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二人がきてくれた

 逃げたら、「わたしがやりました」っていっているようなことにならないかしら?

 かといってこのまま捕まえられても、結局、冤罪で投獄されてしまう。


 両親を毒殺した、なんてことなら、まずまちがいなく処刑されてしまうでしょう。


 そうなったら、妹の思うつぼだわ。


 結局、わたしは死んでしまう。


 毒殺からギロチンで首をバッサリと落とされるという、死に方にかわるだけね。


 どちらにせよ、わたしは殺されることになる。


 妹によって……。


 そんなことをかんがえながらジリジリとうしろにさがりつづけていると、なにかにぶつかってしまった。


 驚いてうしろを振り返ると……。


 なんてことなの。


 侯爵様とナダルが立っているじゃない。


 しかも、ナダルはテリーの首根っこを文字通りつかんでいる。


「ミナ、大丈夫かい?ケガは?」

「だ、大丈夫よ、ナダル」

「ミナ、無事でよかった。それと、間に合ってよかった」

「侯爵様、勝手にきてしまってごめんなさい」


 侯爵様がそっと抱き寄せてくれた。


 そのあたたかくて頑丈な体に、心からホッとしてしまった。


「あー、ずるい。それは、ぼくの役目じゃないか」

「ふふん。きみは、そのくそったれ、おっと失敬、そのろくでなしで充分さ」

「ひどすぎる」


 まぁ、侯爵様もナダルもあいかわらずね。


 思わず笑ってしまった。


「さて、きみらはだれの配下かな?」

「な、なんだと?」


 侯爵様に尋ねられ、役人たちはお互いの顔を見合わせている。


「メイフォード伯爵夫妻殺害の真実は、この男がしっている。テリー・ライアット侯爵子息だ。この男が毒を準備し、彼女、ミナ・メイフォードが実行におよんだ。テリーはその間、別荘にいるマナに会いにゆき、王都にもどるよう説得した。マナを犯人に仕立て上げるためにね。もっとも、テリーもミナに強要されてのことのようだが」


 ナダルはそういっきに説明すると、首根っこをつかんでいるテリーを役人たちの方へと突き飛ばした。


 なんてことなのかしら。


 侯爵様とナダルは、わたしが無茶で馬鹿なことをしている間にちゃんと真実を突き止めてくれていたのね。


 二人にキスをしたいくらい。


 あっ、もちろんそれは本当にするわけじゃなくって、それほどうれしいっていう意味だけど。


「なんなの、なんなのあなたたち?その男は、わたしの元婚約者よ。そこにいるあばずれに懸想したから、婚約破棄してほしいっていったのよ。そうしたら、なんてことでしょう。わたしに頼まれて毒を入手したですって?わたしを陥れるにもほどがあるわ」


 妹が屋敷のなかから飛びだしてきた。


 飛びだしてくるなり、キャーキャーとわめきだした。




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