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迷走しております。

 八日目、一昨日に、こちらに来た難民達から、色々と聞き取り調査をした結果、敵さんに黄巾の将が二名居ることが判明。

 しかも、程遠志に鄧茂という、北部黄巾の中心的脳筋。

 残念ながらオッサンらしいので、ゲットする気はさらさら無いが、例の仇の対象には丁度良い。

 この連中の首を挙げて、事の終わりとしようと思う。

 とはいえ、この時期に連中が居るという事は、もしかすると今回の件が、青・并・幽州での黄巾の発端だったりしたんだろうか?

 それを、この時点で潰せるということは、黄巾発生の際に楽ができると同時に、力を溜める事が出来る反面、名を上げる機会という物が無くなる訳だが。


 まあ、そんな事を考えても仕方がない立場なので、今はどうでもいい。

 その辺を考えて頑張るのは、上司たる普通の人な訳で。

 じゃあ、どうでも良い事を、なんでグダグダと考えているかといえば、劉備さん一行の件が片付いて、ある種の賢者タイムと言うか、燃え尽き症候群と言うか、頭の中に空白ができちゃった故に、無駄に考えが回っているだけのことである。


 しかし、我ながら色々と、やらかしてしまった。

 この雰囲気と勢いに流されて、それらしい事を口走るスキルは、誰の何処から湧いて出た?

 俺自身、空気が読める方だとは思っているが、基本喋らずに静観する方なので、このような自分に酔ってるかの如くに、演技と言うか、ロールプレイやらかす下地は、無い筈なんだが。

 まさか、これも補正という奴なのか?

 それにしても、この補正という奴、以前よりも、なんか酷い方向に進化してないか?

 キャラクター追い詰める方向に、わざと補正が掛かるように、なっている気がする。

 まさか、高難度イベントで、そういう事をやり過ぎて、普通に進めるよりも、そういう陥れる系のスキルが上がっちゃってて、そういう方面に動く方が成功率高いとかに、なっちゃってんじゃなかろうな?

 なんというか、外道スキルというかレベルの熟練度が、溜まっちゃってるんじゃなかろうか?

 俺としたら、ほのぼのとイチャイチャしたいんだが。




「おじ様?」

「ん?」


 ああ、単福さんか。


「刃鳴殿? どうかされましたかな?」


 なんとなく、つまんでいた茶菓子を勧めながら、お茶の用意をする。

 このあたり、喫茶店のバイト技能が、無駄に生かされているような気が。


「おじ様、その流れるような所作で、お茶を入れてくれるのは嬉しいんだけど」


 今日は、桃のお茶です。


「何か? 不都合な事でもありましたかな?」

「何も無いのが、問題だよ。 おじ様」

「はて?」


 何事やら?


「お仕事、探そうとしただけど、皆で回っちゃってるから、やる事がないの。

 だったら、おじ様のお仕事を直接、お手伝いしようと思ったけど、何か考え事してる様子のうちに、終わらせちゃってるし。

 というか、あの副官の人、仕事を抱え込み過ぎ。

 なんで、あんなに仕事抱えたがるの? 暇になったら死ぬの?

 事も無げに捌いてるけど、あの人の処理能力おかしいよ。

 難民の陳情から食事の調理に口出しするし、軍の編成から補給まで面倒見てるし。

 普通に、一郡の官でも務まるよね」


 ああ、白蓮さんは、仕事なくなったら、死ぬかもしれないな。

 それに、あの人は、一人で太守やってましたし。


「それは兎も角として、刃鳴殿は暇だという事でよろしいかな?」

「おじ様、遠慮なさすぎるよ」

「ははは、それはすみませんな。

 それでは暫く、私の相手でも、して頂けますかな?」

「うん、いいよ」


 それじゃ、まずはマニッシュなパンツルックを、どうにかしてみようか。

 ぶっちゃけ、小柄の凛としたボーイッシュで、且つ、そこはかとなくエロいというタイプのうえ、髪型がショートカットな時点で、星さんとか年齢上げ鈴々さんと被ってたりするので、中々難易度高いのだが。

 うむ、男装で洋風へと変えてみるか?

 うむ、メイド服があるなら、ウェイターなりギャルソンも、ありだろう。

 伝統のKINGスタイル……ダウンすると破れる……ちと背が辛いかなぁ。


 ああ、あんまり難しく考えるのはやめよう。

 男装してても、女の子呼びされて喜ぶんだから、普通に女の子の格好でいいや。

 そして、俺も嬉しいとなれば。


「おじ様、足元がスースーするよう」


 スカートに慣れていないせいでしょうかね?

