【決断】
「もうお前とは一緒に暮らせない」
殺された女性の夫は娘にそう伝えました。
「お母さんはお前を許すかもしれない。
でも俺は
俺は無理だ。
お母さんをまるでおもちゃで遊ぶみたいに軽い気持ちで殺してしまったお前を
俺は許すことはできない。
このままではいつかお前を……
殺してしまうかもしれない!」
だから決断したことでした。
子供の好奇心が招いた悪夢のような出来事。
子が親を殺めてしまうという。
たとえそれが事故であれ、人を殺してしまったことは事実です。
裁判官は判決を下すしかありません。
でも……
例え実の子供でも
子どもだからと言ってしてはいけないことがある!
人間の裁判官にその判決を委ねることができなかった夫は決断しました。
彼は
『無人街』へと向かいました。
人ではなく
機械にその判決をしてもらうために。
【絶対判決】
機械の裁判官はこう判決を下しました。
『本件ハ ソノ背景カラ 娘りおんノ母二対スル 怨恨ナドニヨッテ発生シタノデハナク
人生経験ノ少ナイコドモデアル娘りおんノ 純粋ナ好奇心ガ招イタ事故デアルト判断シマス』
「そんな!? 待ってく……」
『静粛二!』
機械の裁判官の制する声と無機質な木槌の音が鳴り響きます。
彼はこう続けました。
『裁判ヲ辞メマスカ?』
夫は項垂れて首を横に振り
「いえ、続けてください」と答えます。
『デハ判決ヲ言イ渡シマス』
「……っ」
その判決は____……
『娘りおんニハ
【精神矯正プログラム】二参加シテモライマス』
「精神矯正プログラム?」
『ハイ
人生経験ノ足リナイ娘りおん二ハ
取リ返シノツカナイコトヲシタラドウナルカ
VRで経験シテ学ンデモラウノデス
最後に機械の裁判官は【被告りおん】に向かってこう伝えました。
『取リ返シノツカナイコトヲスルトドウナルカ
絶望ヲ
体験シテ学習シテキテクダサイネ』
その後「彼女」に待ち受けていたのは
「頽廃し滅亡していく世界でした。そこで彼女は正しい選択をしなければ世界が滅亡する__
1つの選択肢があらゆることに繋がって人の人生を狂わせていくという責任の重さを身を持って学習させられることになるのでした。
『人生、何事モ経験ガ大事――
ですよね』
機械の裁判官はそう独り言ちました。




