表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/79

34

「袁顕思ですのよ」

「袁顕奕だよ」

「袁顕甫です」


 うん、ちょっと待とうか。


「…………」

「………………」

「……………………」

「なるほど」


 長い話だったんで纏めると、袁家の傍流の馬鹿ぼんが、近場にお手付きカマして産まれた、数多い不祥事話の一つの結果だそうだ。

 因みに三人は異母姉妹だが、袁家のはずれのはずれで、商人やってるとこに纏めて預けられるも、そこの身代が潰れて、今に至ると。


「苦労したようですな」


 世が世なら、お姫様ってとこなんだろうけどな。

 あ、因みに、袁譚・袁熙・袁尚さんですね。

 しかし、この張三姉妹の偽物で、袁三姉妹とか、どこかの誰かの投稿武将だろ!!

 こんな設定、ランダムじゃありえねえ。


「しかし、袁家に身を寄せることは、出来なかったのですかな?」

「無理無理、今ならともかく、当時はまだ袁家の先代とかに睨まれてたのよ。

 下手に顔を出したら、消されちゃうわよ」と、袁熙さん。

「今更ですし、それなりに姉妹だけで、生きてきた意地もありますのよ」と、袁譚さん。

「とはいえ、今はこんな事になっていますが、とほほ」と袁尚さん。


 本当に苦労してるなぁ。

 因みにステータスも、魅力特化とはいえ、そこそこマトモなんだよあぁ。

 劣化劉備さんのバージョン違いくらいか。

 この三人が居れば、顔良さんも楽ができるだろうに。

 

 とにかく、村人さん達を幽州の境まで送った後、物資集積地の陣まで戻った。

 三人には同道して貰っている。

 留守番をしていた白蓮さんが三人を見て、袁紹さんを思い出したのか、凄く嫌な顔をしていたが、少し話した後は、肩を叩きながら涙ぐんでいた。


「それで、主殿? あの三名は、どうなさるおつもりですかな?」


 ニヤニヤと、やたらといい笑顔で星さんが仰る。


「どうせ、あのお姉ちゃん達も、食べちゃうに決まってるのだ」


 純真だった鈴々さんに、そういう事言われると切ないです。


「あら、そういう事でしたら、別に構いませんのよ?」

「今まで、たまたま運が良かっただけで、妾だなんだって話はよくあったわ」

「どうせ、先程の賊に捕まっていれば、もっと酷い事になっていたと思いますから」


 げ、聞いてたんですか?


「不味かったか? これからの事を相談しようと思って、連れてきたんだけど」


 白蓮さん……。


「いえ、大なり小なり、そういう気持ちもありました。

 言い繕う必要がないのであれば、率直に話させて頂きましょう。

 どうでしょう、そういう事を望んでいないとは言えませんが、先ずは私にお力をお貸し願えませんでしょうか?」

「判りました。 私の真名は言羽ことのはですのよ」

「私は音羽おとは

思羽しうです」

「私の名は金千、字は満腹。 どうぞよろしくお願いいたします」


 ということで、更に陣容が厚くなったぜ。

 主に文官出来そうな人が山盛りになってきたな。

 曹操さんみたく、一定以上の才しか得ないということはしないからな。

 とりあえず使い道が有りそうなら、ゲットする。

 質も要るけど量も馬鹿にできないと思うんだよ、うん。


「何やら考えて居られることは読めますが、その心は?」

「私専用歌姫を肴に、旨い酒が飲めそうですな……はっ!?」

「「「……」」」

「星殿……何を言わせるのですか」

「いやいや、正直で宜しいのではないですかな。

 そういう主殿が、私は好きなのですよ」

「それはそれは、ありがとう御座います」

「いえいえ」


 はあ、なんというか、疲れたわ。


「もし良ければ、この陣中で歌って頂けますかな?

