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遅い帰宅

 暗いから送ってゆくというかれの申し出を丁重に断り、それぞれの道をそれぞれの屋敷へと向かう。


 これまで妹と馬にしか関心のなかったわたしが、初対面のかれに惹かれていることに驚き以上のものがある。

 

 ドキドキとキュンキュンで胸がはりさけそうになっている。


 婚約者であるはずのテリーにたいして、一度だってこんな気持ちになったことなどなかった。


 それどころか、会いたいとか話したいなんて思ったことなど一度もなかった。


 ああ、わたしはテリーが好きではなかったのね。まったく関心がなかったのね。


 どうしてかしら?


 テリーもどちらかといえば男前である。つめたい感じの男前っていうのかしら。いいよってくる子女を弄んで捨てる、なんて噂をきいたのは一度や二度じゃなかった。だけど、不思議と口惜しかったり悲しかったりなんてこともなかった。


 そういえば、妹とできているとしったときですら、ちょっとだけ驚きはしたもののそれ以上の感情はわかなかった。


 それなのに、ナダルにたいしては……。


 そこではじめて、自分がスキップしていることに気がついた。


 こんなこと、子どものときにお父様に仔馬をプレゼントしてもらったとき以来だわ。


 思わず、声にだして笑ってしまった。



 別荘の管理は、昔お父様の執事をしていたラスカ・ベルモントと、その奥さんで王宮のメイド長をしていたミンがしてくれている。


 長年の功績により、別荘を第二の人生の拠点としてつかってもらうよう、お父様が提供された。一応は、管理人になっているけど、実質かれらの自宅のようなものである。


「まぁまぁ、お嬢様」


 散歩というには長すぎてしまった。

 

 帰宅すると、ミンが飛んできた。


「おそくなってごめんなさい」


 ミンは、メイド長として王宮で活躍していた。王宮でそれを務めることができるのは、優秀だけではない。容姿も求められる。


 六十歳をこえてもなお、顔は美しいのはもちろんのこと、スタイルも抜群。こんなふうにきれいに年齢を重ねられるなんて、素敵以外のなにものでもないって心から思える。


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