Case.04 解体作業
※【絶対判決】の後半部分が入力されていなかったので、追加しました。
僕は「解体」するのが好きなのさ
でもやったら捕まるから人にはやらない
コオロギ バッタ カマキリ ザリガニ ネズミ…
頭と胴体と脚 羽根や尻尾 目玉
パーツごとに切り分けて並べる
面白いね
玩具みたい
カマキリの鎌がかっこいいからコオロギにあげる
コオロギに鎌をくっつけたらなんかへんてこになっちゃった
ザリガニの殻の鎧をカマキリに着せてあげる
ぶっかぶかじゃん!
お母さんには「そんなことしたらかわいそうでしょ!?」って叱られたけど
別に誰にも迷惑かけてないじゃん~
だからこっそり隠れてやった
そして大人になった――
年上の女の人にセックスしようと誘われ
「もっと壊して」
そう言われたからやったんだ
容赦なく
そしたら
いっぱい血が出て
いっぱい叫んで
いっぱい暴れてた
すっごい感じてたんだね
お姉さん
【絶対判決】
機械の裁判官ハ本件ニツイテ コウ見解ヲ述ベマシタ……
『彼ハ善悪ノ判断ガ付カナイ訳デハアリマセン。
ナノデ人ニハシマセンデシタ。
ソノ代ワリ
別ノヤリ方ヲ思イ付イタノデス。
彼ニハマズ
他人ノ痛ミヲ知ッテモラウ必要ガアリマス』
その結果彼に下されたのは……
被告の証言をもとにAIが作成したVRで事件を再現、被害者が受けた痛みを感触体感装置によって体感させて反省を促す刑でした。
機械の裁判官は被告に最後、こう声をかけました。
『ゲームは好キデスカ?』
被告が「はい」と答えます。
『ソレハヨカッタ』
機械の裁判官は、微笑したようでした。
そして――
彼――被告は
「特別区」に招待されました。