戦争の発端はしょうもないことが理由だったりする
ゆきちゃん第三部です。暇だし続き書くことにしました。正直、これまでの流れとこれから何しようとしてたか忘れてます。
正月気分は引きずってしまうものだが、それでももう2月になる。流石に正月の雰囲気も抜け切って、どちらかというとバレンタインムードの方が強くなってきた。そんな季節。
「一月下旬からのこの時期って何もないよね。」
窓の外を見ながら退屈そうに呟く銀髪美少女。
「うちにあるゲームは全部クリアしちゃったしなあ。漫画も読み終わったし。トランプやってもどうせ私が勝っちゃうし。縁はケチだから新しい暇つぶしグッズ買ってくれないし。」
言ってる内容は内容なのだが、美少女なのでそんな横顔すら完成された様で、適当に写真を撮れば写真展で飾られていても違和感がなさそうなくらいである。
「なーに見てんだよ。私は見世物じゃないんだよ。……まあ、美少女だから仕方ないか。」
そう言って「やれやれ」という表情になるが、その情景ですら詩的である。ずるい。
彼女はゆきちゃん。この宇宙の創造神様らしい。確かにその銀髪は尋常ではないほど綺麗だし人間味がないくらい美しい。ひょんなことから彼女と出会って、ついでに彼女に気に入られてしまった私。なんだかんだ紆余曲折曲折浮沈、色々あった結果、私の部屋には創造神サマが居候しているわけである。ついでに、
「いてっ」
絶世の美少女さんが誰かを蹴り飛ばしてしまったみたいだ。
赤い髪、赤い瞳。銀髪美少女が美しすぎるだけで、こちらもなかなかどうして、美少女である。羨ま……ムカつく。
「あんたが変なとこで寝てるのが悪いんだからね!」
創造神のくせに、開口一番そんなことを言う。黙ってれば完璧ってやつなんだな、これ。
「…………」
赤い美少女――りんごは、無言のままである。
何を隠そう、この赤い方の美少女は破壊神様である。ゆきが殺されたり、私も殺されかけたり、創造神と破壊神の死闘があったり紆余曲折あった。なんやかんやで今は彼女もここに居候しているわけである。
黙ったままのりんごを前にきまりの悪そうなゆきは、暫く目を泳がせている。ちらちらこっちを見ていて、多分私に助け舟を出してほしいんだろう。
仕方ない。このままだと創造神と破壊神による終末戦争が始まりかねない。
「ほら、ゆき。謝りなよ。『ごめんね』って。」
「ん~。……ごめん」
「りんごも。ゆきは謝ってるみたいだよ。」
りんごは、寝転がって漫画を読んでる顔の向きは変えず、目だけこっちを見る。でも、すぐに漫画に戻して、りんごが言ったのは一言だけ。
「どうでもいい」
これにゆきがキレた。
「はぁ!?せっかく人が謝ってやったのに!何こいつ!」
そうだ。りんごはこういう奴だった。まずいな、終末戦争も冗談じゃ済まないかも。
本当に困る。部屋が壊れたら一番困るのは私だ。世界が滅びるならどうでもいいんだけど、部屋を吹き飛ばされた状態で生きるのは御免だ。
ゆきはずっと「こいつぶっ飛ばしていい?いいよね?」とか言ってるし、りんごはへらへら笑いながら漫画読んでるし。あーーーーー!創造神と破壊神なんて一介の女子高生には荷が重すぎる!
ピンポーン
インターホンの鳴る音。ゆきがりんごの首根っこ捕まえて拳を振り上げたところだった。首の皮一枚繋がった……のか?
ゆきの拳が空中で止まっているのを確認して、私は玄関に向かった。
ドアを開けた瞬間、私は心臓が止まるかと思った。
「助けて……」
弱々しく呻くと同時に玄関に倒れ込んだ女性。天パ気味の金髪に童顔のお姉さん。その顔は見たことがあった。確か……そう。「機関」のフシギ系黒髪ロングお姉さん、祇園寺結莉さん……の、同僚の早乙女未玖さん、だっけ?
あまりにも唐突な展開に困惑してたら、ゆきが歩いてきた。
「また、面倒くさいことが始まったみたいだね。」
「どういうこと……」
ゆきは私の問いに答えず、頭上に腕を突き出した。同時に、遠くで数人の騒ぐ声が聞こえた。
「何したの……?」
「んー?……ちょっとね。さあ、行くよ。」
行くってどこへ、と言葉にする前に私の視界は暗転した。
これまでのところ読んでみて、驚くほどキャラの外観に触れてないのに気づきました。脳内ではビジュアルあっても小説内で描写しないとだめですね。僕の悪い癖だと思います。




