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8・幼馴染みです

学生寮の中で、当然ながら女子部屋と男子部屋の区域は分けられている。お互いの場所に行くには境目にある受付で手続きを済ませなければならない。さらに、外部の人間は一切立ち入り禁止だ。

荷物を受け取りお礼と挨拶をついてきてくれた使用人に言ってから、学生寮の門を潜る。

受付もある境目となる部分には多目的ルームや食堂や応接室、大浴場など、様々な施設が揃っている。

フェルトとは部屋の片付けが終わり次第応接室で待ち合わせることにして、部屋へ向かう。


部屋は二人部屋だ。はたして相方はどんな子なのだろうと思いを巡らせつつ入ると。


「あら、遅かったわね」


見知った顔だった。


彼女はエレナ・スティルバーン。伯爵家令嬢で、フェルトや私の幼馴染みというやつだ。

そして、ゲーム内では悪役令嬢である。実際この世界ではエレナには他に婚約者はいて、私と対立することは確実にない。


「別に待ってたわけじゃないけど、遅いと、…ほら、私が暇でしょ」

「そうですね」


本人はというと、端的に言えばツンデレだ。金髪の縦ロールも相まって、悪役令嬢らしいと言えばらしい。


「あ、そうだ。シーグルト家の養子に入ったんでしょ?」

「そうです、あと、その、」

「フェルトと婚約、でしょ?」


なんで分かるんですか…!!

魔法を使ってならたまにいるけど…!


「そう、ですね」

「あっ、なら敬語と名前の呼び方も普通でいいわよ」

「普通…?」

「あ、でも敬語がデフォルトみたいだし、それを強要するのもね……、どっちでもいいわ」

「はい、エレナわかりました。」


敬語は敬語なのね、エレナとコロコロと笑った。


「フェルト相手のときはどうしてるの?」

「敬語も様つけも禁止、と命じられたので、今は砕けた口調です」

「命令だから?」

「えぇ」


「なら、フェルト相手のとき敬語も様呼びも戻してみてちょうだい」


それ、無茶振りですよ困る、とは思ったが、良く考えるとお互いの内面を知る度に好感度は通常上がるものだ。逆に、壁を作れば下がりそうではないか。

シナリオにはなかったからなんとも言えないが、やってみる価値はある。


荷物整理を一通りすませ、エレナと共に応接室へと向かった。

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