表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

魔女狩りの その日

作者: 罪人

「ああ…、【魔女狩り】の方ぁ。」

「…少しお待ち下さいね。」


アポイントなしの訪問だったが、母親は 慌てる素振りもなく、念のため少し片付けを済ませて 玄関に向かった。


「お忙しい所、恐れ入ります。」

そう言いながら、その男は 名刺を差し出し、首から下げた身分証を提示した。

「私、【魔女狩り】を担当しております、瑞慶覧(ずけらん) と申します。」

「本日、参りましたのは、こちらの娘さん…えぇ…あゆみ様が、【魔女】 ということで…」


「…あ…はい、あ、上がって下さい。少し散らかってますけど。」

母親がそう言い終わる前に、

男は 少し慌てたように言った


「!申し訳御座いません。私共【魔女狩り】の人間は 玄関で対応する事になっておりまして。申し訳ありません、説明不足で。それと本日は、お知らせと概要等の簡単なご説明だけさせていただいて。そうですね、およそ10分ほど お時間いただければ 済みますんで。お時間…あ、よろしいでしょうか。あ、ありがとうございます。」


「あの~、娘…は?呼んだほうがよろしいですか?」


母親が そう聞くと、

「あ、えぇ、出来ましたら、そうですね、娘さんもご一緒に聞いていただいたほうがよろしいかと…」

男がそう答えので、母親は 娘を呼んだ。


「あゆ!あゆみー!【魔女狩り】の方がいらしてるんだけど?」

すると、奥から 声優の様な可愛らしい声がした。

「あ、はーい。あ!クロは?一緒のがイイかな?」

母親は、男にたずねた。

「あの~ウチの黒猫は?一緒のほうがよろしいですか?」


「あ、そうですね、どちでも構いませんが、こちらの黒猫は?私共の言葉が理解出来る?あ、でしたら ご一緒に聞いていただいたきましょうか。」

男がそう返答したので、娘が黒猫を抱いて玄関に出てきた。

シャワーを浴びて間もないためか、頭にタオル巻いて。


男は、当初の予定通り約10分ほどで説明を済ますと、「また、別の日に参ります。本日は、ありがとうございました。失礼します。どうも…」と頭を下げながら、ドアを丁寧に閉めて帰って行った。


瑞慶覧(ずけらん)て…」

「話が全然 入ってこなかった…」


黒猫が、眠そうな声で鳴いた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