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25・クラス発表です

頑張れよ、なんて予期せぬ言葉を頂いた私の心の内は極寒だ。

もちろん、その言葉自体はありがたいものだと分かっている。分かっているが、言葉の送り主が攻略対象だと分かると途端に怖いと思ってしまう。


まもなく出番だ。しっかりしないと。シーグルト公爵家の名に恥じぬように。


深呼吸をして、舞台中央まで凛とした姿勢で足を進めた。




ーーーーーーーーーー入試テスト時の主席が行う新入生挨拶も無事終えることができ、入学式はつつがなく予定時刻に終了した。


次に待ち構えてるのはクラス発表。1年の教室がある階の廊下に貼り出される。ただこれに関しては記憶が正しければ目新しいものではなくなるだろう。


特に浮き足立った気持ちになるわけでもなく、途中でフェルトと合流して件の紙の所まで移動する。

隣のフェルトはなんだかそわそわしているようにも見えるけど、どうしたのだろうか。


確か、ヒロインと同じクラスなのは爽やか同級生枠の攻略対象だったはずだ。フェルトは別クラスでエレナと同じだったはず。


そんな記憶をフライングのように思い返し、張り出されている紙を見てみると、やはりゲーム設定から変わっていない。ということはつまり、


「メルと、違うクラス……?」


そう、フェルトと違うクラスだ。


これに関しては少しありがたいと感じている。クラスが離れれば会える時間も減り、好感度も自然に落ちるのではないか、なんて希望を抱いてるせいである。


フェルトと離れている間、他の攻略キャラのところに赴いて不自然でない程度に好感度を上げておきたい。確かイフエンでは逆ハーレムエンドがなかった分、誰かの好感度を上げるとほんの少しだけだが、他のキャラの好感度が下がるという今世では救いとなるシステムがあった。それを活用して、ノーマルエンドまでは下げよう。


明るい未来が少しだけ見えて来たかもしれない…!よし、頑張ろう!


思わず口角が上がってしまったところを目敏くフェルトに見つけられてしまう。


苦しそうな表情で、フェルトは向かい合って私の左手を両手で包む。


「メルは……、…メルは、俺とクラス離れて嬉しいの?」



今日も読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

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