表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/45

意味がわからないわ

「きっと驚くぞ。彼女、僕にまいっているからね。もしかしてショックで倒れてしまうかも、だね。しばらく寝込むことになるかもしれない。彼女、他にあてはあるのかな? まぁこの王都には、僕ほど容姿が優れていたり名門ではないにしろ、貴族子息はいくらでもいる。もしかすると、子爵や男爵クラスなら、彼女と付き合ってやってもいいっていう、物好きがいるかもしれないね」


 まださえずり続けている。自称で男前の顔を見ながら、だんだんイライラしてきた。


「何より、馬臭い。馬糞に塗れまくっているだろう?あれが公爵令嬢っていうんだから、笑ってしまう。やはりマナ、きみみたいに清楚でお淑やかじゃないと」


 わたしは、正直なところ妹ほどきれいではない。でもそこまでひどくはないと思っている。

 

 それにメイフォード家は、代々王族の馬の管理や調教、王族の方々の馬術指南を任されている唯一の家系。


 馬臭くて当たり前よ。

 清楚でお淑やかだったら、たとえおとなしい馬にすら跨がれないわ。


「どうしたんだい、マナ。今日はずいぶんとおとなしいんだね。いつもだったら、きみも姉さんの悪口を声高にいうのに。それこそ、きこえてはまずいからとめなきゃならないほどなのに」


 なんですって?妹までおなじようにわたしのことを?


 くらくらする。いろんな意味でショックだわ。


 そりゃあ、ガミガミいいすぎたかもしれない。厳しいこともいったかもしれない。


 でもそれは、ひとえに彼女のためのことを思ってのことよ。

 妹がしあわせな人生をあゆめるよう、一生懸命になっていただけよ。


 それを、声高に悪口をいう?


「ご、ごめんなさい。今日は、今日は調子が悪いみたい」

「え、どうしたの?風邪かな?ああ、もしかして、ガミガミいわれすぎてストレスでもたまっているんじゃないかい?だったら、きみが体や心を病むまえに、それこそ姉さんをどうにかしなきゃ、だよね」

「とにかく、今日はかえってくれないかしら?お願い」

「わかったよ。じゃあ、お別れの口づけだけでもさせて……」

「うつすといけないから。ごめんなさい」

「かまわないよ、愛するきみの風邪くらい」


 ゾッとするほど甘ったるい声に、背筋に寒いものがはしった。


 同時に、生まれてはじめて他人に平手打ちを食らわしてやりたいって手を上げかけた。


 かろうじて、理性がそれをおしとどめた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 着眼点がとても良い内容です [気になる点] ひらがなが多すぎて、かえって読みにくい部分があります [一言] 冒頭部分だけ、お節介ですが誤字脱字にて送信させて頂きました。 あらすじも内容も良…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