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お父様とお母様が死んだ

「あの……」

「すこしは落ち着いたかい?」

「え、ええ、ナダル。そんなことよりも……」

「だったら、きみの別荘へ送っていこう」


 ナダルは、軽々とわたしを抱きかかえた。


「おいおい、きみは彼女を抱きかかえたまま彼女の別荘までいくつもりか?」

「どうして?当然です」

「ったく……」

「いえ、まって、まってください。あの、事情を……」

「ミナ、無理をする必要はない。落ち着いてから、ゆっくりきくから。今日のところは、もどってゆっくり気を休めるといい。あんなくそったれ、おっと失敬、あんな無礼な男のことなど忘れてね」


 侯爵様がいってくれた。ナダルもそれがいい、といってくれる。


 結局、ナダルは別荘の近くまでわたしを抱きかかえて連れていってくれた。


 ミンやラスカに心配をかけてはと、別荘の近くでプルルスに乗り、かれらと別れた。


 ミンとラスカが別荘のまえでまっていた。


 ミンが教えてくれた。


 テリーが急な用事できたという。わたしが遠乗りにでているということとその道程を伝えると、一目散にいってしまった。

 かれに会わなかったか、と。


 一瞬どうしようかと悩んだけど、彼女たちに心配をかけたくなかったので会わなかった、と答えた。


 それから、「お父様やお母様、お姉様になにかあったのかしら?」と、あくまでも婚約者の妹としてあたりまえの反応を示しておいた。 


 だけど、彼女たちもテリーからなにもきいていないみたい。


 その日はそれでおわった。

 だけど……。


 その翌々日の早朝、さらに事件が起こった。


 王都から早馬がきて、お父様とお母様が亡くなったという。しかも、殺されたのだと。


 すぐに脳裏にわたしの姿が浮かんだ。厳密には、わたしの姿になっている妹の姿である。


 いまのところは、急使も両親が亡くなったということしかわからないという。


 王都に戻るしかない。

 

 ラスカがともにきてくれるといってくれたが、「大丈夫。詳しいことがわかったらしらせるので、ここで待機しておいてほしい」とお願いした。


 それから、二人に断って侯爵様とナダルに会いにいった。


 まだ夜も明けきらぬ早暁、春が近いとはいえこの時間帯はまだ気温がかなり低い。

 疾駆するプルルスに揺られながら、頬や手の皮膚をきってしまうんじゃないかしらって思えるほど、風が冷たすぎる。


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