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プロローグ
所詮、僕の体は鉄で継ぎ接ぎされた物だから。
僕は、僕の横で笑う人間のように温もりを持っていないから。
――そうだ、僕はロボットだから。
僕には感情がない。感情なんていらない、ロボットだから。
笑う事も泣く事もいらない、僕にとっていらない物だから。
――そう、僕はただのロボットだから。
笑っていても、それは僕の電脳頭脳にインプットされたモーションの一つ。
少しだけ、楽しそうに笑っている人間が羨ましかった。
僕には持っていない物を持っているように感じた。
――何だろう、このモヤモヤした感じは。
僕の手には温もりはない。
だって、人間じゃないから。
僕は一人ぼっちのロボットだから。
――所詮、僕は鉄の塊の人形。
こんな僕でも、
感情のない僕でも、
誰かを好きになることって許されるのかな?
初めまして、櫻庭 伊織といいます。一応恋愛物にするつもりなのですが、まだ未定なところもあります。
それでも最後まで読んでいただくと嬉しいと思います。