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女性があつかえるのか?

「王都?まず王都にまでいくことはできない。無理だ。それに、伯爵の後継者は子女らしい。レディにあの荒ぶる馬をあつかえるわけはない」

「そんなことありません」


 ちょっ……。


 きっぱりはっきりばっさり否定したわたし自身に驚いてしまった。


 ほかのことならともかく、馬にかんして「女だから」っていわれて口惜しいじゃない。


 だって、ずっといわれつづけているんですもの。


 いつだって、「レディに調教なんかできるものか」とか「レディが?はっはは」とか、いわれつづけている。


 でも、それはちがうわ。


 物心ついたころから、わたしはずっと馬とすごしてきた。人間の友人は皆無だけど、馬はみんな友人みたいなもの。


 調教というわけではない。立派に人を乗せられるよう、いっしょに練習するの。


 お父様の技量にはほどとおい。だけど、バカにされるほど腕が悪いわけではない。


「セレス様っ、レディにはあつかえないって、ひどすぎます。ミナが怒るのも無理はありません」


 ナダルは腰に手を当て侯爵様を叱りつけた。


 ナダル、女性が馬鹿にされたら悔しいっていう気持ちをわかってくれているのね。


 でも、自分のご主人様を叱りつけるっていうのはちょっとすごいかも。


「これは、まいったな。ミナ、すまない。わたしの認識不足だ」


 そして、素直に非を認めて謝罪する侯爵様もいろんな意味ですごいかも。


「申し訳ありません。ですぎたことを申してしまいました。じつはわたし、メイフォード家でつかっていただいているんです。伯爵様にはよくしていただいて。馬のことも、伯爵様からおしえていただきました。侯爵様。メランは、すこし臆病なようです。人間に慣れていなくって怖がっているんです。だから、侯爵様が調教されようとしても怖くて暴れてしまうのです」


 仕方がない。このまま放っておくのも忍びないわ。


 なにより、メイフォード家の血がわきたってしまっている。


「メイフォード家のメイドだったのか」


 侯爵様とナダルは、またおたがいの顔を見合わせた。


「よろしければ、わたしに任せてもらえませんか?」


 自分自身を「バカ、バカ、大バカよ」って罵りながら、そんなことを申しでていた。


 もともとはメイフォード伯爵様のもとで馬の勉強をさせてもらっていて、しばらく休暇もかねて別荘のほうでメイドの勉強をしにきている。


 そんなふうに体裁をつくろった。


 これなら、侯爵様のところに通いやすい。







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