表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/41

魔術

「あーーーーー!!痛てぇなぁ!」

 アフリカ大陸、リビア南東の砂漠地帯にロゼッタは落下した。その腹部はかつて超高級なスーツの生地だった灰がこびりついていた。長く宇宙の絶対零度に晒された挙句に地球突入時の衝撃で、オーダーメイドの高級スーツはほとんど焼失していた。そして、ロゼッタの脇とか鼠径部とか、一部に辛うじてしがみついていた布だったモノも、役割を持たないと判断したロゼッタに捨てられた。その下の皮膚にはほんの少しの傷すらもない。長期間の宇宙空間に破壊神の渾身の拳にまで晒されてなお、ロゼッタの体は完全に無傷だった。

 落下時の衝撃で、砂漠には直径20メートルほどのクレーターができている。砂に足を取られながら、なんとか這い上がったところだった。ロゼッタに向けて銃弾が飛んできた。が、ロゼッタは難なくそれを回避してみせる。

「お前は……」

 そこに立っていたのは、かつてロゼッタの部下であった祇園寺結莉。その右手には、拳銃のようなものを携えている。だが、その銃は既存の型ではない。

「誰だっけ。名前なんか覚えてないんだよなあ」

 ロゼッタを無視して、結莉はもう一度銃を撃ちこんだ。今度はロゼッタの額に直撃するが、ロゼッタは動じない。

「……やる気か?」

 結莉はもう一度銃を撃った。今度は胸部の中心に直撃する。ロゼッタは動じない。

 ロゼッタは高速で結莉に突進した。大きな衝撃が起き、砂煙が舞い上がった。砂煙が落ち着いて見えてきたのは、肩で息をするロゼッタと、その腹部に長い刃を突き刺す結莉。赤い液体のこびりついた刃はロゼッタの背中から1メートル近く突き出していた。

「私たちは、あなたを敵と認識している。」

 結莉はロゼッタの耳元でそれだけ囁いた。

「……ふざけるな。私が……何をした!」

 ロゼッタは腕を振り上げるが、その腕はすぐに重力に従ってしまう。

「これは……魔力の強制排除か?」

 結莉は答えず、ロゼッタの腹部に刺さる刃に力を込めた。

「そうか……だったら」

 直後だった。結莉は3メートルほど投げ飛ばされた。

「魔術を使わなければ……関係ないな?」

 頭から落ちた結莉は、小さく低く呻くだけだった。ロゼッタは腹部に刺さっている刃をゆっくり抜き取る。同時に、大量の血液が腹部から噴き出したが、ロゼッタはやめない。

 完全に刃を抜き取って、それからロゼッタは咆哮した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