 絶対領域とかできない程度に、裾は長めのスカートなんですが。

 深く考えなかった結果、胸元に大きめのリボンタイ付いた、茶系のセーラーです。

 ローファーに黒スト、伊達メガネは趣味ですが。

 後は腕時計くらいで、普通に学生さん。

 まあ、リアルでは存在できなさそうなレベルの、まさに妄想の産物といえるような感じの美貌な訳ですが。

 あ、因みに、眼鏡と腕時計には、能力修正付いてます。

 眼鏡に知力・魅力、時計に統率・政治、+8程度の代物ですが、複合アイテムなので、各一万五千円程しました。


「なんだか、恥ずかしいよ」


 足元が気になってしょうがない様子の刃鳴さんが、無闇に可愛い件について。


「そういえば刃鳴殿は、色々有る前から、こちらに来て頂けるような事を、仰って居られましたが?」


 と、モジモジしている途中の刃鳴さんに問いかけてみる。

 ご当人が乙女している途中に、ん? とこちらを向いて、一気に雰囲気が変わり、泰然とした様子に。


「ああ、おじ様の所は面白そうだって、鼻が嗅ぎつけたんだよ。

 この間も言ったと思うけど、力がある癖に使い方が甘い。

 そういう所で働きがいを見つけるのが、軍師の本能みたいなものなの」

「その主が、風采の上がらない、嫌らしげな中年でもですかな?」

「ふふふ、おじ様は、割と何でもできるから、理解しにくいかもしれないけど。

 才に拠ってしか生きられないっていう、出来損ないも居るんだよ。

 そういう手合いには、仕える相手の姿がどうのとか、人物がどうのなんて事は二の次なの」

「それはまた、厄介な代物ですな。

 しかし、刃鳴殿のように可憐な方が、そういう事を仰ると、勘違いして調子に乗る馬鹿が現れそうですな」

「おじ様も?」

「そうかもしれませんな。

 調子に乗るかはともかく、刃鳴殿に来て頂いた幸運には、狂喜しておりますよ。

 元は、玄徳殿の幸運だったのかも、しれませんが」

「そこは、ボクにも幸運だったかな。

 理も情も、納得できる主なんて、期待してなかったから」

「お互いに幸運だったという事ですな」

「だね♪」


「でも、やっぱり、このスカート恥ずかしいよう」




 さて、ニヤニヤし終わったので、先の事を考えようかなと思う。

 というか、明日の事。

 難民達については、現状の所、これ以上の進展はなさそうだ。

 七日目の昨日、八日目の今日と、動きがなかった訳だし。

 これなら、明日に決着を付けちゃっても、良いんじゃないだろうか?

 態々、十日目まで、律儀に付き合う必要があるか?

 相手も油断してるし、一日決戦を早めちゃっても、問題は無いんじゃないか?

 悪人に人権はないと、何処かのエライ人も言ってる……というか、悪人じゃなくても、弱者の人権は怪しい世界観だしな。


「という事で、明日で決着をつけようと思いますが」


 将を集めた場で、そう切り出してみる。


「ボクは面白いと思うな」と刃鳴さん。

「うん、皆が楽になるんなら、良いんじゃないかな?

