腹が減っては
祇園寺結莉は、意外にも手料理の腕もなかなかである。今日も想像していた数倍の量がテーブルに並んでいて、縁はその物量にちょっと呆れつつ、とりあえず目の前の唐揚げに手を付けた。唐揚げにチャーハンに、この人は私を男子高校生と勘違いしている節があるよなあ、なんて縁は思いつつ、でも美味しいから箸はどんどん進んでいく。
「今日は……ちょっとだけ、真面目な話があるんだ。」
そう結莉が切り出しても、縁は黙って箸を動かすだけだった。
「ゆき」
その二文字を口に出した瞬間、縁はガタっと音を立てて立ち上がった。
「ゆきが見つかったんですか?」
結莉はその勢いにちょっと笑っていた。
「まあ……半分くらい。とりあえず、話を聞いてくれ。ほら、唐揚げはおかわりもあるぞ」
座りなおして再び唐揚げを口に運び始める縁を見てニコニコしつつ、結莉は続ける。
「単刀直入に言うと、創造神を示すデータを確認できたんだ。ただ、それが本当にゆきさんで、生きているか死んでいるか、そういったところは断言できない。それに……その発信源は、地球じゃない。さらに言うと、この世界ではない。分かりやすく言うと、異次元とかだろうか。そこに創造神が居るらしい、というデータが取れたんだ。正直、異次元だとかは私もよく把握していない。それに、データもかなり粗削りな段階で、誤差の精査とかも終わっていない。だけど、このことは誰よりも早く、君に……縁に伝えなければいけないと思ったんだ。……どう思う?」
縁は口の中の唐揚げをゆっくり咀嚼してから飲み込んで、それから口を開いた。
「正直、そんなことを言われても、どう反応したらいいのか。……でも、創造神……ゆきに繋がる手掛かりが得られたなら、私はそれを信じるしかできないんじゃないかって思います。」
「そうだな。『機関』みたいに大規模な調査はもうできないが、私も私なりに調べてみるよ。だから……。うん、縁もちゃんと食べて元気出すんだぞ!」
バン、と結莉が縁の背中を叩いたので、縁はむせた。




