ゆきちゃんの消失I
お久しぶりです
「遅いなあ。」
立花縁は呟いた。
クリスマスの夜だった。もう10時だというのに、ゆきは帰ってこない。全人類の話を聞いているのなら、と――一人で大声を出すのは恥ずかしかったので小声で――「ゆきー?聞いてるなら帰ってこーい。」とか言ってみたが、帰ってくる気配がない。
時計を見る。10時3分。縁はコートを掴み取って羽織り、聖夜の外に飛び出した。
「さっむ……」
それもその筈、気温は氷点下に達していた。そういえば雪が降るかも、とか言ってたっけな、と思い出す。
ゆきはその気になれば宇宙の果てまで一瞬で移動できる。たかが女子高生の活動圏内で捜索しようなんて、そんな前提から間違っている。それでも。
それでも、なぜだか自信があった。ゆきは近くに居る。
近くの公園に着いた。冷え切った空気の中で、寂れた遊具が並ぶその区画は時間の流れが止まっているかのように見えた。
公園の真ん中に、薄暗い街灯に照らされたベンチがあった。そこに何かが横になっていた。縁はゆっくり近づいていく。
それは、ゆきだった。白い肌で、それよりもさらに真っ白なサラサラの髪。
「ゆき、こんなとこで寝てたら風邪ひくよ?っていうかそもそも風邪なんてひくのか……」
ゆきの身体を軽く揺さぶって異変に気付いた。
ゆきの腹部に大きな穴が開いていた。
「ぇ……」
思わず、2、3歩後ずさる。
「ようやく見つけた。」
直後、そんな声が聞こえた。体ごと振り向く。
しかし、そこには誰もいなかった。彼女が居たのは、その上だった。赤髪の少女が街灯の上に立っていた。
「ごめんな、私はお前を殺さないといけない。」
少女の瞳は、全てを焼き尽くす天の炎のように赤く輝いていた。
これからまた書き始める可能性も微レ存




