前は俺に勝ったら俺を殺すか?」
メルナード
「間違いなく、な。大丈夫だ、敬意を持って痛み無く葬る。」
俺
「ならよ、せめて魔王の情報をくれよ。冥土の土産にな。
まぁ俺が勝ったら持ち帰るが。」
メルナード
「いいだろう。魔王でもこの空間内には干渉することは出来ない。
余が20の頃、約400年前だったか。当時強き者が王だった時代、
我も王を目指してひたすら剣の腕を磨いていた。だが打ちのめされて悟ったのだ。
肉体が全盛の今は技術が足りない。何十年して技術を得ようが肉体は衰える。
つまり、才能の勝負だったのだ。我には才能があったが、上には上が居た。
我には剣の腕しか無かったからひたすら森で剣を振るった。
そこに現れたのが今の魔王だ。魔王は我に時間をくれた。
才覚をくれた。剣をくれた。名声をくれた。全てを貰った。
それから我はひたすら技術を学び、体を鍛えた。」
俺
「なるほどな。」
メルナード
「魔王は何度も仮の魔王を作り続けては誰かに倒させて、
新たな仮の魔王を生み出し続けた。そうすることで裏で牛耳る自らの存在を隠した。
我とエルフはその中の一体を倒した事で英雄に、次に王となり250年が経過した。」
俺
(俺が30話で感じた違和感はそれか。)
メルナード
「この国の歴史は曖昧だ。魔王が国民の記憶を弄っているからな。
現にテラルド族を陥れたのも我の先代の王がしたことになっている。
故に我の存在にたどり着くことなど無かったのだ。
ただ一人、我が息子を除いてな。」
俺
「メイナードが!?あいつは魔物なんかじゃねぇだろ!?」
メルナード
「勘違いするな、まず我も魔物ではない。力を与えられただけだ。
我が息子は我の正体に気付いた。
魔王が我にかけた呪いを片鱗を受け継いだのやも知れぬ。」
俺
「呪いだぁ?」
メルナード
「魔王が我にかけた呪い、我の寿命はまだまだ十分にある。
並み外れた異常な筋力、そして知恵。そして大衆にかける精神魔法の無効化。
そういった力は魔王の呪いによって引き出された。この呪いは未来永劫、
魔王ですら解くことは出来ぬ。最早我の体質となったと言っていいだろう。
その体質は、息子に薄っすら受け継がれたのかもな。」
俺
「よかった。メイナードは何も気負わずに生きていけそうだな。」
メルナード
「我から言えることはこのくらいだ。では、王が直々に処刑してやろう。」
俺
「ハッ、負ける気はさらさら無ぇよ。話聞きながら対策は何通りか練ったわ。
雷神之怒矛。」
雷魔法を付与し、メルナードに向けて刀を振る。
俺
「雷はどれだけ斬撃を防ごうとも電気はテメェの身体を貫通する!」
メルナード
「我もその程度の魔法の対策は出来ている。魔力を纏えばいいだけだ。
我が魔力で貴様の雷を中和する。」
メルナードは魔力を纏った剣を超高速で振り回し、電撃を振りほどく。
俺
「あ"ぁ"!?んなら第2フェーズだな!冥鏡止水。」
衝撃を受けて加速する刀をメルナード間合いの中に突き出すも、
剣先が数μ入っただけで弾かれ、意味を成さない。
メルナード
「どうした、それが"対策"か?」
俺
「すぐ煽んな、餓鬼かジジイ。」
メルナード
「好きに言うがいい。それが遺言となるのだからな。」
俺
(俺の刀が奴に辿り着くまでに何億何兆回といった斬撃が刀に入る。
鬼灯丸はそれに耐えられるとて、俺の腕が耐えられずに刀が弾かれる。
どんな無理ゲーだっつぅのマジで。だが、可能性があるとすれば一つだけ...)
メルナード
「覚悟は決まったか」
俺
「あぁ、これが無理だったら死ぬっきゃねぇな。」
メルナード
「その心意義や良し!!」
ビュウウゥウウウン...!!!!
キリヤマに向かって踏み込むメルナード。
俺
(俺の最終手段、それは走馬灯だ。メルナードに脳みそ持ってかれたあの時、
動体視力と別に走馬灯を見た。確実に世界はゆっくりと動いていた。
走馬灯を見ればあいつの攻撃を見切れる可能性がある!)
