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30・変な人、です



先生の話はこの学園の教育方針や学園で過ごす上での注意などだった。魔法は授業や許可が先生から降りた時以外は禁止だとか、貴族などは特に親がこの学園に介入することは基本認められてないから子供のいざこざは自分たちで収めろとか

、生徒手帳に書いてない話はそんなにされてない。おそらく念のためだとかで上から口頭で忠告するようお達しを受けてるのだろう。



先生の話がひと段落し、休憩を挟むのだろうとふぅと気を抜いた。それが間違いだったのかもしれない。



「シーグルトさん、リングルズくん、今から私と一緒に職員室に来てください。運んでもらいたいものがあります」


さっき喋ってたことへのペナルティだろう。喋ってた私が悪いし、大人しくついて行こう。


おそらく同じようなことを考えたのだろう、先生の言葉から間を開けずほぼ同タイミングで私とダイルは席を立ち先生の元へ寄った。






とくに会話もなく、ホームルーム中のためか人通りが少ない廊下に足音だけが響く。


私は特にこの2人にかける話題もなかったため沈黙をわざわざ破ることはしなかったが、しばらくして先頭を歩いていた先生がこちらに振り返ることはしないまま口を開いた。


「2人は仲がいいんですか?」

「いえ、俺はこんな変なやつと友達する気なんてないです」


即座に否定したのはダイルだ。えぇ別に傷ついてませんけど…!傷ついて…ないです…!


おや、と先生は驚いた声をあげ、少しだけ首を動かし横目で右斜め後ろにいるダイルを見据える。


「変な人とは悪いものではないですよ。変であるだけ普通の人間にはない独特な発想力がある。それがあればその人にしかできない仕事がある。目に見えて重宝される人材はその発想力、行動力がある人だ。度が過ぎている人はまた別の話になりますが、貴族として貴族の仕事をしたいなら多少変でなければいけないかもしれませんよ」


私が変であることについては否定されなかったが、変な人に対するフォローが入る。

ものを教える立場は伊達ではなく、納得させられるだけの論理はあるような気がした。なんとなく、イーグル先生はいい先生な気がする。有能という意味でだけど。


「……確かに、それもそうですね」


ダイルを黙らせているのがその証拠だ。


もう前に向き直っているイーグル先生の広い背中を追いかけ、再び沈黙が響く廊下に足音を立てた。




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