27・爽やか系クラスメイトです
「…そんなの、説得力ないよ」
俯いた彼が放った声は弱々しく、信じたくないと言っているようにも聞こえた。
聞こえなかったふりをして、抑揚のない声で俯いている彼に言葉をなげる。
「……教室に行きます。では、また」
気まずくなった空気から逃げるために足早にその場を去った。彼は返事をせず、ただそこで俯いていた。
はぁぁぁぁぁ、やってしまった。もちろん好感度を下げる上ではファインプレーだったと自負している。が、あくまでここは現実。やりすぎると家に迷惑がかかるのだ。ということを忘れていた。今度からはそれも踏まえ自然な下げ方をしよう。
教室の中に入り、自分の席を探す。たしかゲーム内ではあそこらへんで……あ、あったあった。ゲーム通り、私の席は教室左側、つまり窓側の3列目みたいだ。
席に座り、まだ来ていない隣の席をみる。この席にはあの爽やか系クラスメイトのキャラが来るはずだ。
ノーマルエンドレベルまで好感度を上げてから徐々に下げて他と調節しよう。となると、最初は友好的に。
そろそろ来るかもしれないので前を向き、ついでに本を開いて適当に時間を潰す。
まもなくして右隣に近づく足音が聞こえてきて、視界の端で彼が席に座った。
ーーーーーさて、イベント開始!




