表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

フラワーシャワー

作者: 真昼乃夜

不安で不安で不安で不安で

不安で仕方ないことが

とても不安で


何に対しての不安なのか

わからないことが、もっと不安で


ポリポリとかじる

全部粉でくれればいいのに

ポリポリとかじる

ビールを飲む

熱帯夜


ビールは好きじゃない


これしかない


不安で不安で不安で不安で

これしかなくて困っていることが

また不安で


死にたいが

ぐるぐるとワタシにまとわりついてくる

死にたいが

ワタシを取り囲み

かごめかごめ


ぐるぐると回る


天井とか


脳とか


死にたいが


ポリポリとかじる

ビールを飲む

窓を開ける

風が吹いている

生暖かい夜風


嫌な動作を繰り返し

繰り返し

繰り返している自分から

逃げ出せない自分を

こうやって、また繰り返している


ポリポリとかじる

ビールを飲む

なんとなく笑う

笑い声が遠い


もうワタシはワタシじゃないのかもしれない

ワタシはワタシのことばかりで手一杯なんだ

ワタシを心配してくれるカレのことまで

今日は、手におえない


もうワタシはワタシじゃないから仕方ないのかな


あーあーあーあーあーあー


不安で不安で不安で不安で

何かわからないけれど

すごく不安で

不安定で


安定剤は、ワタシのミライを安定させてはくれない

睡眠薬は、このキモチを眠らせてはくれない


それでも飲む

飲んでしまう

それで忘れてしまう

すべて忘れてしまう


おしまいもはじまりも

ワタシもカレも

飲めば飲むほど

胃も脳も

カレも辛くなるのに



あーあーあーあーあーあー


あー、カレは言っていたっけ?


どちらかが躓いて倒れたら

立っているほうが

手を差し伸べればいいと


二人で躓いて倒れてしまったら

地面のタンポポでも

二人で倒れたまま

眺めればいい


飽きるまで


二人で落ちてしまうなら

底なし沼の底まで

手を繋いで見に行けばいい


飽きるまで

飽きるまで



倒れているのにも、落ちているのにも

飽きたなら

立てばいいし、上がればいい


ベッドの上で

よくしゃべる男の子は

あまり良くない

でもすごくイイ


そんなことをカレは言っていたと思うけれど

ワタシはポツポツとイっていたので

ホントに言っていたのか

わからないし

そのうち

カレもイってしまったので

その話はおしまい




あー

ココどこだろ?

逃げ切ったのか?

ワタシから?

バカばかりやって

カレに迷惑かけてる

バカなワタシから

抜け出したのか?


あー

でも会いたいな、カレに

ワタシがワタシじゃなくなっても

そのワタシも、きっと

またカレが必要なのだ


ココはどこだ?


早く起きなくちゃ

ごめんねって言って

早く笑わなくちゃ

笑い声が遠い


いくらかじっても

いくら飲んでも

不安は不安で

早く帰らなくちゃ

早く起きなくちゃ

早く笑わなくちゃ

早く会わなくちゃ

遠い遠い遠い遠い

不安不安不安不安

死にたい死にたい死にたい死にたい

もうだめもうだめもうむり


カレはむりじゃない

カレはだめじゃない


早く会いたいの

早く会いたいの


「どんだけ飲んだのー?」


あー

そばにいる

あー

そうだ



結婚しよう



ダイスキだから結婚しよう


ずっと離れずにそばにいよう


そう言おう

言わなくちゃ


何なら

ワタシが指輪を買うよ


クレイジーピッグのスカルリング


結婚しよう結婚しよう



また躓いて倒れてしまったワタシに

差し伸べるカレの優しい手に


そっと指輪を





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