第44話:キリヤマ、知らぬ間のピンチ
ー視点はメイナードへ移る。ー
メイナード
「さて、父上に喧嘩売るためにも、
キリヤマさん達に早い所帰ってきていただきたいですねぇ。」
執事
「そうですな。ところでメイナードお坊ちゃま。次は何をなさる予定で?」
メイナード
「う〜ん。僕だけ何もやらないのは良くないですもんね。」
???
「あれは確か...王子様ぁ!!」
メイナード
「ん?エルフ?」
カイキ
「助けて下さい!他国からやってきたエルフのなりすましが里を崩壊させました!」
メイナード
「他国からやってきたエルフのなりすまし?」
(もしやキリヤマさん?だとしたら何をしてるんだあの人!)
そう、今日はキリヤマがマルコを倒した直後であった。
カイキはキリヤマが立ち去った後、
里の人皆の魔法によりレヴンタスへと転送されたのだ。
そのまま王の所へこの事を報告しに行こうとした道中、
メイナードを見つけたのである。
カイキ
「あの男、絶対に許さない!姿もここにあるんです!!」
そう言うとカイキは、記憶魔石に映ったヘラ(キリヤマ)を見せてきた。
※記憶魔石...カメラの機能を持った魔石。
石に衝撃を加えると一定時間石が映像を捉え、
もう一度衝撃を加えるとその映像を再生できる。一個につき一回しか録画できない。
メイナード
「これは...」
(エルフになりすましたキリヤマさんじゃん!
エルフは多少情報が遅れてるから知らないだろうけど、
写真見れば一発で分かるぞ...これ。今国中で話題だからな、あの人。
世界最速で神級になったって。
そこら辺の壁に新聞の切り抜きとかが貼って無ければ良いのだけど...)
カイキ
「アイツです!あそこの新聞に載ってる男です!」
メイナード
「あちゃあ〜。」
カイキ
「絶対そうです!戦闘中、耳が人間だったので、
他国の妖精族ですらありません!」
メイナード
「本当に何してるんだ!?あの人!」
カイキ
「知り合いなのですか?」
メイナード
「いえ、この男は先日神級冒険者に認定された人で、
冒険者になってから史上最速で神級冒険者になった人なんですよ。」
カイキ
「だとしたらあの強さも頷ける!」
メイナード
(マズい、人違いで引かせるつもりが確証を与えてしまった。)
「わかりました。私が直に里へ赴きましょう。
ですが混乱を招くのはいけないので、
キリヤマが捕まるまで他言無用でお願いします。」
カイキ
「かしこまりました。では、エルフの里でお待ちしております。」
メイナード
「ええ。くれぐれも、本当に、他言無用でお願いしますね?
この男は今、色んな所でで引っ張りだこですので、犯人だと分かられたら、
ファンがヒステリックを起こしてしまうかも知れない。
だからこそ、証拠を集められるだけ集めて、キリヤマの有罪が確定し、
その後で公表しましょう。そうすれば反論できなくなりますから。」
カイキ
「わかりましたよ。それに、証拠もないまま広めたら、
判決を下す王にまで飛び火がかかりかねませんからね。
そこら辺は承知しております。」
メイナード
「ありがとうございます。あっ、他にも記憶魔石に残したもの、あったりします?
証拠として提示したいのですが...」
カイキ
「ありますよ!映像はないですが、これがキリヤマにやられたエルフの里です!」
もう一つの記憶魔石には、キリヤマによって破壊された里が映っていた。
メイナード
「思っていたよりも悲惨ですね...酷い。」
(本当に何やってるんですか!?あの人!本当に信用して良いのか...?
まさかここまでやるとは...本人に事情を聞くしか無いか。)
カイキ
「うっ...うっ...メイナード様はお優しいのですね。」
メイナード
「いえ、人として、王家として、民の心に寄り添うのは当然の事です。」
カイキ
「本当に、相談できたのが貴方で良かった。」
メイナード
「エルフの皆様のためにも、早急にエルフの里へ向かいます!」
(頼むキリヤマさん。僕らの味方であってくれ!)
