第36話:仕組まれた戦争
ー図書館を出た次の日ー
ラン
「ヘラさーん!仕事仕事!」
俺
「ああ。今行く。」
俺は今日、急に仕事が増えた。そこいらの魔物が増えてきたんだと。
あまり力を出しすぎない程度の出力でやっていたためかなり時間がかかった。
その後に里の皆に魚を配るために、昨日見せた乱獲技の応酬。
その後図書館行こうとしたら閉まってた。クソがよ!ま、
里の人は感謝してくれてたからいいけどな。で、今日は部屋にあった風呂に入る。
カツラとカラコンはもちろん外してな。
ー次の日ー
今日は働かなくていい。んじゃ、図書館行きますか。
俺
「あの、まだ監視は付く感じですかね?」
カイキ
「おう。昨日のは感謝してるが、一応な。こっちも、
お前見てるだけで給料貰えるんだ。しっかり見張らせてもらうぜ。」
俺
(クソが!)
ー次の日ー
今日も魔物討伐と魚乱獲です。
ー次の日ー
今日も。
ー次の日ー
今日は監視員が一日中着いていました。
ー次の日ー
今日は魔物討伐とー、ってもういいわ!どんだけ邪魔したいんだよ!
多分俺以外は皆仕事してんのに!ごめん、俺多分あんまり役に立ってねぇ。
ー次の日ー
って思ってたけど...エルフ歴史書の最後の方にあった一冊。
あれに結構大きな情報が載ってた。どうやらエルフは弱い妖精族(?)だったらしい。
ついでにテラルド族との関係性も載ってたね。どうやらテラルド族は、
数ある妖精族の中でも、強さがダントツで抜けてたっぽいのだ。なんでも、
人と妖精の融合したような姿になれたとか。
それに嫉妬していたエルフは何かしらの方法でそれを奪っていたらしい。
そしてその強さを我が物(完全ではない)として、その強さを確立していったのだと。
で、今では妖精を代表する一族になった。
さらに二度とテラルド族の強さに気づかせないよう王国と結託して、
テラルド族を下等な一族として陥れたんだってさ。
なんでそんな書籍がここにあったのかって?知らん。ただわかることは、
これはこの図書館が買った物ではなく、誰かがここに置いたものだってことだ。
この図書館の本には必ずシールが張ってあるが、それがない。剥がされた跡もない。
そして何より、これは本じゃなくて日記だ。
何処ぞ屋のエルフが罪悪感にかられて手帳に書き留め、
本棚の奥に隠しておいたそうだ。しっかりと俺が預かっておくぞ。
ま、これで全ての本を漁り終わったな。
今日も監視がいるので、さっさと帰るとするか。
アイツが信頼を置いて、監視しなくなったら壁に行くか。
カイキ
「おい!もう、エルフの歴史書読み終わったってのかよ!」
俺
「そうですね。」
カイキ
「ここの本は歴史書だけじゃねぇ!もっと読んでいけや!」
俺
「いや、もう特に読むものは...」
カイキ
「チッ、折角本好きなやつだと思ったのに。
お前は歴史書しか読まない半端人間だったとはな!」
俺
「監視が着いていてはあまり読む気になれないものでね。」
カイキ
「そっか。済まなかったな。...今日はもう監視はやめてやるよ。
お前にこの里は助けられてるからな。」
俺
「...それはどうも。」
カイキはこのフロアから出て行った。
俺
「チャンスだな。」
俺は急いで壁へ向かう。
俺
(マルコはこの壁をすり抜けるように通っていた。ただ、
触れてみてもすり抜けることなど...ん?ここ何か変だぞ?魔石か!
壁に魔石が埋め込まれてるのか!魔力でも流してみるか?)
キリヤマはマルコが通った壁に手を当てて、魔力を流し込んだ。
すると壁の中に手がのめり込み。
俺
(うおっ!壁が透けた!なるほど、魔力流すと魔石の力で壁が透ける仕組みか。
どんな仕掛けだよ!まぁいい。すり抜けると地下へ続く階段がある。
階段を下ると...なるほどね。0〜9の数字と、4桁のパスワードがあると。
どうしよう。洞察力で何とかいけないか...
