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 益州は平和だなー。

 漢中超えると、雰囲気が違う。

 完全に垂れてるよな。

 ゆるキャラでタレ劉璋とか出てきそうな感じで。

 姜維さんが、色々と思う所の有りそうな顔で、周囲を睨んでるので頭を撫でる。

 姜維さんだが、馬騰さんはじめとする後家さん連中には、概ね受け入れられているというか、猫かわいがりされている。

 反面、張飛さんや刃鳴さん、ちょっと驚いたことに、こども好きな筈の劉備さんや、そういうことに嫌悪感の有りそうな関羽さんあたりが距離をとっている。

 これはあれか? 俺に対する依存高すぎの弊害だろうか?

 中々、危険度の高い状態かもしれん。

 身内に刺されるとか勘弁して頂きたい物である。

 で、商売だが、流石に大分値上がりしている様子で、基本値の五分前後。

 金1あたりで麦米が2買えるか買えないかってとこらしい。

 もっと、南の奥の方へ行けば多少安くなるようだが。


 この一周、おおよそ金1が3の麦米になり、おおよそ5割増し程度で売れた勘定なので、元金から4.5倍になった。

 これをもとに、倍の麦米にして、同じく1.5倍程度には成るとしても、充分だけども。

 どうせ急ぐ旅でもなし、黄巾始まってもないし、ちょっと寄り道してみよう。


 で、南蛮も程近い、結構な奥地にやってきたが。


「あまり、大差はなかったようですかな?

 量の確保ができたのは良かったですが」


 あんまり安くはなかった。

 ただ、値上がり気にせずに買える量が増えたのはプラスだろう。

 そんなことを考えていると、誰ぞが近づいてくる気配を感じた。


「よー、お前さんも、ハンティングかい?」


 見ると、弩担いで腰に網を下げた仮面の人物が。

 見た目は年下を母に求めたロリコンで、中身が魔乳の人を嫁にしたっぽい感じの人物。

 こんなネタまみれな奴がプレイヤーでないはずがない。


「失礼ですが、どちら様ですかな?」


 かー、これだからロープレ重視の奴は、とか聞こえてきたが無視する。


「俺の名は吉田。 それ以上でも、それ以下でもない」


 想定外の答えが帰ってきた。


「私は金満腹と申します」

「人のこと笑える名前じゃないよな」

「……」


 ほっとけ。


「で、ハンティングと申されておりましたが?」

「流しやがったよ。

 あー、南蛮のな。 獣耳をハントするのさ!!」


 そんな、歯をキラリさせながら言われても、爽やかじゃないですが。


「やはり、ロリコン……」

「おいおい、決めつけないで欲しいな。

 連中は全部が全部ロリじゃないんだぜ」

「そういえば、攻略にそのようなことも書いてありましたかな?」

「まあ、俺はどっちもいけるけどな!!」


 だから、爽やかなセリフじゃないって。


「な、なるほど」

「其処で引くなよ。 それに、実利もあるんだな、これが」

「ほほう?」

「ここの連中、食い物の燃費は悪いが、ちゃんと食わせている間は、ほとんど忠誠が下がらない。

 それにモブ連中の平均と見ても、戦闘力が高い。

 猫耳の連中は単独で動く諜報向け、犬耳の連中は連携をとった集団戦向けだな」

「そうなのですか」

「どうだい? あんたも使ってみるかい?」

「使う?」

「ああ、俺はハンティングもだが、捕まえた連中の斡旋もしてるんだ。

 所謂、里親探しだな」

「いや、其れは人身ば「其処までだ!! それ以上いけない」

 ハラスメントに掛からないのですかな?」

「一応、テイムしたペット的な扱いみたいだな」

「怖い話ですね」


 ほんとうに大丈夫なのか?


「大丈夫だって、何か拙かったら筋肉達磨が出て来るだろうさ」

「確かに」

「それで、どうする?」

「興味はありますが……」

「じゃあ、此方だ」


 そうして、後に着いて行くこと暫く。


「今の所、コイツ等位だな」

「檻が何とも言えず、アウト臭いですな」


 ざっと眺めていくと、量産型南蛮兵が八割、其れ以外が二割ってとこか、三十人近くも良く捕まえたよ。

 ロリは除外で見ていくと四人居るか。

 えーと……狐耳が1、犬だか狼だかが1、虎耳が1、何だ?パンダか? が1。


「あー、そいつらはイレギュラーの中でも強かったな」

「そうですか」

「そいつらなら、まとめて四万」

「高いですな。 纏めてなら安くなるものでしょう」

「おいおい、確保の員数がギリギリでも、なんとかなる戦力だぞ」


 いや、別に絶対欲しいってわけでもね。

 うちに、員数の事実上の制限は無きに等しいし。


「わーったよ。 纏めて三万、どうだ?」

「いいでしょう」

「まいどー」


 本当に、大丈夫なんだろうな。

 少々気にしながらも、吉田さんの拠点を後にした。




「タマです」

「祝融……にゃん」

「無理してニャン語尾付けなくていい」

「判りましたわ」

「マオ」

「ギン」


 上から、狐、虎、パンダ、狼です。

 名前持ちが居たのと、他の適当さが、なんとも言えない。

 狐っ子さんは、色っぽいハイティーン。

 祝融さんは、あだっぽい大人の女性。

 パンダは大柄にして筋肉質。

 オオカミさんはギンのロングヘアーの印象的なお嬢様系。

 ただし軒並み、バインバインですが。


 吉田さんに言われたとおりに、食品アイテムで忠誠度上げて、指輪を渡したらゲット完了だった。

 そんなんで良いのかと思わないでもなかったが、ステータス的には十分以上の買い物だった。

 まだ、懐いて貰うには、時間が掛かりそうでは有るが、後々は周泰さん避けにでも成ればいいかなと思う。


 さて、寄り道で時間を食ったが、予定外の買い物分を稼ぎに行かねばならん。

 厳顔さんのとこ寄ったら、さっさと川下って帰ることにしよう。

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