表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
火精のグレン  作者: 仮宮 カリヤ
一章 始まりのグレン
6/18

第5話 聖剣 エクスフォーリー

俺たちは手を繋いだまま狩り場である森に辿り着いた。


「じゃあ、ここら辺でやります?」


そう言ってカリンは俺から手を離してしまった。


う、なんかここまでずっと繋いでたから、無くなってしまうと何故だか心細いな。


俺はそれでも我慢して、そのまま一緒に狩りを始めた。

数十分した後に、休憩がてらステ振りの時間にする事にした。


「うわっ、たっくさんポイントが入ってます! やっぱりグレンとやると捗りますね!」


「俺も、仲間がいた方が楽しくてやりやすいよ」


「カリンも頑張ってパラメータ上げてるな。……もうそろそろ行かせてもいいかもな」


イグニは独り言のように呟いていたが、その声は俺に届いてはいなかった。


「なぁ、カリンのジョブって、やっぱ剣士なのか?」


「はい、ジョブは「ソードマン」にしてます。かっこ良さそうだったので……でも、やっぱり向いてないのかなぁ」


「いや、そんなことないぞ?」


俺はメニューから剣系の武器を探した。

すると、【聖剣 エクスフォーリー】というのが目に入った。


武器【聖剣 エクスフォーリー】



・光属性攻撃の威力を1.5倍する


・STR+200



……あれ? これ、俺の武器より強くね? まぁ、いいか!


俺は【聖剣 エクスフォーリー】を出した。


「ひゃ! な、なんですかその神々しい剣」


カリンは【聖剣 エクスフォーリー】を見てそう溢す。

俺はこれをカリンに投げ渡した。

カリンはなんとかキャッチする。


「それ、お前にやるよ」


「え、ええぇえ!」


カリンは大きな声明をして驚嘆を表現した。


「いいんですかこんなの挙げちゃって!?」


「いいよいいよ、どうせ俺使えないし」


「……ほぅ、そう言うことなら、もう話してもいいかもな」


イグニが俺の肩から降りて、近くにあった切り株に飛び乗った。


「お前ら、ステータスポイントは余ってるか?」


イグニは俺たちの目を交互に見ながら言った。


「はい、結構余ってます」


「俺もだ」


「………じゃあ今から、「第2ジョブ」について話をする。まぁ、マジでお前らのレベルで知っていい話じゃないんだがな」


「はぁ? なんだよそれ、馬鹿にしてんの?」


俺が聞くと、イグニは言った。


「お前らのレベルが上がるのが早すぎるんだよ。じゃあ話すぞ。まずはジョブ画面を開いてくれ」


俺たちはメニューからジョブ画面を開く。


「じゃあ、好きなジョブを選べ」


「ちょっと待って下さい」


カリンが反対した。


「このどれかを選んでも、私達のジョブが変わってしまうだけだと思いますが」


「それを誰かが証明したのか?」


カリンは言葉に詰まった。


「ジョブが二つあると、その二つの能力を使いこなすことが出来んだよ。グレンのようにな」


「……どういうことだ?」


俺は言っていることが分からず、今度は俺がイグニに質問する。

イグニは呆れたように言った。


「お前は俺を使役しつつも、ちゃんと「ファイター」として戦えてるじゃねぇか」


「………!」


俺は今までのことを思い出し、納得する。

確かにそうだ。なんで今まで気付かなかったんだろう。


「じゃあ仕切り直しだ。選べ選べ!」


俺は悩んだが、最初決めるときに迷った「ウィッチ」にすることにした。

俺は「ウィッチ」の表示をタップする。

すると、「属性画面」という表示が現れた。


へぇ、「ウィッチ」ってどんな魔法も使える訳じゃないのか。


俺は自分の好みと、装備のこともあって、火属性を選んだ。


「よし、俺は決めたぞー」


イグニにそう報告して、俺はカリンの様子を見ようと近付いた。

カリンは人差し指を顎につけている。

どうやら悩んでいるようだ。

俺はカリンの後ろに回り込む。


「何と何で迷ってんだ?」


「きゃ! グレン、後ろは駄目です!」


カリンはそう言うと、俺をカリンの横に置いた。


「な、何でだよ」


カリンは少し恥ずかしそうに言った。


「後ろは、緊張しちゃいますから」


「……? で、何と何で迷ってんだ?」


「この「ファイター」と「ウィッチ」で迷ってるんです。「ファイター」は攻撃力上がりそうだし、「ウィッチ」は面白そうなんですよね」


「じゃあさ、俺に決めさせてくんない?」


俺はそう切り出した。


「え……いいですけど……剣のお礼もありますし」


そうカリンが言うと、俺は「ウィッチ」の表示をタップした。


「楽しそうなら、こっちを選んだ方がいい。それに、カリンが魔法を使うなんて、かっこ良さそうだしな!」


カリンの顔は少しずつ赤みを帯びていく。

ん? なんか怒らせるようなこと言ったかな?


「属性画面」では、カリンは【聖剣 エクスフォーリー】のこともあってか、光属性を選んだ。


「これでいいんですよね?」


イグニが気を取り直して言う。


「よし、一週間後、ちゃちゃっとステータス上げてダンジョン行くぞ!」


……ん? ダンジョン? なんだそれ?


俺が分からないでいると、カリンが俺に教えてくれた。


「ダンジョンは、モンスターの造った巣穴を、そこにいた民俗が開拓したものと言われています。今も、強力なモンスターが沢山いるんですよ」


「じゃあ、俺たちはそこにパラメータを上げるために行くのか?」


「違ぇよ」


イグニが反論した。


「俺たちが行くのは、そのダンジョンの、ボス部屋だ」

『火精のグレン』をお読みいただき、ありがとうございます。


さて、今回はジョブ《ウィッチ》についてご紹介させて頂きます。


ウィッチにも種類がありまして、光やら火という、「属性」によって、出来ることも変わってくるので、当然その立ち位置も変わってきます。


ウィッチはその種類の多さから、属性のイメージカラーで、光なら「白ウィッチ」、火なら「赤ウィッチ」という風に区別されて呼ばれています。


幾つもある基本ジョブの中で、唯一属性攻撃を使えるのが《ウィッチ》だけなので、重宝されているのですが、如何せん武器が弱い! 更には防具も脆い!


といった具合に、長所はあるものの、短所がゲーム的に致命傷なので、あまり使いたがる人がいませんでした。

しかし、今回「第2ジョブ」というものが発覚したことで、属性攻撃を使うために、態々ウィッチ用の装備をつける必要がなくなったのです!


これは《ウィッチ》の需要が爆上がりなのではないでしょうか!


では今回はこれで。シーユーアゲイン!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