15・タネ明かしも衝撃です
「それで、あのテレパシーは普通のじゃないですよね?」
テレパシーは普通起きてる時にしかできないしあのテレパシーが来る前は鍵かかってたし。
よくぞ聞いてくれました!と言わんばかりの顔でずいっと寄ってきて子供みたいにフェルトは無邪気に笑った。
「まず、普通のテレパシーに時間指定の機能を付け足して、メルに届くようにした。で、ドアの鍵も時間指定をすることによってその時間に解除魔法が発動されるようにしたんだよ」
どう?すごい?と褒めてくれと言わんばかりの燦々とした笑顔につられて笑みを零したが、冷静に考えると笑えないくらいの高度な技術だ。
もともとフェルトは魔法適正が空間だとでていたから鍵を開ける技術を持っているのは知っていた。5歳ほどから使っていたから、もう見慣れたものだ。
だが、時間指定という空間の中でもかなり難関な時間に関する魔法を学園での授業を受ける前に取得できていることが驚きだ。私はその存在を知らなかったし、屋敷で家庭教師の方に教えて貰えてたのは空間などの分野の土台となる無系統の基礎魔法だけで、つまりは時間魔法まで独学でたどり着いたというのだ。
そして一番はテレパシー。これはたしかに高度であるとは言いきれないが、それはあくまで適正を持っている人の話だ。テレパシーの魔法系統は心なので、当然フェルトは適正を持っていない。にもかかわらず他の魔法と掛け合わせて使うくらいに手慣れ、雑音が混ざったり途切れたりすることなく鮮明な音を私の脳内に届けた。
どこで練習したんだこの人……と微笑みの裏で戦慄を覚えつつ、時計に目をやるとそろそろ急がなければならない時間だった。
「朝食つくりますので少し待っててください」
「はーい」
ソファの背に両肘と顎を乗せ、キッチンを眺めてくる。
さっきから満足げな笑みを浮かべてそんな体勢でいるものだから、まるで子犬みたいだと思ってしまった。
……ぶんぶんと振られている尻尾が見えそうだ。
何にそんな喜んでいるのかは知らないが、楽しそうでよかったと目を細めた。
すみません、これは昨日の深夜の分です…。
今日の分は明日の朝に出します。
読んでくださりありがとうございますm(_ _)m