「雨之波羽斬!!!」
メルナードの間合いに入るその前に風の斬撃を張りまくり、一瞬の隙を作る。
そして地面をスライディングし、メルナードが切る方向を下へ固定する。
俺
「ぐあぁああぁあああ!!!!!!!!!!」
刀を上に構えて何万発か斬撃を防ぐも、指を粉々にされ刀を落とす。
そこに発生した0.0000000000001秒にも満たない隙に、
容赦なくキリヤマの首を切り落としかけたその瞬間...
俺
「みえたぁああぁあああああ!!!!!」
キリヤマはメルナードを剣ごと足払いし、メルナードは転ぶ。
俺
「脳天かち割ってやるぜぇ!!!!!俺の足に空間魔法付与!
重力!脚力!筋力1000倍の踵落としぃぃいいいいぃいいぃぃい!!!!!!」
ドゴオオォオオォオオォオオオォオオン!!!!!!!
脳天とは言ったものの、その背中に本気の踵落としを喰らわし、
鎧ごとメルナード背骨を砕いた。
メルナード
「がぁああぁああぁああああ!!!!!!!!!!!!」
俺
「へっ、やってやったぜオラぁあああああぁああ!!!!!!!!!!」
一騎打ちの空間が解け、キリヤマの雄叫びが戦場に響く。
全ての兵士が武器を下ろし、皆が何が起こったのか理解する。
兵士
「やっ、やったか!?」
俺
「お前開戦の時もいやがったな、一々フラグ立てんな勝ったよ」
メイナード
「やった...やったのですね!!!!」
タチバナ
「へっ、頑張ったじゃねぇかよ!キリヤマぁ!
って、俺の出番は!?いいとこ無しかよぉおおぉおお!!!」
ミラ
「勝った...勝ったぁ!!!!!」
ラック
「だろうな。」
ヴェルダ
「良かったな。」
ヴォルダ
「んだんだ!」
リルラ
「時間掛け過ぎでしてよ、全く...よくも勝てましたわね、本当に。」
松風
「大勝利でござるなあ!!!」
ハルカ
「キリヤマ様が勝つと...確信しておりました。」
ビット
「本当にやり遂げた...流石の一言に尽きますな。」
ネルフ
「これでようやく...グスッ」
桃次郎
「凍らされてからの記憶が無いですが...とにかく勝ったでござるな!?」
テラルド兵&獣人族
「自由だああぁぁぁあぁああぁぁああ!!!!!!!!!」
ユルリカ
「キリヤマさん...!!!本当に...!良かったぁあああ。」
俺
「そらもう...ユルリカちゃんに心配かける訳には...いかないから...ね。」
そうユルリカに微笑み、戦場のど真ん中で倒れるキリヤマ。
休み無しで動き続けたキリヤマの限界が、今ここで来たのだ。
暫くして...目が覚めると、キリヤマの頭は、ユルリカの太ももの上だった。
ユルリカ
「あっ!起きた...」
俺
「起きたら凄い天国じゃんね。死んだの俺?」
即座にユルリカに膝枕をしてもらっている事実に気が付くキリヤマ。
上に目をやると、大きな山が二つ。
俺
「これだけでも頑張った甲斐があるってもんだねぇ。グヘヘ」
ユルリカ
「あの...キリヤマさん。」
俺
「うん。どしたの?」
起き上がり、夕暮れのユルリカと平原で二人、向き合うキリヤマ。
ユルリカ
「本当に...ありがとうございます。貴方のお陰で...皆が救われた。
また大恩を作ってしまいましたね。どう返しましょう。」
俺
「いやいや俺だけじゃないよ。皆の、そして何よりユルリカちゃんのお陰だよ。
ユルリカちゃんが戦うって言ってなかったら俺も戦ってないし。」
ユルリカ
「でもしてもらった事はもしかしたら命に...」
俺
「要するにさ。あんまり重く考えなくていいんだよ。前も言ったけど、
俺はやりたくてユルリカちゃんの為に戦ったんだ。だからさ、その...」
ユルリカ
「はい?」
俺
「これで俺はユルリカちゃんとしっかりと同じ立場になれた。
身分差なんて壁、メイナードが何時でも取っ払える。だから、
今、君に伝える。大好きだよ、ユルリカちゃん、どうしようもないくらい。
この世界の何よりも、ユルリカちゃん、君を愛してます。
ユルリカちゃんさえ良ければ、俺と結婚を全体に付き合ってほしい。
転生者と付き人としてじゃなくて、恋人同士として。
それと、誕生日おめでとう。」
キリヤマはアマツに作ってもらった誕生日プレゼントの指輪を差し出した。
ユルリカ
「私も...私も!キリヤマさんが大好きです。私で良ければ、
お嫁さんにしてください」
キリヤマはユルリカの左手の薬指にはめ、
二人は額を寄せ合い、泣きながら笑いあった。
ユルリカ
「その...嫌なら良いんですが、私を好きになってくれた...
