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閑話・フェルト視点

フェルト視点です。

抑えたつもりですが、一応閲覧注意。前半がダメかも。


追記・今日これ読んでる友人に聞いたら「これは余裕で大丈夫」って返ってきたので閲覧注意とは言いましたが大丈夫だと思います。読んでない方でよっぽどヤンデレがダメな方以外はどうぞ(これ読んでる方でヤンデレダメな方はタグ見た時点で回避されてるかと思いますが)



「そう、ですね。今は」


今は?何それ。まるで未来は違うみたいな言い方で、まるで、離れてくと聞いたあの言葉が本当みたいで。


そんなの絶対に許さない。メルの居場所は俺の傍で、それ以外は絶対認めないし逃げるくらいなら他の居場所を全て潰す。メルには嫌われたくないけど、メルが俺を裏切る真似をするくらいなら。


「………………今は、なんかじゃない。ずっと、だ」


ずっと婚約者でいるためにも、メルを殺して自分も死ぬことを俺は厭わない。今握ってる手を決して離すことがないように、強く握り直した。そのせいでメルの柔い手に傷を作ったが、気にしなかった。



ふと、声が深い思考の淵から俺を引き上げる。



"でも、それでもフェルトに嫌われるのはつらいなぁ………"



か細くて、今にも泣きだしそうな声で。でもそれは口に出されたものではない。メルは前を向いていて、ちらりと見える表情は泣いてはいない。


途端に我に返った。そして、一瞬前の自分に吐き気がした。


メルは俺を嫌いとは言っていない。離れると明確に言ったわけでもない。


ほら、"今は"っていうのも、今は婚約者だけどいずれは結婚して夫婦になるからじゃないのか。


メルがどういう考えでいるのかは分からないが、こう思ってる以上俺は嫌われてはないはずだ。


引っ掻いてしまったメルの手の甲の後を慈しむように撫ぜる。


勝手に被害妄想して、メルを傷つけてしまった。そうだ、メルが俺から離れるはずない。だから俺はただ、メルに嫌われない様に、メルを傷付けないようにすることに神経を注ぐべきだ。


―――――――――そうどんなに思考を染めようとしても、それはどこか白々しく、表面をなぞるだけで、気分の悪い胸騒ぎが止まることはなかった。






メルと言葉少なに交わして寮の部屋の分かれ道で別れる。


自分の部屋のドアを乱雑に開けて電気も付けることなくベッドに直行した。


寝よう。今日の自分はおかしい。メルが離れる心配ばかりしている。そんなこと、今まで考えたこともなかったのに。離れる想像が今まで以上にリアルで、足が竦むなんて。


眠いわけではないが、今持ってる思考を全て振り落とすために目を閉じ意識を飛ばした。









「フェルト?起きてる?」


声が聞こえて意識が浮上する。メルじゃないとだけ判断してすぐにまた意識を落とした。


「フェルト」


さっきより声が大きく聞こえる。いい匂いが鼻を掠めて、メルの料理だと分かった。声は………エレナのようだ。


「…………エレナか。それ、メルが作ったやつだよね。なんでエレナが持ってきてるの」


メルのものに誘われてのそりと身体を起こし、暗闇のせいで朧げなエレナに目を向ける。


なぜ、メルの料理なのにメルが持ってこない?そもそもなぜメルは夕食を食堂で食べるために俺を呼びにこない?


体調を崩したのだろうか。なにか面倒事が起きてるのだろうか。俺が、助けに行かなくちゃ。


「えっ、こんな暗いのにフェルト見えてるの?」


こんなときにどうでもいいことを聞いてこないでほしい。

なげやりに返事を返してエレナにもう一度聞く。


「見えてない。けどメルのものくらい分かる。で、なんでメルじゃないの」

「メル、忙しいんじゃない?じゃあ私も部屋戻るわ、ちゃんと夕食食べなさいよ。あと鍵も閉めて」


早口で適当に回答を投げたエレナは俺の次の言葉も聞かずに料理だけ置いて出ていった。


忙しい?入学初日で、俺の部屋に来れないほどに?そんなわけないだろう。いくら首席だからといってそこまでの多忙を極めることはあるわけがない。相変わらずエレナは嘘が下手だ。

なら、なぜ来ない?やっぱり風邪でも引いたのだろうか。あぁ、こういう時に寮は不便だ。本人の許可なしに相手の部屋に入る事ができないから、看病しに行くことができない。俺の部屋にメルが入るのは最初に纏めて許可を出してるけど、逆はしてないのだ。



「メル、メル、メル」


会いたい。会って、いつもみたいにたわいのない話をして、たまにメルを抱きしめて、恥ずかしがるメルを見たい。


嫌な思考を振り落とすために寝たのに、全くその効果は出ていない。どうしてもメルが離れていく感覚を感じてしまう。



重い溜め息を吐いて立ち上がりメルの料理に手を伸ばす。メルが作ってくれたのはパスタみたいだ。すぐに作れる料理を選んだってことは、どういうことを表すのだろう。パスタが早く作れるって教えてくれたのもメルで、それを知らなければまた心をざわつかせることがなかったのかと思うと皮肉なことだ。


こうして考えてる間にもパスタが伸びてしまう。考えるのは後にして食べよう。


パスタはとても美味しくて、俺が好きな甘めの味で、やっぱりメルに会いたくなった。

どうでしたか?これくらいは大丈夫ですか?


フェルトとは限りませんがこれより遥かにダメな話というか思考というかがこれから出てくる予定なので………、はい。あ、ヤンデレ好きの方はどうぞ楽しみにしててくださいな。

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