第30話:メイナードの要求
ハイペース過ぎるて。
メイナード
「僕の要求は唯一つ。父上を止めて欲しい。」
俺
「丁度今王子の父上に苦言を呈すために策略を練ろうと...」
メイナード
「存じておりますとも。だから此処に来た。」
メイナードは淡々と目的を話した。
メイナード
「僕は、父と義務的なこと以外話した事がほぼありません。
父の個人情報は全て謎に包まれているのです。
というのもの私ですら父の年齢さえ分からず仕舞い、
この国で一番の老人に聞いても、
「ワシが子供の時からメルナード様が国王だった気がするのぉ。
そう言えばずっとあのままの姿だなぁ」と。
僕としては人間かどうかすらも怪しいところなのです。
この国の歴史だって全てが曖昧で何の確証も得られない。
国民はそれに違和感すら抱かない。」
俺
「まさか。」
メイナード
「父は何を考えているかもよく分からない。そして何より...」
俺
「何より?」
メイナード
「父の剣は洗練されすぎている。
父の嘘くさい英雄譚も、あながち嘘ではないほどにね。」
俺
「英雄譚?」
タチバナ
「それはどっかで聞いたことあるな。
王が邪龍魔王っていう魔王を無傷で斬り伏せたって話だろ?」
俺
(魔王を斬り伏せた?前回も思ったがどういう事だ?
魔王って一人じゃないのか?代わる代わる魔王が入れ替えるとか?
だったら転生者いらなくね?後でメイナード様に聞こ。)
メイナード
「その通りです。父の剣術は到底人とは思えない。
そんな父は厳しい性格で差別意識が極めて高い。」
俺
「なるほど?」
メイナード
「父上は危険因子はすぐに排除し、生まれながらに人の価値を決めます。
僕の読みでは、魔王と裏で繋がっている可能性があると思ってまいす。」
俺&ユルリカ&ミラ&タチバナ
「!!?」
俺
「いくら何でも暴論では...?根拠はあるんですか?」
メイナード
「まだ確定とは言えませんが、不確定な寿命、
人とは到底思えない剣術、そして非人道的な思考、
とても人にできることじゃない。そんな奴に王は任せられない。
だから僕が奴の座を奪う。そのための戦争でもあります。
僕の思想は、魔物以外全ての種族が別け隔てなく暮らせる、
民に上も下もない、誰もが平等な世界なんです。」
俺
「それだと、メイナード様が王位を返還することになりません?」
メイナード
「その世界が実現したら、最終的にそうするつもりですよ?
民主国家で民一人一人が自らの国を思い、議論する。素敵じゃないですか。」
俺
「なるほど。すげぇっすね。メイナード様は。」
感心すると同時に、あんまり良くないこと聞いたなと、後悔するキリヤマ。
メイナード
「気軽にタメ口聞いていいですよ。無理やり敬語使ってる感じしますもん。」
俺
「そう?」
メイナード
「そうです。皆さんも気軽に話しかけてくださいね。」
タチバナ
「つってもな...」
ミラ
「私は敬語が好きなので。」
ユルリカ
「...」
メイナード
「特にユルリカさんは僕に気軽に話しかけてください。」
ユルリカ
「それは...」
メイナード
「僕が目指す"平等な世界"の一歩目です。対等に行きましょう。」
ユルリカ
「でも、私は...人と話すときは敬語にしなきゃって...体が覚えて...
同じ村の皆とかには出来るんですけど...」
俺
(ユルリカちゃんの無理して敬語使ってる感はそこから来るのか...)
メイナード
「そうですか。なら、敬語でいいですけど、
思ったことは自由に発言してくださいね。」
ユルリカ
「善処します...」
俺
「だったらお前も敬語じゃなくていいんじゃねぇの?」
メイナード
「僕は年下なので遠慮しときます。」
俺
「そっか。」
メイナード
「オホン、それでは話を戻します。その世界を実現するために、
先の会議で父に意見を呈したのですが...」
俺
「先の会議?」
メイナード
「キリヤマ一行の階級ランク会議です。
魔王軍直属の魔物を2対倒すなど、極めて異例ですから。」
俺
「他の神級冒険者とかも殺してんじゃねぇの?」
タチバナ
「本来冒険者は魔王を倒すことなんて目的じゃないからな。
金さえ稼げればいいんだよ。冒険者なんてもんは。」
メイナード
「そういうことです。皆さんご存知だと思いますが、
父はキリヤマさんを神級に、タチバナさんを龍級に、
ミラさんを王級にする案を出しました。」
俺
「酷え話だ。」
メイナード
「僕を含む無差別派はキリヤマさんを神級、
その他3人を龍級にする案を出しました。しかし、
こちらの意見に聞く耳を持たず、王の意見で可決。
神級を名乗るには王の許可が必要ですので、
今日、王がこちらに出向いたわけです。
いやはや、驚きましたよ。父の威圧に臆せず反抗したって聞いて。」
俺
「いや、結局何もできず、ユルリカちゃんに痛い思いさせただけだ。」
メイナード
「いえ、意味はありましたよ。反抗してなかったら僕、
此処に来てませんので。」
俺
「...そうだな」
タチバナ
「で、作戦はどうするよ?」
メイナード
「どうしましょうか?」
俺
「ノープランかよ」
メイナード
「まぁノープランでは無いんですけどね。」
俺
「?」
メイナード
「テラルドの平等のため、エルフへ探りを入れていたのですよ。」
俺
「ナイス。そんでそんで?」
メイナード
「送り込んだ兵が殺されました。」
俺
「マ?」
メイナード
「エルフに隠したい事実があるのは事実です。」
俺
「俺等が探り入れようか?」
メイナード
「助かります。でも、お一人で出向いて貰っていいですか?」
俺
「何で?」
メイナード
「皆さん一人一人が貴重な戦力であるからです。
できれば僕達4方向に別れて行動したいのです。」
俺
「それじゃぁ、ユルリカちゃんと俺が離れ離れになっちゃうじゃんかあ!!!!!