理由を聞いてもいいですか?今まで否定されて生きてきた私は、
その...どうしてもまだ自信が持てなくて。」
自分の言ってる事が恥ずかしいと分かってて赤面しながら尋ねるユルリカ。
俺
「好きに理由は無いけど、そうだね。
そういうことなら俺が思うユルリカちゃんのいい所、ざっくりと言うよ。
優しいところが好き。自分より他人のことを考えて動く。
それが出来る人は世界中探してもそんなにいないと思う。これからは、
俺のその...よ、嫁さんになってくれるなら、自分の事も考えてほしいけど、
ユルリカちゃんの優しさは何よりも素敵だ。そして笑顔が好き。
いつも頑張ってる顔も可愛いけど、時折見せてくれる笑顔に何度救われたか。
寝顔も好きだし、何もして無くても今みたいに顔を赤らめてるのも全部好き。
自己評価が低い所も好き。そんな事無いのにって、
心のなかでヤキモキさせられる。落ち込むと面倒くさい所も好き。
その面倒くささもとても愛おしく思える。もっと俺に面倒くさく当たって欲しい。
その目が好き。テラルドの特徴的な藤色の目が、
宝石みたいで見てると吸い込まれそうになる。右目の色が無くなっても、
それでも変わらず美しい目をしてる。ちょこんとしてる鼻が好き。
少し尖った耳が好き。照れると歪む柔らかそうなその唇が好き。
透き通った白い肌が好き。絹みたいなその肌に頬ずりしたい。
服のセンスが好き。自分でそれを選んだのかって思うと余計萌える。
その手が好き。その手に触れただけで、俺の全てが安らぐんだ。
髪の毛が好き。この世界のシャンプーなんてどれも同じなのに、
ユルリカちゃんの髪はサラサラだしいい匂いがする。
服と合わせてよく似合ってるよ。誰よりも強いところが好き。
今までも凄く辛いことがあってたのに、今こうして笑い合えてる。
本当は誰よりも強いんだってちゃんと分かってるよ。
ユルリカちゃんが好き。ユルリカちゃん以外じゃ俺は絶対に満たされない。
ユルリカちゃんに出会えて分かった。ユルリカちゃんじゃ無きゃダメなんだ。
ユルリカちゃんが付き人で、ユルリカちゃんがユルリカちゃんで本当によかった。
ユルリカちゃんが俺をに好きなってくれて、俺は誰よりの幸せ者なんだ。
ユルリカちゃんと同じ時代に生まれてこれて本当に良かった。
俺は今まで自分があまり好きじゃなかったけど、
ユルリカちゃんが好きになってくれた俺が、少し好きになれた。
そうさせてくれるのは、ユルリカちゃんだけなんだ。
そういうことを気付かせてくれたユルリカちゃんが、何よりも大好きなんだ。
そんなユルリカちゃんを、欲を言えば独り占めしたい。
俺はユルリカちゃんだけを見るから、ユルリカちゃんも出来るだけ俺を見てほしい。これからは、俺はユルリカちゃんに甘えたいし、
逆にユルリカちゃんには甘えてほしい。辛いことも一緒に乗り越えたいし、
楽しいことはもっと一緒にしたいんだ。」
ユルリカ
(あぁ、この人は...ちゃんと私を見てくれている。
テラルドだからって目で見るんじゃなくて、一人間として、
私を好きになってくれているんだ。なんて素敵な人なんだろう。)
「我儘を聞いてくれてありがとうございます。私も貴方の付き人で本当に良かった。
私も、キリヤマさんに...レイくんに出会えて、こうして好きになってくれて、
私は、今誰よりも幸せです。」
涙ぐみながら微笑むユルリカ。
俺
「あぁ...生きててよかった。」
二人は泣きながら、夕焼けを背景にウブな二人は口づけを交わした。
書きたかった事が書けて泣きそう
69話の前書きで書いてたネタバレというのは、
68話の最後でプレゼントの回収に向かった。ではなく、
指輪の回収に向かったって書いてたんですね。プレゼント内容明かしてどうすんだよ!




