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襲撃

実は前々回の話とか所々編集してたりします。

 修学旅行からもう1ヶ月。世間は11月でクリスマスムードだと言うのにも関わらず、(ゆかり)はまるでイベントから取り残されているかのような午後6時の教室で1人居残りしていた。普段数十人の生徒が居る教室に1人きりというのはどうも心細い。

 「ゆきー、どうせどこかで見てるんでしょ?暇潰そうよー。」

縁は何もない空間に話しかけた。

「ダメだよ〜。そんなことしてもゆかりのためにならないでしょ?」

何もない空間から声が返ってくる。最初にこの現象を見たときはかなり驚いた。でも今となっては慣れたものだ。

「チェッ、保護者かよ。」

「保護者だよ〜。なんかあったらママが守ってあげるからねー。よしよしー。」

ふざけた声でなんか言ってる。

 仕方ない、真面目にやるか。縁は気を引き締める。

 居残りの理由は、物理の課題の未提出である。縁は物理が苦手だった。公式なんて見た瞬間に覚えるのを諦めている。

 しばらく居残り課題の紙に目を通して、無理だということを結論づけようとした瞬間に、何かが起きた。突然教室の窓ガラスが割れたのだ。

 縁に向かってガラスの破片が真っ直ぐ飛んできたが、縁は無傷だった。驚いてギュッと閉じた目を恐る恐る開けると、ゆきが立っていた。ゆきを避けるようにガラスの破片が落ちている。

 どこで見つけたのか、ゆきは黒いパーカーを気に入っていて、今日もそれを着ている。

「ゆかり、大丈夫?」

「うん、多分……」

 周りの状況を確認する。よく見ると割れたガラス窓の遥か向こう、上空には点滅する光の点が動き回っている。

「飛行機……?」

「正確には、戦闘機だね。」

「せ、戦闘機ぃ⁈」

「2発目、来るよ。」

「ひいぃぃ!」

それは、鋼の弾丸ではなく、よくSF映画とかで見る青白いエネルギー弾みたいなものだった。

 ゆきが軽く手を翳すと、弾は全て学校にぶつかる前に弾かれた。

「すご……ゆきってこんなこともできるんだ……」

でもそこにゆきは居なかった。ゆきは当然の権利かのように飛び回り、戦闘機に向かっていった。数十機の戦闘機が一つずつ消えていく。気付くと、空に瞬く光の点は星だけだった。

 直後、呆然と立っていた縁のすぐ横にゆきがテレポートしてきた。

「ゆきが、全部やったの?」

「うん。遠くにテレポートさせただけだから大丈夫だよ。」

それを大丈夫と言えるのか。大丈夫の基準が……。

 それにしてもこの騒ぎで先生が誰も来ないなんて私のことを見てる気なかったんじゃんとか思っていると、今度は割れた窓から教室内に女性が1人飛び込んできた。思わず身構える。

 白人らしい彼女は、くたびれたワイシャツの上に黒い白衣(日本語がおかしいが)を羽織っていた。ケアをしていないのか、汚れている上に変に曲がっている金髪はそれでも物がいいことが分かる雰囲気がある。

 女はゆきと縁の顔を交互に見ると、

「どうも。『機関』の最高責任者、ロゼッタ・ラ・ロテッラだ。よろしく。」

流暢な日本語だった。

「いきなりですまないが、そこの……ゆきさんの身を預かりたい。」

「やだ。」

ゆきは食い気味にそう答えた。

「ちょっと待って!全然状況が分からないんですけど。」

ロゼッタが丁寧な口調で答えた。

「どこから説明したらいいかな。まず、『機関』というものが何か知っているかい?」

「いえ……」

「Anomalous Phenomenon Research Institute……異常現象研究機関とでも訳すのかな。我々『機関』は、世界各地で稀に起こる科学的に異常な現象を研究し、原因を突き止める為に活動している。そんなわけだが、1ヶ月ほど前から起きている現象は我々が今まで経験してきたことを遥かに凌駕する奇怪さだ。どう奇怪かと言うと、物質が洋服の形状に集まったり、人1人分の体積の素粒子の位置の入れ替わりが複数回発生したり、というものだ。意志があるとしか思えないだろ?……私は思うんだ。神が覚醒したのではないかと。そして、神はすぐそこに居るんじゃないのか、……と。」

ロゼッタはゆきを真っ直ぐ見つめていた。

 縁は恐怖を覚えた。この人は危ない、今すぐ逃げろ、と本能が警告している。

「私は予てからある野望があってね。それは……」

ロゼッタは大きく両手を広げると、

「神になることだよ。」

低く、はっきりとした声で、ゆきに向かってそう言った。

女神は強すぎるから物理的な戦闘がすぐに終わっちゃいますね。これから戦闘シーン増えると思います。よろしくお願いします。

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