嫌だぁあああ!!!」
タチバナ
「今くらい我慢しろよ...」
メイナード
「僕は王宮にて文献を探したり、父への説得を試みたり、
この作戦がバレないようにサポートを。
それと、テラルド族以外の立場の弱い獣人族を味方につけます。
キリヤマさんは先程行った通り、エルフへの探り、
タチバナさんとミラさんは冒険者活動を続けて下さい。」
タチバナ
「俺等の立ち位置雑じゃない?」
メイナード
「いえ、恐らく私達が再開するのは1ヶ月位後のことなので、
その間冒険者活動をしないと、貴方達は冒険者でいられなくなるでしょう?」
俺
「それ一人でいいんじゃ...」
メイナード
「いえ、パーティは二人以上が原則ですから。」
俺
「とて一週間後に何かしらの行動一回起こすだけでいいんじゃ...」
メイナード
「僕らの計画はバレてはいけませんので、定期的に冒険者活動をお願いします。
それと、収入源の確保も併用してもらいますので。そして、
こちら側に協力してくれそうな冒険者がいたら、味方につけてほしいです。」
タチバナ
「これ、代わり効くよな...」
ミラ
「ですね...」
メイナード
「ユルリカさんにはお辛い事かもしれませんが、
一度ご自身の実家に帰省して頂きたいです。」
ユルリカ
「はい...」
メイナード
「ユルリカさんは族長の娘ということなので、
テラルドの歴史の文献等を調べていただきたいのと、
テラルド族を味方につけてほしいのです。」
ユルリカ
「そのことなんですが...私、正当な族長の娘では無いのです。」
俺
「え?」
ユルリカ
「20年程前、貴族への反感を買ってしまった族長は、一族ごと処刑されたのです。」
メイナード
「そんな事が...」
ユルリカ
「その時に族長代理であった父が族長になったということです。
歴史的書物等は先代族長の私物ですので...」
俺
「...」
ユルリカ
「でも、文献が残っているかも知れないですものね。頑張ります。」
メイナード
「ありがとうございます。」
俺
「さっきから気になってたけど、味方につけるって...?」
メイナード
「言い忘れてましたね。最終目標は王国軍&エルフ族
VS僕達で全面戦争してやろうかと。」
俺
「やっぱそうか...」
ユルリカ
「でも私、人死は出したくないです。」
メイナード
「それは...戦争をする上で犠牲者が出ないことなど無いのですよ?」
ユルリカ
「それでもです。相手方に犠牲者が出るのは、
テラルド族がされてきた事と同じじゃないですか。」
俺
「ん〜、賛成。魔物はいいけど人はあんま殺したくない。」
メイナード
「王国軍の戦力はざっと10万程ですよ?
そんなこと、限りなく不可能に近いのに?」
俺
「それでもだ。ミラさんの結界と回復、
俺の再生と魔力があれば、大人数でも大抵のことは片付く。」
メイナード
「...わかりました。人死は出さないよう計画を練り直します。」
俺
「んで、いつからその作戦開始すんのさ?」
メイナード
「ん〜。一週間後くらいですかね?」
俺「よっしゃ!」
実は俺、前にも言ったように、ロボットを作りたかったんだよね。
でも、ロボットの作り方は記憶力の復活で覚えていても、途中で飽きて、
素材と設計図だけ道中こっそりアマツさんに送り返してたんだよね!
んで、4日後位に届くって連絡貰ったのよ。
ちなみにホリィロボの機能。
その1:録画とカメラ!
その2:戦闘で役立つ!
その3:⇧を利用して、俺等の留守を頼む
ってなことがしたかったんだよね。
まぁ、今回はユルリカちゃんの護衛につけるつもりだけど。
メイナード
「一週間後だと何か都合がいいのですか?」
俺
「ユルリカちゃんには護衛を付けたかったから丁度いいかなって。
4日後くらいに護衛が届くんだよね。」
メイナード
「護衛が届く?」
タチバナ
「例のホリィロボか。お前、飽きて道中一回戻ったもんな。」
俺
「それ言うな!」
その後も作戦の会議が続いた。(何を話したかは今後出る)
メイナード
「それでは、失礼致します。」
俺
「おう、ほんじゃ、一ヶ月後くらいに会おうや。」
こうして、一週間の猶予ができる、キリヤマ一行であった。
俺
「あっ、魔王のこと聞き忘れてた!」
ミラ
「また今度ですね。」
ちなみにホリィロボの下り忘れてたのでここで解説。
ニホニアを出て数分後
①キリヤマ「道中暇やな」
②せや、ロボット造り始めよ!
③設計図書こ!
④休憩所(パーキングエリア的なところ)ついたし、素材集めよ!
⑤集まった!
⑥できねぇ...
⑦飽きちゃった。どうしよ...そうだ!アマツさんに任せよう!
⑧一回ニホニア戻る。
ちなみに素材は魔心石とマレチウム合金(⇦この世界の柔らかくて硬い変形する鉄)
と、増電石(電気をこの石に流すと、より多くの電気が流れる)
を使います。