一回間違って通知が行ったらマズいだろうし。ッ...!!指紋がある!
4と6と1に指紋がついてる。4桁だからどれかが2階打つことになるわけか。
力の付くものは全て強化できる。ことわざでも慣用句でもな。
運も"力"なり。
う〜ん、何となく4166だ!)
地下扉
「ピピッ、承認しました。」
ゴゴゴゴゴ...
錆びついた重い扉がゆっくり開いた。
俺
(中には大きな本があるな。一冊、部屋のど真ん中のテーブルの上に。
しかも異様な雰囲気を醸し出してやがー)
マルコ
「そこで何をしている!!!!!!!!!!!!」
俺
「ヤっベ。」
ー視点はタチバナとミラへ移る。ー
マイタ
「スタァァァァトォォォ!!!!!!!!!!!」
タチバナ
「よっしゃ、連携技行くぞ!」
ミラ
「ええ!」
タチバナ&ミラ
「反射車!!」
ラドゴ
「説明しよう!反射車とはぁ!反射板で車を作り、
後ろの窓からタチバナが銃を撃った反動と爆風、
風魔法を撃ったりして加速、ミラが方向を決めて走る連携魔法だ!」
ミカルド
「何でンな事知ってんだよ!」
タチバナ
「やっちゃってくれミラぁ!」
ミラ
「了解!」
一気に先頭付近まで来ミラとタチバナは、次の行動に出る。
ミラ
「対生物隔離結界!」
自分たちよりも後ろのランナーたちを結界で囲み、閉じ込めるミラ。
タチバナ
(我ながら良い作戦思いついたぜ!)
ミラ
「やっぱ後ろの人達、怒ってますよぉ!」
タチバナ
「ハハハッ、ザマァ見ろや!馬"ぁ"あ"あ"ぁ"あ"鹿"!!!」
最大級の変顔に加え中指を立て、後ろのランナーを煽る
???
「クソが!こんなので俺が止められっかよ!」
黒いコートを羽織った、黒髪黒目の黒い靴、黒いズボンの男が、
黒い虎と共に結界の上に穴を開けてこっちに来た。
マイタ
「おっと、ここで竜桜の宴所属、龍級ソロ冒険者、ラックが参戦!
ペアには飼い慣らした悪虎を連れているぞ!これはアリなのかぁー!?」
ラドゴ
「面白いからアリじゃ。しかもタダの悪虎じゃない。
最上位種の黒虎王じゃ!ありゃ、
王級でも倒せるかどうかわからんぞぉ!」
タチバナ
「ゲッ!面倒臭そうなの来たな。ミラ!走って先行っとけ!
コイツの事巻いて後で追いつく!」
ミラ
「了解!」
車を消し、一人走るミラ。
ラック
「死に晒せやぁ!!!」
タチバナ
(黒い金棒で攻撃してくる。近接型か。空飛んでなんとかするとして、
トラの方は厄介だな。翼まで付いてる。)
タチバナ
「2丁爆散連弾!」
辺りが爆発し、周辺は煙で見えなくなっていた。
タチバナ
「これで巻けるな!」
ラック
「んな訳あるかクソボケェ!脳天かち割ってやるよぉ!!」
悪虎王に跨がり空を飛んだラック。
ラック
「雷振り!!!!!」
金棒に雷を纏い、大きく構えるラック。
ミラ
「対雷結界!!!」
ミラが唱えると二人の間に黄色の壁が出来る。
ラック
「あ"?」
タチバナ
「ミラ!お前なんで!」
ミラ
「相棒置いて自分だけ逃げるわけ行かないでしょぉが!」
タチバナ
「そうか!サンキュー!!!」
ミラ
「ところで、最初に張った結界、破られましたよ!ってんん!?」
目をやると結界内にいた人の大半が眠っている。
リルラ
「私の眠りの"香"の力ですわ!ミラさま!
一等級冒険者以下はほぼ眠っていましてよ!
