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31・考えてなかったんです



職員室に着くと、たしかに1人では運びきれないほどの量が積まれていた。


渡されたものを抱えて職員室を出て教室に帰ろうとするが、ふと思う。


「魔法でものを浮かせて運べばいいのではないですか?先生は無系統魔法はもちろん実用的かつ初歩的な系統魔法は適正外でも使えるように研修されると聞きましたが。………あ、手伝いたくないとかそういうわけじゃないです」


光系統持ちは適正外でも比較的他の系統でも相性がいいと聞く。イーグル先生は光魔法の担当なのだから空間魔法の初歩である物を浮かせることぐらい簡単なはずだ。


イーグル先生は嫌な顔せずに変わらない微笑みを浮かべて、


「たしかに使えますが、魔法に頼りすぎるのはあまりよくないと思っているのです。魔法に頼りすぎたせいで体力がなくなったりしたら、生活力は結果的に下がってしまいます。魔力量は努力ではなかなか変わりませんし、貴重なものである以上、魔法を使わなくてもできることは使わないことにしてるのですよ。あと、気にしてないので大丈夫ですよ」


やはり先生らしい人だと思った。一つ一つの行動の意味があり、理論的に過ごしているのだとこの数分で感じられた。


ダイルを盗み見ると目が合い、お互い口角を上げた。






教室に着き、持ってきたものを配るところまでが仕事だったみたいで、しっかりと働かされたあと解放された。理論は正しかったと思うが、生徒を使いパシリにするのはよくないと思う。なんてとんだ八つ当たりか。


配られたものの説明を1通り受けて、終礼にうつり、そのあとすぐに解散となった。

入学式の日なので学校は午前中のみだった。



さて帰ろうと荷物をまとめ、立ち上がりかけて、そういえばフェルトに対しての態度をどうしようかを考えてなかったことに気づき、座り直す。


クラス発表のところでフェルトに冷たい態度をとったあと、そのあとどう接したらいいかなんて考えてなかった。気まずくなることくらい、分かってたはずなのに。


どうしようかな、このまま疎遠になってしまえばいいのかな、なんて考えながらとりあえず帰ろうと席を立つと、足音とともに腕を強い力で掴まれ、


「メル、帰るよ」


今一番会いたくなかった人の声が耳元で響いた。


フェルトは私を引っ張り前を向いてるせいで、表情を窺うことすらできなかった。



長らくお待たせしました……!そしてしばらく更新頻度落ちます、ごめんなさいm(_ _)m




久しぶりのフェルト!フェルトは書いてて楽しいのでやっと帰ってきてくれて嬉しいですw

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