38
あー、なんか聞いたら恋姫は、ここでも二次オーケーになってるそうですね……恋姫臭い世界の叩かれて伸びる子システムな話書いてて、読むのはハーメルンとかにいってたんで、すっかりこっちのこと気づいてませんでした。
消えるまで放置でいいやーとか面倒臭がってたんですが、一応はのこるんであれば、タグの辺りのことを初果してポツポツ続けてみようと思います。
さて、マップ施設の細かい配置を考えるのが無駄になったんで、現在は初期位置のマップに、経済・政治系の施設を丼勘定で置きながら、一部に治安と満足度に関する施設を置いてます。
北マップに、五百程度の兵力を維持できる施設を確保してるので、初期のマップが一通り埋まるまでは、治安維持には問題ない筈。
なので、ポイント余剰ができたら縄張り決めて、時間を進めて初期施設が建ったら次を置く、というようなサイクルを繰り返していく。
時折、人口を見ながら、西マップに農地やら放牧地やら治水・灌漑施設を追加し、自給自足+余剰の出るくらいに調整。
当面、初期のマップが埋まるまで、金収入系の初期施設の建て増しを続けていこうと思う。
まあ、初期施設は必要ポイントが少ない代わりに人口が必要で、1マップでは人口が増えた分のバランス取りや、備蓄との相談で難易度が上がる為、基本的に人口変化を抑えつつ収入の上がる、アップグレードの方が安定するっぽいのだが、食料生産を別口で容易に調達できるのであれば、初期配置の二倍のポイントでアップグレードし、収入が二倍になるよりは、初期施設を二つ追加して、収入三倍にする方が回転は良くなると思う。
アップグレードは、初期マップが埋まって一段落ついてから、外史プレイ中にでも進めてもらおう。
そんで、開発状況は現状こんな感じ。
○○○○○○○○○
○○○○○○○○○
○○○軍○○○○○
○○○商○○○○○
○○米商商○○○○
○○米商商商○○○
○○○○○○○○○
○○○○○○○○○
○○○○○○○○○
大方、初期マップの六割程度までの縄張りを決め終えて、現在は人口の増加待ちです。
こうなると、建築予約みたいな状態……。
「手持ち無沙汰になってしまいましたな」
お茶でも頂きたいところなんですが……鈴々さん達も、白蓮さんも席外し中で、微妙に間が悪い。
一人寂しくってのもなぁ。
「ご・しゅ・じん・さま♪」
「失礼します」
ん? 桃香さんと愛紗さん? ご主人様なんて、呼んでくるのは二周目の方ですが。
「おや、どうかなさいましたかな?」
なんか、桃香さんは変なテンションで、機嫌がよさそうに見えつつも、なんか目つきが怖い。
そして愛紗さんは俯いて何やら思いつめている様子。
「鈴々ちゃんの事です!!」
目だけが笑っていない笑顔の桃香さんが、卓の上に両手をついて、身を乗り出すように詰め寄ってくる。
あの、激しく凶器が強調されるのですが、いったい何事なのやら。
「……あの、鈴々が、お情けを頂いたと」
「はい?」
ついで愛紗さんが、両の手指でモジモジしつつ、顔を真赤にして、ボソボソと呟く。
そして、自分のセリフで自爆したのか、なんか耳から首から一気に朱に染まっていく、更には胸元も。
「あの、愛紗殿? 大丈夫ですか?」
なんか、足元まで覚束ない様子。
「一体、どうしたと云うのですかな?」
「鈴々ちゃんだけ、ずるいです。 だから、甘えに来ました!!」
「……あの、その……はい、甘えに来ました」
なん、だと。
「それは、なんというか、誠に光栄ですが……」
思いがけない話に、思わず頭が働かなくなりそうだ。
まったく、なんという破壊力か、判ってても来る、あざとさとギャップ。
これがメインキャラの力か!!
まあ、趙雲さんとかで、耐性出来てなかったら、飛びついてたかもしれん。
「まあ、ともかくは、お茶でも一つ如何ですか?