結界で"香"が閉じ込められて、皆簡単に眠ってやがりますわ!」
ケント
「ありがとね。」
ミラ
「何で敵にそんな自分の情報送るんですかぁ!」
リルラ
「公平性を期すためですわ!ワタクシ達、事前に貴方達の事調べておりましてよ!
こっちが一方的に知ってるんじゃ不平等ですので。
でも、ケントの力は教えませんわ!」
タチバナ
「そうかい!でもご丁寧にどうもありがt...」
ラック
「死ねやぁああ!!!!」
またタチバナに殴りかかるラック。それを何とかギリギリで躱すタチバナ。
タチバナ
「人が話してる最中に攻撃すんな!」
ラック
「知るかよ!戦闘中にくっちゃべってる方が悪ぃだろ!」
タチバナ
「それは確かにそうだな...」
こうして、波乱の展開で幕を開けた第一種目。
ー視点はユルリカとハルカへ移る。ー
ガラーン!ガラーン!と鐘の音が鳴る。
テラリア村の監視
「敵襲!敵襲ぅぅぅぅ!!!!!!!」
ユルリカ
「なんですって!?えぇと、非戦闘員は村の真ん中の倉庫に避難!
戦闘員は準備が出来次第直ちに戦場へ向かって!」
(この鐘はそんな簡単に鳴ることはない!
だってさっきの火災でも鳴らしていなかったもの!)
テラリア村の監視
「敵は魔物の群れ!北から魔獣王族がゴブリン引き付けて来る!
そして南からはサイクロプスが3匹!東からはゴーレムとスケルトンの群れ!
西からは魔人魚の群れとドラゴン!」
ユルリカ
「嘘...でしょ?」
ハルカ
「知性が無い魔物が他種族で群れを作ることは無いので、人為的災害かと推測。」
オルガ
「兵は大体集まったぞ!」
テラルドの兵士達
「サー!イエッサー!」
ユルリカ
「兵士ではなくとも、援助系の魔法が使える人も、後方支援として呼んで下さい!
ハルカちゃん!南方向、一人で頼めてもらえる?」
ハルカ
「了解しました。戦闘が終わり次第他方向の支援に向かいます。」
ユルリカ
「私はスケルトンとゴーレムを一人で相手取ります!
お父さん、西方向、兵を20名ほど連れて戦える?」
オルガ
「あぁ!伊達に武力で族長やってんじゃ無いぜ!」
ユルリカ
「残り80余名は北側を!60名と残りの20人で休み休みローテーション!
今ここで犠牲者が出たら来る決戦に支障が出る!村の皆!
出来ることは自分で探して!じゃ、私行ってくる!」
オルガ
「いつの間にあんなに頼もしく...よし!適当に20人!俺に付いてこい!
ドラゴン以外は頼むぞぉ!!!!頭は俺が狩る!」
こうして、誰かに仕組まれた村を守る戦いが始まった。
魔物の強さ序列
弱一般魔物級 ゴブリン・スライムetc...初級冒険者でも倒せるかも
例によっては人死にが出るレベル
赤級魔物 スケルトン、魔人魚マーマン、キングロコダイル、悪虎etc...
中級冒険者でやっと。一般人は即避難レベル
青級魔物 サイクロプス、ゴーレムetc...上級冒険者パーティでもやっと
街中に現れたら冒険者が居ても家の3個や4個は壊れる覚悟が必要
黒級魔物 ドラゴン、山鮫etc...○等級冒険者パーティでも勝てるかどうか
街中に現れたら街の全てが壊れても不思議ではない
超越魔物 魔獣王族、悪虎王etc...鬼級冒険者パーティ2チームで勝てるかどうか。
龍級冒険者がいると心強い。街中に現れたら諦めよう。
特異魔物 テドロ、ホリィ、ガルムetc...測定不能。超越魔物以上の全ての階級。
龍級冒険者以上が必須。災害範囲の測定不能。
街中に現れたら非常事態にも程がある。国家崩壊レベルのもザラに居る。
ガルムは特異の中だと弱い方。




