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1・朝でございます



コツコツ、と足音が廊下に響く。

本来もう少し静かに歩かなければいけないものだが、朝のこの時間、この屋敷では日常となっている光景なので咎める者はいない。


コツ、と私が足を止めるとともに当然ながら足音も止む。


荘厳なブラウン色の扉の前で、大きく深呼吸をし、心の中で喝をいれた。よし、がんばる。


まず3度ほど少々乱雑にドアを叩く。中からの反応はなし。ですよね。


もう一度ドア何回か叩く。そして、大きく息を吸い込んで。


「フェルト様!!!朝でございます!!!!」


貴族の屋敷の日常だとはにわかに信じられない、怒鳴り声を轟かせた。


ドア越しに「うるさいなぁ」と小さくくぐもった声が聞こえる。挟んでるのはドアだけじゃなくて掛け布団もだろう。ていうか早く起きてくれ。


ため息を押し殺して、もう一度しつこいほどドアを叩き、息を吸い込んで、


「起きて、」


叫びかけた声はドアの開閉音で紡ぐのを止め、代わりのごとく叫び声が徐々に狭くなっていくドアの隙間に体ごと吸い込まれていった。


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