実のところ、休憩しようかと思ってはおったのですが、一人では寂しいところでしたので」
少し落ち着く為と、当初の予定通り、お茶の用意をすることにして、何故か完備されている給湯室に行く。
そして、お茶菓子と生姜飴湯(これは生姜湯作って蜂蜜が無かった時に、かわりに貰い物の柚子ジャムを入れたら、意外と飲めたので、ジャムの類をちょいちょい変えて飲んでる作者のマイブーム、癖があるので好き嫌いは別れるかと、でも温まる)を入れて戻り、二人に振る舞う。
「どうぞ、温まりますよ」
「む、頂きます」
「ありがとうございます」
今日はイチゴジャム……そしてリッツにママレードとイチゴとアップルジャム乗せという、おやつ。
こういう嗜好品については、ポイントショップがタイアップで出してるから、安心して摘めるのが嬉しいな。
「お口には合いますかな?」
「おいしいです」
「はい」
甘味は単純に正義とでも言うのか、妙なテンションが落ち着いたようだ。
暫し、無言の時間が過ぎて……。
「それで、何でしたでしょうか?」
いや、何でしたでしょうか? じゃないだろとも自分でも思うが、外史に入り込んでる時と違って、素が入っているとこで迫られたりするとねぇ。
ヘタレといわば言え、リアルでの引き出しがなさすぎて、自分でも泣けてくらぁ。
「いえ、あの」
愛紗さんが「大丈夫ですから」といいかけて、桃香さんが何やら不満気な顔で、頬をふくらませている。
むう、このまま帰らせちゃうのも男としてどうなんだ?
そんな事を、さらりと考えさせてしまう、このゲームもNPCも本当に恐ろしいな。
「もし、よろしければ、添い寝でもして頂けませんかな?
恥ずかしながら、此処の所の贅沢で、一人寝が寂しくなってしまいましてな」
どういう理由なんだよ俺!! という、突っ込みどころ満載な誘い文句だったが、二人的にはOKだったらしく。
「仕方ないなぁ」と機嫌の治った様子の桃香さん。
「そ、そういうことならば」と、無駄に力の篭った愛紗さん。
そんな二人を伴って、昼寝に向かうことになって……。
「おやおや、お二人とも。
私は手を触れているだけだというのに、そんなに体を踊らせて……」
「そろそろ、体も解れている様子ですね……やはり、このままにしておくのは随分と、お辛そうですな」
とかなんとか。
ごちそうさまでした。
やることやってたら、キリの良い時間になっていたので、一旦ログアウトすることにした。
どうにも慣れない覚醒の感覚に頭を振りながら、ゲーム中のことを思い出そうとするが、なんだかセピアがかった昔の記憶のように、ぼんやりとしている。
実際には何があったかとか、どんな事をしたとかは覚えているんだが、それに付随する感情とか感覚がにぶっている。
まあ、ゲーム中の快感だの痛覚だのが、ハッキリと思い起こさせられるのも、拙いだろうからの処置なんだろうけど、もやもやするな。
依存症とは別の意味で、ゲームに引きずられる理由じゃないだろうか。
「まあ、今日はこれくらいかな?」
実質二周と、マイ外史に二周分くらいで、四時間強はダイブしていた勘定になるわけだし。
初日から無理はしないようにして……無理は……いいんだよ。
マンションを出て、自宅に帰る途中に晩飯の材料を買い込んで、その夜は過ぎた。
翌日の朝の新聞を見て、メインレース含む幾つかで大荒れとのことで、確認すると見事なくらいに当たってて吹いた。
まあ、今までも頼まれた馬券を買っても、後から足らずを貰った事がなかったし、元以上は取れてるんだなーくらいは感じてたが、自分でまで買うことはなかったから、漠然としか印象がなかった。
それが今回、自分でも買ってみて、随分と勿体無いことをしていたのかもと思ったが、それも余裕があるからそう思うだけなんだろう。
ともかく、ざっと計算して、渡さないといけない金額が三桁超えた辺りで、バイト先に電話して今日の午前中に、そちらへ寄りますと約束を取り付けた。
そのまま朝一で銀行に行って、ATMで三回掛けて引き落とし、挙動不審気味にバイト先の喫茶店まで行って、分厚い封筒を厄介事みたいに押し付けてホッとしたのも束の間。
デート行こっか♪ と、連れ回され、気がついたら夕方になっていた……。
服に御飯にと、色々と奢って貰ったりで楽しかったのだが、ゲーム中の経験値は何だったのかというくらいに変わってない自分に、情けないやらホッとしたやら。
結局この日はダイブすることもなく、家に帰って大人しく過ごした。
そして、月曜からは週末に時間を開けるべく、多少頑張ってみたりしながら、土曜になった。