 無論、張三姉妹の偽物ではなく、貴方がた本来の姿で」


 ということで、この駐屯地で、臨時ライブが行われましたとさ。




 それから明けて、次の合流に向けての準備を行いつつ、情報収集&ご機嫌伺い。

 某幽州刺史殿に、中央に栄転されるんでしたら、後任には普通の人をよろしくね的なお手紙と、袖の下を贈っておく。

 ぶっちゃけると、太守職くらいなら、売官の相場次第で、買えちゃうんだけども。

 情報収集的な方では、順調に黄巾の討伐は動いている様子。

 細かい奴を、デカイのと合流する前に幾つか潰せているようだが、デカイのはデカイので、既に結構な数になっているようだ。

 それでも、練度の差で何とかなる幅では、収まる予定らしい。

 ただ、某黒山賊の張燕さんが、微妙に動いているのが不安要素といえる。

 積極的に黄巾と協働する事は、今までの所は見受けられないので、一緒に当たる羽目には、ならないんじゃないかと見られていますが……。


「不味い事になった」


 白蓮さんが、普通の人からの伝令を連れて、やってきた。


「もしや、敵が増えましたか?」

「いや、もっと悪い。 味方が減った。

 張燕の動きに腰の引けた中央が、官軍を戻したそうだ。

 張燕の動きは判らないが、三万のうち八千が洛陽に戻った。

 これで、敵の数が四万と見て、およそ半数。

 これは、練度に差があるとは言え、厳しい数だぞ」

「となると、素直に退きたい所ですが」


 流石に、それはできないよな。

 一当てして、散らす位はしないと。


「とにかく、合流場所に進む間も情報収集は、続けておいて下さい」

「了解だ」

 

 

 

 それから、明けて二千の兵と輜重隊を引き連れて、合流場所へ。

 半日と待たずに、合流できたはいいが、軍中の空気が悪い。

 そりゃ、官軍が尻尾巻いて逃げるとか、普通は考えられんわな。

 斥候は、黄巾連中の集結場所を特定、兵数も約四万と確認済み。

 近場から奪った物資を集積して、結構な量の物資を握っているそうだ。


「あんな連中に居座られたら、たまんないぞ」


 集まっての軍議中に、普通の人が疲れた声を出す。


「とにかく、連中を動かさない事には、話しにならないわね」


 曹操さんが思案顔。


「一つ、案があります」

「桂花?」

「あの連中、どうも頭首の居場所を、把握できていないようです。

 ですから、そこを突きます」

「あ、偽報」

「荀彧しゃん、凄いでし……あぅ、かんじゃった」


 ネコミミの思考を、あわわとはわわが追っていく。

 なるほどね。


「『頭首殿が官軍に捕まった。 目前の敵は置いて、都へ向かう官軍を追うのだ』とでもすれば、連中の事です。

 己の優位を捨て、愚かにも動きを見せるでしょう。

 例え全てが動かないにしても……いえ、むしろそちらの方が、各個に対処ができるという物です」


 ふむ、さすがはネコミミさん、賢いな。


「あら、いいですわね。

 なかなかに洒落が利いていて、気に入りましたわ」


 おや、思いがけず、袁紹さんに気に入られたか。

 ネコミミさんが、微妙な顔をしている。


 こうして方針が決まり、動き出すことになったが、うちの部隊は合同軍には合流しないことにした。

 二千の騎兵はそれなりに大きい戦力であるが、烏丸騎兵と言う所で、微妙な顔をされたわけだ。

 まあ、急いでたんでしょうがない部分もあるが、傭兵稼業はともかく、正規軍と合同というのは、辞めておいたほうが良かろうという判断である。

 とりあえず、持ってきた物資は全部渡し、輜重を空にして移動、合同軍の陣から少し離れておく。


 偽報については「頭首を捕まえた」「官軍が身柄を握っている」「都についた時点で斬首」等々の文を矢で射込むことにするそうだ。

 そんなのに引っかかるのかと、思わなくもないが、荀彧・諸葛亮・鳳統のセットでかかられたら、どうやっても黄巾連中如きには抵抗できまい。

 ついでに俺も兵糧目標に火を掛けてみるつもりである。

 さて、どう成ることやら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