▶特別区
まり鈴ちゃんは『特別区』の医療少年院に入れられてしまいました。他の子たちは前科は付きませんでしたが、危険思考を正すための特別なセミナーに参加させられることになりました。それも特別区で行われます。未成年で罪を犯した者は、成人するまでそこで生活し、成人後もその区から出ることは許されません。そこに入れられた者は、身体の一部――主に頸部か頭部に印『マーク』と呼ばれるQRコードのような印が刻印されるため、もし脱走してもすぐに見付かってしまいます。マークはタトゥーのようにも見えますが、情報は埋め込み式なので表面に見えている部分を書き換えても消去できない仕組みになっています。
マークの読み取り方は2種類あり、一つは表面をコードリーダーで読み取る方法。もう一つは深部まで読み取る専用スキャナーで読み込む方法です。表面は見える所であれば何キロ離れていてもスキャンが可能で、専用スキャナーのほうは布などに覆われていても発見できるようになっています。
過去に皮を剥いで脱走しようとした囚人もいたようですが、マークは想像以上に深くまで情報が埋め込まれているようで、その囚人はすぐにまた捕まってしまいました。
『特別区』は殺人やそれに相当する危険犯罪を犯した者と一般人を分けるために作られた場所です。惨酷かもしれませんが、再犯防止と善良な市民の安全を護るためには、致し方のないことなのです。
そしてこの判決を下した
機械の裁判官の判決は一切覆せません。
それが
『絶対判決』なのですから。
今日もあの公園には、
はしゃぎまわる子どもたちの
無邪気な声が響いています。