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ワギナス興隆

ジョンザ・コンカーは大公に就き、やがて王へ即位した。この国をコンカー王国と呼ぶ。建国してすぐに、ドルフィン太子がジョンザ王を討って王に即位する。ドルフィン王はジョンザ王系の家臣を次々と処刑した為、ジョンザ王の娘プルメロ・コンカーの婿シグマ・コンカーを重臣達が担いで、ドルフィン王を討ち、三代目コンカー王に即位させる。シグマ・コンカーがいわゆる第一の光の英雄である。


即位の三日後にシグマ王は病没し、幼王ゼロスが即位する。自然死説、旧ドルフィン派による毒殺説、プルメロ王后黒幕説、実際は判らない。だが後のプルメロ太后の死は毒殺であると複数の医者の見立てが残っている。シグマ派閥の報復か、太后とジョンザ派閥との確執か。なんにせよ、幼王が即位し、後見人も一門衆もいない。つまり武力闘争だ。


この時活躍するのが第二の英雄『センバコキ』のハヤテ・カゼナギである。僻地の農村に生まれ、センバコキの闇取引で巨利を得る。公都ユーテロトピアに移り住み、幼児誘拐、人身売買、敵対組織の吸収合併など、闇社会で頭角を表し、ドルフィン太子へ経済援助を行なった。ドルフィン王が討伐されてからも、派閥間を渡り歩いて顔を売り、後見人闘争においてピコラ・バズーカ子爵と協力、勝利を手にした。丞相ピコラ・バズーカ伯爵の懐刀として辣腕を振るい、伯爵の引退後はゼロス王による大抜擢で丞相となる。やがてゼロス王の病状の悪化に伴い王位を禅譲され、新たにエロトピア王国を建てた。


その出自から声望乏しく、人材不足が各所で起こっていた。その対策として奴隷階級の者や、闇社会の人材を多く登用して各所へ当てた。人材たちは当たり前のように住民へ賄賂を要求し、支払わない者は逮捕される。金持ちは隠し財産を吐かせる為に投獄されるが、貧乏人は牢を空ける為に簡易裁判を通して即日、斬首刑に処された。一日に百人が逮捕され、九十五人がその日の夕方には処刑されたと云う。王都を逃げ出す住民は王国軍に捕まって奴隷へ落とされ、奴隷は国営農場へ送られ、農村からは金の卵と呼ばれる若者達が王都へ流入した。貴族の領地は痩せ、国営農場は肥えた。貴族は農民不足の対策として、表では国有奴隷を買って、裏では逃亡住民や逃亡奴隷を狩った。


やがて血統派貴族に扇動された民衆が王城を包囲する。近衛軍五千に対して、一度目の蜂起では民衆二万、二度目は三万、三度目で六万にまで膨れ上がってようやく、ハヤテ・カゼナギ・エロトピア王は討伐された。




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