 残ってる人達を、どうにかしないといけないとは思うけど」と劉備さん。


 不意打ち自体は、問題じゃないようでよかった。


「基本的には、夜の内に配置へ。

 夜明けと同時に、あちらの陣に火を掛け、混乱している所を圧迫、溢れる端から打ち取る形で、行こうかと思います。

 右翼には玄徳殿、雲長殿、翼徳殿に義勇軍と難民の混成軍を率いて頂き、幽州の奥に漏れないように、半包囲の形で押し包んで下さい。

 そのまま押し込んで、柵を蹴倒し、連中を追い出してください。

 できれば、向こう奥手の難民達の取り込みも、お願いします」

「まかして」

「御意」

「判ったのだ」


 次に。


「正面には趙将軍、千五百の騎兵を率いて頂きます。

 連中が素直に出てくれば叩き潰し、後ろを見せて逃げれば追撃を。

 あぁ、連中の将に生け捕りは不要です。」

「腕が鳴りますな」


 後は。


「最後に、残りの三百には私と刃鳴殿、後はヤスにも来て貰いましょうか。

 逸れた連中で、幽州方面に逃げる者を叩きます」

「うん、いいよ」

「金払いの良い旦那にゃ、世話になってますからなあ」


 という編成にしてみた。

 刃鳴さんは、特に何も口を出さなかったので、何をどうやっても、負けはないという事なんだろう。


 解散後、うちのパートナーズ三人組と、例の四十三人のモブ軍団を呼び集めて、マイ外史からの兵百人と併せて一群とした。

 この一群は実験みたいなもので、モ武将とはいえ、どんな精鋭兵よりは強かろう連中を、ある程度の数に集めたらどうなるか。

 そんな、ありえなさそうな条件が揃ったので、やってみたくなった訳だ。

 星さん、白蓮さん、鈴々さんを切っ先に敵軍に食い込み、モ武将達によって傷を広げ、兵達によって、それはさらに加速する。

 そんな事が出来ればいいなぁという、厨二病的ロマンがチラッと頭をよぎったので、試して見る事にした。

 相手が黄巾程度なら、そんなにリスク無く、試せるだろうし。




 九日目、幸いに前夜の月明かりは、明るくもなく暗くもなく、良い感じに陰ってくれたので、小分けにした部隊が、チョイチョイ迷いながらも、何とか夜明け前には配置に着く事ができた。

 そんな報告を聞きながら、色々と考えが足りてないなぁと思い凹んでいると、刃鳴さんにクスクス笑われた。


「今更、細かいことはどうでもいいの。

 この状況に持ち込んだ時点で、おじ様の勝ちは見えてるんだし。

 ここで、更に一押ししようとする、おじ様って、十分に軍師として、人でなしって言える優秀さだよ」

「褒められているんでしょうね?」

「うん、敵と味方の死者数の比を見て、冷静にニヤニヤできるくらいじゃないと、認めたくはないんだけど……おじ様は、ボクが敵側で対戦したいなって、ザワザワするくらいには優秀だね」


 一気に背筋がゾッとするような、異様な目付きになって嗤う刃鳴さん。

 ちょっと怖いですよ。

 あと、人死にが気にならないのは、ここがゲームだからなんで。


「刃鳴殿、少々悪い顔になっていますよ。

 あと、貴女を手放す気は無いので、今の発言には、お仕置きですね」

「……」


 その、なんか期待するような目付きは何でしょうか?

 なぜ、俺がゲットする人は、微妙に変態さんになっちゃうんでしょうか?

 まさか、俺がそういう風に仕向けているから?

 そんなつもりは、ないんですがぁ!!

 しかし、このゲームに深層読まれて、そういう傾向に、なりやすくなってるという、疑いは無くしきれんよなぁ。


「おじ様?」

「そうですね、勝手にどこかに行ってしまいそうな悪い子には、印をつけておかないといけませんね」


 傍らに立つ、刃鳴さんの腰を抱き寄せ、若干背の低い刃鳴さんの肩越しの、丁度良い位置にある耳に、軽く噛み跡をつける。


「っん」


 そのまま、髪の香りを嗅ぎながら、うなじへと口元を寄せ、ペロリと軽く味見。


「ひゃん」


 驚いた風に身を固くしたのを見て、間を置かずに口付けの跡を残すように、強く吸う。


「くすぐったいよぅ」

「刃鳴殿の髪は良い香りがしますな」

「うん、嬉しい」


 少し身を離し、目を合せると唇を合わせ、首筋へなぞるようにして、そこにも跡をつける。


「胸元を少し、緩めますよ」

「ふぁ、まだ、印付けられちゃう?」


 鎖骨の間、胸元に谷間の上、ブラから覗く両の乳房の上にも、見境なく、かつ丁寧に跡を残すと、その度に刃鳴さんからの、抱き返す力が強まってくる。

 そんな事に、なんとなく妙な達成感を得ながら、胸元を整えてあげると、呆けていたような刃鳴さんから、不満そうな目で見上げられた。


「こんなの生殺しだよぅ」


 そんな事を言われたも、今は戦の真っ最中なんですが。

 いや、お前が言うな状態ですがね。

 

 

 

