告知男は望を得る
「セシー此処で待ってて」
此処は食堂結構広い
多分城は外の見た目より中はかなり広い
セシーは俺を見つめ
「アレクにお願いは早かったわね」
「そんなことないさ」
「分かったわ」
セシーは頷きシナを作り微笑み
俺は頬が染まる事を自覚しつつ
「もちろん♪」
心のままに上機嫌に・・・・
食堂から出て通路で気付く
「あ汚れる」
「大丈夫よ」
「アレクのモノなら何でも受け入れるわ」
セシーの声に振りむけば
セシーは微笑みを浮かべ
「待ちきれなくて」
セシーの青い瞳は怪しき光にうっとりと輝かせ
可憐な柔和さは潜み妖艶に頬を染め
「さあ見せてアレク貴方の一端を」
俺はセシーの言葉のままに
どす黒い己の血の池を自身の足元から生み出す
そして漆黒ののカラスを複数生み出し
「命ず見守れ」
命じ放つ
「あ・・あ・・すばら・・・し・・い♪」
セシーはうっとりと頬を染め
俺の血のカラスを一羽抱く
俺は茫然と見つめる
一瞬で奪われたそう奪われた
「アレクのコレ欲しいの」
気がつけばセシーに後ろから俺は抱かれ
セシーの甘い吐息が間近に
「良いでしょ♪」
「もちろん」
俺は心のままに・・・
セシーはわらい
「ありがと」
「後奪ったのはカラスでないわ」
スゥーとセシーは離れ
「アレクの心よ♪」
踊る様にくるりと回り
「私以外には奪われないでね♪」
可憐に柔和に微笑む
俺はセシーに見惚れ
「もちろん♪」
夜月も雲に隠れた
普通は漆黒の闇の中
「セシー美味しかった」
食堂でセシーと椅子に座り
「そう良かった」
食事は何かの蒸し焼きと果物
「本当に美味しかった」
「けど骨ごと食べてたわよね」
セシーは俺をまっすぐ見つめ寂し気に微笑む
「美味しかったからね」
俺は笑い立ち上がる
「行くの」
セシーは俯き
「ああ」
「此処では汚れてしまう」
俺は笑い
セシーは顔上げ
「此処なら城なら」
俺は聞かない
俺はもう決めた
ただ己の為に生きると
だから彼らを山で殺すと・・・・
「まって!!」
テーブルを勢い良くバンと叩き
セシーは笑う
「何故」
俺は彼女を理解出来ない
「君は俺に後悔させない為に」
「世話を焼いてくれた」
「もういい満足した」
「それとも間違えてる?」
俺は淡々とそして威圧を込め
「ねぇセシー」
セシーは微笑み俺を見つめ
「間違えてるわでも」
「有難うアレク」
「願いを聞き届けてくれて」
「そしてとても楽しかったわ」
「だから此処に帰ってきてアレク」
セシーは美しくただ美しく
「ええと」
「その」
「うん」
俺はどぎまぎしつつ挙動不審に
セシーはくすくすと笑い手を振り
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
俺も笑い手を振る
深夜雲の隙間から
さんさんと月光が降り注ぎ
俺を明るく照らす
眼前には数多い兄の一人が全身魔具彩られた馬に乗り
「アレク!!」
「反逆の咎で処罰する!!」
白い煌びやかな魔具を全身に身に着け
「何故とは言わないんだね」
「ウルグ兄さん」
ウルグ兄さんは俺を見つめ
「・・・・アレク」
「お前の無念は俺が必ず晴らす」
「だから俺に殺されろ」
俺は首を振る
だってセシーのお願いを叶えないと
後ウルグ兄さん無能?・・・
気にしなよ何故・・・俺が
此処に居るのかを・・・・・
ウルグ兄さんは
「全通達!!」
配下達に命令する
「反逆者アレクを抹殺せよ!!!」
騎馬隊が30程が命令に従い
俺に向かい突撃してくる
広く無い山道で騎馬隊か・・・・
忍びも魔術師も居るのに・・・
手にする剣で騎馬を切ろうと
森の中に吹き飛ばされる
つえー木々も関係ないな此れは
「やったか」
騎馬兵士が叫ぶ
いやー残念死んでも無いし
骨も内蔵も無事だよ
「剣は逝ったな」
俺は自分のどす黒い血で刀を作る
「黒血刀」
「其処だ」
俺の傍に光が発生
「突撃」
木々を薙ぎ払い騎馬達は此方に向かって来る
「あはははは」
俺は笑う
何故笑うと問われれば・・・
俺は轢き殺せないと答えるだろう
「黒血カラス」
「命ず問え」
俺は右手を前方に掲げ叫ぶ
刹那空からカラスの群れが
騎馬隊に降り注ぎ血を降り注ぐ
「な!!!」
馬達はいきなり止まろうとするが止まれない
生まれた時から兄弟の様にとか
凄まじいカリスマ持ちじゃないと
俺の深淵技にはかなわないよ
哀れな騎馬兵士諸君!!!
