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本郷>北郷に間違いを修正

 はい、ちょろっとアイテム購入してきました。

 一回死んでも、リタイアせずに復活できる、華佗のお守りです。

 一個10000ポイント。

 体力&運をマックス回復してくれる、ゴッドヴェイドー印のお粥も複数購入。

 そして、運のパラをがっさり使うために、パラアップを十万使って百個購入。

 運を161まで上げて見ました。

 因みに、普通の人と趙雲さんに、華佗のお守りを渡しておく事にしよう。

 なんかの弾みで死なれると困るし。


 さて、翌日には何とか起き上がれるようになり、普通の人にお見舞いのお礼方々面会。


「それで、もう大丈夫か?」

「ええ、ご心配をおかけいたしまして。

 お陰様で、座り仕事でしたら問題なく」

「そうか、助かる。

 それで早速で悪いんだけどな、桃香達にも仕事をさせようと思う。

 そこで、監督を頼めるか?」

「お言葉のままに。 この満腹めにお任せ下さい。

 確か劉備殿は、白蓮さまと同じ私塾の出身とか、関羽殿もそれなりに文も立つようですから、お二人には内向きの仕事を。

 張飛殿は……少々、落ち着きが足りないようですので、星どのと賊討伐をお願いいたしましょうか。

 それで、天の御遣い殿には、出来れば内向きの仕事をお願いしたいところですが……暴走しそうな、お二人の御目付けに……お気の毒ですが」

「そうだな、そんな所か」


 実際は劉備さんは、だいぶ劣化してると言うか、どうしてこうなった!? ってレベルになってるんだろうけどな。

 普通の人の執務室を辞して、謹慎中の皆さんの部屋へ。

 途中で主人公さんの一人部屋に寄って一緒に来てもらう。

 チラチラと見られているのは、傷の心配か、それとも敵意なんだろうか?

 誰も彼もNPC用のAIとは思えないような、感情をにじませた表情をするので、単純には判断できない。


「それで、金千さんだっけ?」

「満腹と呼んで頂いて結構ですよ。 北郷さん」

「満腹さん、俺達、どうなるんですか?」


 ああ、今後の心配だったのかね。


「とりあえず、私の遅れた分の仕事を、やって頂きまして。

 その分の給金を路銀の替わりにして頂こうかと。

 まあ、そのまま留まって頂けるのなら、言う事はないのですが。

 流石にそれは、劉備様の願いもあるでしょうし……」


 という話をしていると、女性陣の部屋へ到着。

 扉を叩いて声を掛けると、何故か趙雲さんまで居る。


「これは、ちょうど良かったのでしょうか……星殿の姿が見えないと、白蓮どのがぼやいておりましたが」

「ははは、いや満腹殿を探しておりましてな。

 此処でこうして居れば、逢えるだろうと」

「まあ、よろしいですが」


 はははははとアチラ向いて笑う趙雲さん。


「それで、こうして伺ったのはですね」

「私達はどうなるのです。

 あなたを斬ったのは私だ。 私を好きにすればいい。

 桃香様には咎はない」

「あー、その辺の事は、私も年甲斐もなく、意固地になってしまいましたので、あまり気になさらないで頂きたい」

「自分で斬られに行く方が馬鹿なのだ」

「ちょっと、鈴々ちゃん」

「ははははは、これは一本取られましたな。

 とりあえず、皆さんには、私の遅れた仕事を手伝って頂きましょうか。

 その分の給金はお払い致しますので」

「それで良いんですかっ?」


 劉備さんが、えらい勢いで食いついて来たな。


「まず、劉備さんと関羽殿には、役場の決済をお願いします。

 こちらは私も監督として付きますので、判らない事が有ればお聞き下さい。

 それから、張飛殿には賊の討伐に、お力をお借りしたい。

 こちらは星殿が。

 あと、御使い殿には突っ走りそうな、お二人の御目付けを、お願いしたい」

「え、俺?」

「ええ、すみませんが、流石に私も騎馬で遠乗りする迄には、傷が癒えておりませんので、流石のお二人も、御遣い殿が居れば、そう無茶はしないと思いますので」

「……うん、分かったよ」


 北郷さんの顔色が下降中なう。

 だが俺は気にしない。


「宜しく、お願いいたします」


 よーし、これでなんとか。


「では、お詫びと暫くの付き合いに、宴席を用意いたしました」


 ポンと手を叩くと、数人の女官が宴席の用意を手に入ってきた。

 ちなみに、この女官もアイテム屋で購入できる。

 今回の場合、反応もろくに返さない、家具扱いのアイテムモブだが(帯をクルクルーな悪代官ごっこはできない)ポイントかければ、それなりの能力値持ちのモブも雇えるらしい。

