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諍い

「その……。きみはもう、ここにはきてくれないのかい?」


 メランから降りると、ナダルがちかづいてきた。


「ナダル」


 侯爵様もちかづいてきた。


 二人ともすごく真剣な表情をしている。


「ミナ、ぼくがメランと信頼関係を築くまで、いや、ちがった。ぼくは、きみとも信頼関係を築きたいんだ」

「ナダル、だめだ。身分をかんがえろ」


 侯爵様がかれの肩をつかんだ。


「身分?それがいったいなんだっていうんだ?だったら、あなたは?あなたこそ、身分の差にくわえて年齢の差がある。それらそかんがえたらどうなんですか?」

「年齢の差?とにかく、だめだ。軽々しい感情で彼女をふりまわすな」

「軽々しくなどない」


 な、なに?突然のケンカ?


 それも、わたしのことで?いったい、なにがどうなっているの?

 わたしがメランを乗りこなしたから?


「あなたこそ、年の離れた彼女ならあつかいやすいと、弄びやすいとかんがえているでしょう?」

「そんなことはない。わたしを侮辱するのか?わたしの彼女にたいする想いは真剣だ」

「だったら、ぼくだってそうだ。あなたに負けやしない」


 叫びあうなり、二人はおたがいの胸倉をつかみあった。


「ブルルル」


 メランが怯えてしまっている。


「メラン。ごめんなさい。大丈夫よ。落ち着いて」


 かれの首筋と鼻面をやさしくなでながら、話しかけた。


「わたしのほうが想いはおおきくてひろい」

「いいや、ぼくのほうがもっとおおきくてひろい」


 二人は、どんどん興奮してゆく。


「いいかげんにしてくださいっ!メランが怯えています」


 気がついたら、叫んでいた。


 わたしったらもう、馬のことになると見境がなくなってしまうんだから。


 おたがいの胸元をつかみあっていたけど、同時に動きがとまった。


 それから、おどおどとした様子でこちらを向く。


「みてください。馬は、あなた方とちがってとってもデリケートなんです。せっかくここまで人間ひとのことを信頼してくれるようになったのです。かれの信頼を裏切るようなことはやめてください」


 メランの鼻面をなでながら、きっぱり言ってしまった。


 ダメだわ。わたしったら、馬のこととなるとついムキになってしまう。


 そういえば、昔は妹のことでもムキになっていたわね。




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