「ち!!」
手にした槍を駆け寄る俺に片手で突き出す騎馬兵士
「いい反応」
「でも」
俺は軽装な騎馬兵士の槍を持つ腕を黒い刀で切り落とす
「何故だアレク王子が戦える」
「いまさら」
俺は首を左手で切り裂き
死体を蹴り落とし
「ふっ」
槍を持つ振りをそしてハッとした表情を作る
予定道理槍はすり抜け
馬の魔具もすり抜ける
「残念でしたね」
「魔具は所有者専用」
馬達にどす黒い血で文様を施しつつ
「黒血文様」
「命ず守護」
馬の一頭は素早く駆け出し
俺は喜び笑う騎馬兵士の首を切り落とし
「ああ知ってる」
其れを皮切りに騎馬兵士の生き残りは
「何だ」
暴れる馬に振り落とされ
「暴れぐはっ」
踏まれ
「所有契約を破棄されたのか!!!」
「皆集まれ円陣を組み耐えるぞ!!」
手にした槍で果敢に馬と相対する者
俺に降りし
馬達が駆け轢き蹴り踏まれ噛まれ蹂躙される兵
此方は問題ない・・・・
問題の纏め役と周囲の兵士達
俺の駆る馬は意図を汲んでくれ高く跳躍
俺は円陣を見下ろし
「黒血半円刃」
刀を大きい半円刃に変え
「命ず陣を殺せ」
構え投擲
半円刃は意思を持ち虚空を自在に舞
不可思議軌道に兵士達を纏め役を切り裂く
そして陣は崩れ蹂躙される・・・・
「行くぞ」
俺は騎馬隊の壊滅を確認し
馬を率い突撃・・・
そして魔術師部隊を蹂躙する
「ぎゃああ」
「にげろー」
「応戦・・・・」
魔術師部隊は混乱し
俺は更なる混乱に突き落とす
「黒血クナイ」
両手に黒いクナイを持ち
「命ず意識を阻害せよ」
何本かを投擲
クナイは魔術師の足元に吸い込まれるように刺さり
「なっ!!魔術封じ」
抵抗を試みた魔術師達は叫ぶ
「命ず急所を捕らえよ」
残るクナイを投擲
俺はクナイの結果に満足しつつ
戦場の慟哭に耳を傾ける・・・・
やがて魔術師部隊は死ぬか撤退し・・・
やがて彼らはウルグ兄さんは退却する
俺は馬を率いセシーの元に・・・・
汚れた姿のままに・・・
セシーは町の入り口で月明かりに照らされ
俺はただ嬉しかった・・・
セシーは俺を見て微笑み駆け寄り
俺を馬から引きはがし抱きしめ
「お帰りなさい」
「アレク」
「た・・だいま」
俺は気がつけば泣いていた
ずっと聞きたかった言葉
深淵で知った言葉
彼は与えてはくれなかった言葉
「ね・・え・・」
セシーは優しく俺名を呼ぶ
「アレク?」
俺はただ望を口にする感謝では無く
「こ・・こ・・にいていい」
セシーは喜びに彩られた声で
「勿論♪」
「一緒に暮らしましょうアレク」
「あ・・り・がとう」
夜明けはまだ遠い中
二人は微笑み光り輝く
今だ王でない青年は望を得・・・・
お読み頂き有難う御座います。




