紗也のココロ
あれから、一人じゃ
いられなくなった。
色んな人に
泣きついた
恋はしたい...
でももう怖い...
男はみんなそうなの?
何を考えてるの?
あたしにはわからなかった
高校2年の冬が
やってきた
寂しいクリスマス
好きでもない男と
交わりあった。
寒い公園で2人
暖めあった。
『紗也は体きれいだね』
《そんなことない‥》
『でも心は少し歪んでる』《そうだね。でもあんた
に何がわかるの?》
一緒にクリスマスを
過ごせる人がいたのに
寂しくて寂しくて
帰りの電車、一人で
泣きまくった。
あたしの話を何でも
聞いてくれる亜衣に
電話した
やっぱり女友達の方が
落ち着く‥
最初は女子校なんて
嫌だと思っていたけど
女子校で良かった
家に帰ってリスカ
する毎日。
これはあたしを
守るもの...
あたしを探して
くれる目印...
生きているという
実感...
いつも姉と比べられる
できの悪い妹のあたし。
家にも居場所がない
1階から聞こえる
姉や両親の笑い声
2階で過呼吸に
なりながら泣いて
いる自分
誰もあたしの存在に
気づいてない
‥あたしはここだよ?
みんなはどこにいて
どこを見てどこに
向かってるの?
‥あたしはどこに
たどり着けばいいの?
冬休みは一人で
過ごすことが多く
なった。
男に会うのも
面倒になり始めた
沙季はあたしを
気遣って買い物に
誘ってくれた
とても嬉しかった。
あたしは二度と
恋なんてしないん
だろうなって思ってた
運命なんてないし
あたしを本当に
想ってくれる人なんて
いない
一生独りと
決めつけていた。
あの高校2年生の終盤
はっきり覚えてる。
2月までは...