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新しい世界へ

 俺の名前は本田ホンダ 雷鳥ライチやる気のないただの警備員だ。


 「えーそことうれないんですか?」

 「はい、今、舗装工事をしていて…あちらから回ってください。」


 と、こんな感じで仕事をしている。が給与は安い。。朝から夕方まで実働8時間立ちっぱなしで6500円、毎日仕事があるわけではないし雨が降っては中止。生活はかなりキツイ。


 「おーい、本田、今日夜勤いけるか?」

 「え、俺今仕事終わって帰ってきたところなんですけど?」

 「まぁ、いつものことだろ?頼むよ。」


 夕方6時ぐらいに現場から会社に戻るなり『お疲れ』の一言もなしにこう言ってくる部長、夜勤は現場に8時集合、って時間ないじゃん。まぁいつものことだけどブラックだな。


 それから俺は家で簡単な晩飯を食べ、時間までゆっくりし夜勤の現場に向かった。


 「お疲れさん、今日は片側で頼むよ。」

 「はい、分かりました。」

 「本田君はストッパーで。」

 「了解です。」


 現場の班長に配置を決めてもらい準備をしそして仕事が始まった。この時俺はストッパーをするのになんの抵抗も違和感もなかった。だが、数時間後ストッパーをするんじゃなかったと後悔することになる。



 「えー最終21です。」

 「21了解折り返し。」


 無線機を使いもう一人のストッパーに自分の方から流した車のナンバー下二桁を伝え相手はそのナンバーが通り過ぎたら止めていた自分の方の車を流す。これが普通の片側。


 「…飛ばして来る車が出てきたなぁ。」


 そう、夜勤で一番怖いのは時間が遅くなるにつれ交通量は減るがその代わりスピードを出して通る車が出てくるところだ。ストッパーはその名の通り車を止める役割だ。車は急には止まれない。だから止まり切れず警備員が引かれる事故が多い。そしてついに俺にもそれが…


 「…!え、ちょっ!」

 「!!なっ!」

 『キキッーー、ドン!!』


 …俺は引かれた。避けたつもりだった。が、避けきらなかった。


 「おい!大丈夫か!?おい!……」」

 「…人…引いた……」


 近くにいた作業員らが駆けつけてざわめきだした、車の運転手は俺の近くでただ立ち尽くす。そこまでは覚えてる。だが、俺は意識がぼやけてそして途切れた。…… 



 「…ここは…」


 俺は意識が戻った。が


 「なんだ、ここは、真っ白……。」


 そう、ただただ、真っ白。地面も空も全部白い。


 「ようやく気が付いたか、ここは生の世界と死の世界の間にある空間。」


 姿は見えない、直接頭に声が響く感じだ。


 「お前は死んだ、が、選択肢を与えよう。」

 「選択肢?」

 「そうだ、このまま死を受け入れるか、それとも今までとは全く違う世界でまた生き続けるか。」

 「違う世界?」

 「その世界はゲームみたいな世界と言った方がお前には分かりやすいか。」


 俺は普通では有り得ないこの状況、この展開だが違和感なく受け入れていた。


 「それならもちろん違う世界で生き続けたい。」

 「了解した。こっちの手違いで死んだんだ、楽しむがいい。」

 「!?手違いで?」


 何やら最後に気になる言葉が聞こえたが詮索する前に俺はまた意識を失った。

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