ー視点はタチバナとミラへ移る。ー
タチバナ
「逃げてぇとこだが、高得点のチャンスだ。逃がす訳には行かねえよなぁ?」
ミラ
「嫌ぁ!逃げたいですよこんなバケモノぉ!」
タチバナ
「そうかよ...」
ミラ
「だってキリヤマさんとか居ないんですよぉ!?」
タチバナ
「まぁ死んでも問題ねえから良いじゃねぇかよ。」
ミラ
「確かに。」
タチバナ
「良いのかよ!飲み込み早くて助かる!」
ミラ
「アイツの弱点は炎属性です!私は初級魔法しか覚えてませんが、
タチバナさんの銃弾から出る爆炎はアイツにも効くと思います!」
タチバナ
「じゃあそうするか!炎焼爆連弾!」
蒼熊
「グウォオォォォオオ!!!!!!!!」
蒼熊の咆哮は氷属性を纏い、タチバナの弾を相殺する。
タチバナ
「とでも思ったかよ!」
複数撃った弾の内一つの起動を変え、蒼熊の横腹に直撃させようとした。
しかし、防がれていた上、咆哮の一部がタチバナに当たり、前半身が凍り始めた。
...タチバナは一人で空を飛べるようになったが、問題点は多かった。
まず、空を飛ぶことに意識を割き過ぎてしまう事だ。
空を飛んだ状態で銃を撃つだけなら良かったが、その上軌道を変えるとなると、
別の事に意識を割いてしまう。よって、
軌道を変えた弾を撃つには空中で静止する他無い。例えるなら、
ジェット機の運転中にスマホゲームをするくらい無理な話なのである。
そして、蒼熊はそこを見ていた。分かってて咆哮を放ち、
タチバナにダメージを与えたのだ。
ミラ
「タチバナさん!私が彼を操作していれば!出力弱めの小火弾ァ!!!」
ミラの炎がタチバナに当たる。何とか凍る前に対処できた。
タチバナ
「アイツ、中々に厄介だぜ。俺の弱点、見抜いてたみたいだった。」
ミラ
「私が魔力操作でタチバナさんを移動させておくべきでしたね。すみません。」
タチバナ
「ま、何とかなったし、いいよ。それよりも目の前の敵に集中しようや。」
ミラ
「ですね。」
タチバナ
「爆散炎焼弾!」
タチバナは目の前で蒼熊に向け、銃を放つ。
しかし、冷気の鎧が、その威力を弱めていた。
タチバナ
「適当な弾じゃあんまし効かねぇか。なぁミラ、
10分間本気で走り続けろ。そんでもって出来るだけ俺から離れろ。」
ミラ
「それじゃ連携が取れなく...」
タチバナ
「じゃあ、南西へ生気消して走り続けてくれ。俺が後から追いかける。
道中、死ぬんじゃねぇぞ。」
ミラ
「わかりましたぁ!」
ミラは南西へ向かい走り出した。
そして、タチバナは遥か上空へと飛び、銃を下に構えた。
蒼熊はタチバナ達が逃げたと思い、追いかけるのをやめた。
タチバナ
「俺の銃は、どんな弾でも撃つことが出来る。核兵器だろうと、多分出来る。」
ガシャガシャガシャ...
タチバナの神器は、銃というより、大砲の様な物へと形を変える。
タチバナ
「出〜来た。って重っ!?」
蒼熊は視点を空へ向けた。
ー視点はユルリカへ移る。ー
ユルリカ
「愛の力...」
兵士
「ユルリカ様ぁ〜!見つかりました。」
ユルリカ
「本当に?」
兵士
「ええ、族長様の家の棚に隠し扉が存在し、
その中に"全て"が記されておりました。」
ユルリカ
「内容は?」
兵士「自分でご確認下さい。」
表紙を開くと、オルガからユルリカ宛へ手紙が入っていた。
ー前族長様がお亡くなりになる少し前、この本を渡された。
ユルリカがこの手紙を読んでいるってことは、俺は死んだんだろう。
さしずめ、遺品整理でもして見つかったんだろう?まぁそんな事はどうでもいい。
本来ユルリカが族長になった時この本を渡そうと思っていたが、
その時にはこの手紙を抜いてる。だってバレたら恥ずかしいし。
それに、お前は族長になる気、無いだろ?ー
ユルリカ
「だね。」
そう言いながら本を開けるユルリカ。本にはこう記されていた。
ーまず、エルフィード家が正当な族長家であることをここに記す。ー
ユルリカ
「!?」
ーエルフィード家がその昔族長を努めていた時、相当頭の切れる族長が居た。
その族長はテラルドの力が徐々に失われつつあるという状況を、
魔王の仕業だと踏んだ。すると族長は国外へ逃亡したのである。
テラルドの力が失われる事がないようにと。その間、
族長代理であった者を正当な族長であるとして、テラルドを治めさせた。
しかし、本来の族長が帰ってきた頃には完全にテラルドの力は失われ、
人間に淘汰されていた。いや、魔王に。下手に力を使えば、
魔王にバレて国外へ逃亡した意味がなくなる。だから、
この事実をエルフィード家にすら知らせぬように。そして、
エルフィード家を族長代理として守るように。
※万が一、現在族長を務めさせていただいてる我々一族が、
存亡の危機に見舞われそうになった時、
速やかにエルフィード家に族長の位を変換し、この本を渡すこと。ー
ユルリカ
「そんな事が...」
兵士
「ユルリカ様こそ正当な族長のご子息だってことです!
そしてテラルドに本来あったとされる力を行使できるのも、
それを確証へと至らしめます!」
ユルリカ
「うん、そうだね。つまり今の所、力を使えるの可能性があるのは、
私と妹だけって事なのね。」
兵士
「え?妹が居たのですか?」
ユルリカ
「ええ。私も会ったのは1、2回程度だけど...
あの子がその力を使えるとなると、脅威だね。」
兵士
「脅威?何故です?」
ユルリカ
「外来語で言うところの"ヤンデレ"?って言うらしいのよ。
キリヤマさんが、「それは度が過ぎたヤンデレだな」
って言ってましたので。」
兵士
「へぇ...」
ユルリカ
「まぁ自分の欲求を満たすために好きな人で遊ぶ、怖い子って印象です。」
兵士
「えぇ?」
ユルリカ
「でも、何故住民の皆様は知らなかったのでしょう?」
兵士
「さぁ...?」
作者
「報告があるんだよね。君達、言ったってくれ。」
キリヤマ
「人任せかよ。えぇ、10万文字行ったので、ちょっと休憩させてもらいます。
無事間に合いました。すみませんね。」
ユルリカ
「作者さんはテストがあるらしいです。」
タチバナ
「それと、急いで書きすぎたので、雑になってる箇所が多々あります。」
ミラ
「そこの訂正で少し時間がかかりますぅ。自分勝手で申し訳ございませんー。」
一同
「再開は、12月10日か12月11日辺りを目安にしております。」
メイナード
「早かったら12月8日か9日になるかも知れません」