 まあ、普通に周回して普通の人とかゲットして、副官扱いで侍って貰ったりする方が、能力高いし、コストも掛からないので、使う人は余り居ないらしいけど。

 あ、因みに料理&スイートは忠誠100UPのアイテム仕込みです。

 だいたい、一人あたり三つくらい当たるようには撒いてますが。

 流石に、皆が一緒だとブレイクしませんね。


「張飛殿は食べ盛りですからな、これもどうぞ」


 やはり、追加で二つ渡してもブレイクしませんね。


「それでは、明日から宜しくお願いいたします。

 あ、張飛殿と星殿は、少し兵達と顔合わせを、お願いしても宜しいでしょうか?」

「そうですな」

「わかったのだ」

「俺は?」

「ああ、御使いどのは、しばし劉備殿達の、お相手を願います」

「判ったよ」


 で、引き離した所で。


「おっと、張飛どの。 そういえば、飴玉を出すのを忘れておりました。

 皆には内緒ですが、いかがですかな?」

「ん、甘くて美味しいのだ。

 おっさんは、良い奴なのだ。

 だから、鈴々を鈴々って呼んでも良いのだ」

「これはこれは、ありがとうございます。 では、これをどうぞ」


 敢えて500ロックの指輪を渡して置く。

 リカバリーの効きやすそうな張飛さんには、どれくらい削れるのかの目安になって貰おう。

 顔合わせのあと、二人と別れた。


「さて、明日からが楽しみだ」


 で、翌日。


「うん、駄目だこりゃ」

「はうー」


 決済の山を前に、プシューと煙を吹いているのは劉備さん。

 劣化ってレベルじゃないぜとか思ったけど、考えたら政治のパラって俺の40とかより普通に高いはず。

 それに、経験値がないのは俺も同じなわけで、多分劉備さんと同じか低い位な筈の関羽さんが、劉備さんを気にしつつも、こうもバリバリやれているのだから、何か違う要因のような気がする。

 って、普通に頑張って仕事してる場合でもなかったか。


「煮詰まっているようですので、お茶にしましょうか」

「すみませんー」


 というような理由をつけて、お茶とお菓子に100UP系のアイテム仕込んでおく。

 うまくすれば、これで劉備さんはブレイクするはずなのだが……。


「あー美味しーです」

「桃香様……」


 ブレイクしませんでした。

 なんか、君主には隠しの条件付でもあるのか。

 関羽さんの場合には、何がしかのプレゼントなりを受け取って貰うのに、それなりの理由を用意しないと、好感度低い状態では固辞されてしまうから、攻略難易度が高いんだと思うが、劉備さんの条件ってなんぞ?


「ねー、満腹さん」

「はい、何でしょう」


 あー、お茶うめえ。


「みんながみんな、笑って暮らせる世の中って、どうしたらいいのかなーって」


 あー、そんな風に別の事を考えてるから能率ががががががが。

 じゃあ、そのへんに何かしら答えを上げれば、覚醒劉備になるのかね?

 あー、なんか主人公の北郷さんも、そんな事やってたし、そのへんが攻略の鍵か?

 でも、世の中みんな笑って暮らせるとか……ああ、理屈と方法だけの提示なら出来るか?

 つか、そんなにどっかの二次創作見たくきっちりした答えじゃなくてもいいのかねえ?

 社会主義とか仕込んだら、目をぐるぐるさせて、同士諸君とか言い出す劉備さんが見れたりするのだろうか?

 うはー、ちょっと見てみたいが、此処は無難に行っておこう。


「劉備殿、この土地の者は、それなりに皆で笑って暮らせていると思いますが、如何でしょう?」

「うん、白蓮ちゃんが、頑張ってるんだね」

「だとすれば、この土地のやり方を学んで、笑顔のない土地で行えば、少なくともこの土地のようにすることは、可能ではないでしょうか?」


 実際は、上に居る連中を、どうするかが難問なんだけど、今は触れないでおこう。


「そっか。 そうかも知れない。 でも、他の人達はその間も」

「劉備殿、一度に全てを行えると思うのは、思い上がりではありませんですかな」

「ええっ!?」

「金千殿」


 関羽さんが怖い顔をしている。


「劉備殿、少なくともはくけ、いや白蓮様は行動し、この土地を人々が笑顔で生きられるように尽力しております。

 無論の事、私もその為に働いております」

「それは良く判ります。 だから、他の皆も同じように!!」

「それは違う。

 劉備殿がするべきは、ただ漠然と夢を追うのではなく。

 一人で一歩を積み重ねるか、白蓮様のような、同じ夢を見られる者達を友とし、その者達の旗となる事でしょう」


 はい、ここで、運を100ポイント消費して魅力をブーストしまーす。

 関係あるかどうか判らないけど、必要能力とか探るのが面倒だから、丼勘定で押します。


「!?」

「!?」


 あ、パリーンとブレイク行きましたね。

 劉備さんの条件は、覚醒に手を貸すとか、そういう事なんでしょうか?


「まあ、前者については本来は下策、お勧めは後者ですが、どちらにしろ、今の劉備さんのように、ただ徒に時を過ごしているだけよりは、随分とマシでしょうな」

「はうっ」

「桃香様!!」


 劉備さんが心臓抑えてばったり机に……すげぇ揺れましたよ。


「満腹さん!! わたし、私、目が覚めました!!」


 劉備さんは、うつ伏せたままそんな事を仰ると、途端に跳ね起きてブルンっと、じゃなくて。


「先生って呼んでもいいですか!!」

「は、劉備さん?」

「桃香様!?」

「桃香って呼んで下さい!!」

「ちょ、劉備殿? それ真名じゃ」

「はい!!」

「桃香さまっ!!」


 と、唐突過ぎて吹いた。


「そ、それは、構いませんが……」

「宜しく、お願いします!!」


 拳を握りしめて、そんなに力込めて見つめられても。

 いや、落ち着け、チャンスを逃すな。


「わかりました。 この金満腹に、お任せ下さい」


 という事ならば。


「では、これをお二人にお渡しいたしましょう!!」


 そこそこのレベルの政治上げの本を二つ。


「お二人には、それを今から読み込んで頂きましょうか」

「え、ええ。 こんなに分厚いのを」

「わ、私もか、いや、私もですか……いや、これも桃香様の夢のためならば。

 うむ、そうだな。

 金千どの、私の真名は愛紗だ。

 受け取ってくれ」

「よろしいので?」

「ああ、よろしく頼む」


 劉備・関羽ゲットー。


「真名をお預かりした変わりと言っては何ですが。

 これを、お受け取り下さい」


 と、さりげなーく、二人に指輪を渡した。

 さて、流石に、これ以上を引っ張るのは、危険と言うより集中力が切れるな。

 リタイアしよう。


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