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18・恋人繋ぎです

入学式の会場は本校舎の近くにある大ホールだ。

どこまでもお金がかかってる学園だなぁとぼんやり考えてながら、こっそり繋がれた右手を盗み見る。

これ、どうにかならないかな……。


話は、三十分前に遡る。


フェルトを待たせることがないように急ぐ。それでも女子寮入口にはすでにフェルトが立っていて、そこで立ったままうたた寝をしていた。

相変わらずというかなんというかフェルトらしいとはいえ、他の生徒が大勢住んでるここは自分の部屋以外ほぼ公共の場なのだから、自分の身のためにももう少ししっかりしてくれないと困るものだ。私はいずれ好感度を下げてフェルトの側から離れるのだから。


「フェルト」


呟くように一声かければ、驚くほど目覚めよく起きて私を視界に入れる。

そしてどこか怯えた表情をチラリと見え隠れさせながら、しなやかな動作で抗う間もなく右手を掴まれた。骨が音をたてそうなほど手を締め上げるものだから、思わず悲鳴じみた反射をしてしまう。


「いたっ、い…」


聞こえないほどの声量だったのにフェルトの耳には聞こえていたらしく、申し訳なさそうに力を緩めて、その代わりに指を絡ませて取れることがないように握り直した。

これはそう、前世でいう恋人繋ぎで、……こ、いびと、つなぎ?


だめだ。恋人繋ぎ、なんていかにもスチルにありそうなイベントじゃないか。ゲームではそんなスチルはなかったけど、私の立ち位置からしてかなりのバグが起きている以上、ゲーム修正がこの世界に働いている可能性もある。とにかく、この手を離さなきゃ。でも、解けないようにキツく繋がれてるし…なにか、なにか理由が…。あ、そうだ。


「フェルト、私は新入生挨拶をするので先生のところに行かなければなりません。ホールの近くまで来ましたし、ここで一旦分かれましょう」


これ、本当なのは新入生挨拶をすることだけだ。事前に打ち合わせは済ませてあるし、大したことをするわけでもないので早めに舞台裏に行く必要もない。ようはただの口実だ。


フェルトは少し思案したあと、すんなり手を離してくれた。


「……そっか、頑張ってね。見てるから」

「はい、頑張ってきます」


では、とお辞儀をしてからあくまでも普通の速さで立ち去った。


テスト前なので更新おやすみさせていただきます、というアナウンスを忘れていました本当にすみません…!

わけもわからず急に更新がストップしたらびっくりですよね、すみません…。


お詫びと言うには少ないですが、今日2個投下させていただきます。


テスト終了後、25日からまた毎日(できるように頑張ります)更新に戻す予定ですので、何卒よろしくお願いします<(_ _)>


もしかしたらテスト終了前でも不定期に更新するかもしれないですが、そのときはまたよろしくお願いします(勉強しろ)。

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