 さて、このゲームのシステムでは、計略というものは、二つの方法がある。

 まずは実際に、段取りを決めて行う方法。

 例としては、火計を行う際には、普通に敵陣へ忍び込んで火をつけるという代物で、スニーキングミッションを生でやれる人は、もの凄く楽しいでしょう。

 そしてもう一つが、アイテム扱いの特殊部隊を送り込むことで、此方はアイテム使用者の能力依存で、成功率が決まります。

 まあ、プレイヤーやキャラクターを送るよりは、かなり成功率が下がりますが、そこは数でカバーという感じの方法です。


 今回の場合、相手に将が居るとは言え、二人共に脳筋確定ですので、アイテムで行います。

 確率が下がるとは言え、後の徐庶こと、単福さんである、刃鳴さんが居るだけでも成功確定なんですが、ここはメインを俺にして、サブに入って貰います。

 運を400、知力に放り込んでの判定に、アイテムでの底上げで知力100オーバーの刃鳴さんが、サブに入った判定値はいかほどに成るものか?

 そして、特殊部隊の使用ポイントは、一番上のグレードでも500円にしかならんので、ここは10個ほど使ってしまいましょう。

 ベースが200のサブに100↑の判定とか、周瑜メインの諸葛亮&龐統サブな、赤壁状態の達成値が出そうです。

 あと、回復後に、追加で混乱と同士討ちを、いくつか撒いておきました。


 さて、日の出です。

 いきなり数カ所で、火の手が上がっている様子。

 混乱やら同士討ちは、ここからでは見分けがつかないので、どうなったか不明です。

 ともかく直卒の三百と、実験部隊を引き連れて、冀州に向いて開けた方面に陣取ります。

 劉備さん達の義勇軍は、主に北を抑える形で圧迫しますので、此方は南からということになります。

 その間の東には趙雲さんの千五百が待機中で、真西については開けてあります。

 これを見て、素直に西にゾロゾロ逃げてくれたら、後ろから踏むだけで済むので非常に楽ですが、どうかなあ。


 そのうち明るくなってきたので、いくらか様子が掴めるようになって来ました。

 劉備さん達は、かなり張り切っている様子で、圧力に負けて溢れた連中が、村跡から追い出されきています。

 そんなバラけた連中のうち、幾つかが塊になっていますが、主に二つに纏まっていく様子。

 あそこに将が居るんですね、わかります。

 千ほど居そうな大きいのが東へ。

 八百ほどの若干小さいのが此方へ向かってきます。

 西は怪しいと思ったんですかね? バラバラしたのが逃げていくだけです。

 東は、ここの趙雲さんに任せるとして。


「白蓮さん、お任せします」

「行ってくる!!」


 その一声を追い越すような勢いで、白馬長史(改)が走り出しました。

 流石に秘書ルックでは、馬に乗れないので、通常モードの戦闘時に戻ってますね。

 脇を固めるのは前周の張飛に趙雲。

 その後ろに二流とはいえ、将スペックの四十三人が続き、最後に置いていかれそうな精鋭兵百人。

 単純に兵数で言えば、五倍超という一群に、怯むことなく向かっていくそれが、当たった時の様子は笑うしかない。

 まさに切り裂くというのがピッタリの様子。

 一切の抵抗なく、擦り抜けるように軍勢は切り裂かれ、両軍が通り過ぎたあと、思い出したように残された連中が瓦解していく。

 先では金満腹を名乗って、首を上げたと叫ぶ白蓮さん。


「勝ったね、おじ様」

「では、残った連中を踏みに行きますかな、ヤス!!」

「おうよ!!」


 三百を率いて、散らばる連中を馬で踏みに行く作業の始まりです。

 右往左往している連中を見かけては、矢を射かけて余りを踏みつぶす。

 捕虜とか取っても身動き取れなくなるので、基本全部処理。

 改心する美人のお姉さんとか居れば、考えても見ましたが、残念ながら居なかった様子。

 周囲に動く者が居なくなったのを確認し、村跡に向かう。


 此方では、早々に戦闘意欲を無くした連中がへたり込んでいて、一纏めにされています。

 一番意気地が無かったともいえますが、一番正解だったかもしれませんね。

 劉備さん達に出迎えられて、首実検。

 どうやら、此方で狩った首は、鄧茂だった様子。

 一番首の程遠志は、趙雲さんのところですか。


 そのうち、趙雲さんの隊が戻って来ました。

 おや? なんか趙雲さん、怪我してますね。

 苦戦したんでしょうか? その割に、兵達の鎧装束は、綺麗なもんですが。


 「……程遠志は、打ちとりました」


 憮然とした様子で、それだけ言うと、黙りこんでしまう趙雲さん。

 思い通りに行かずに、納得いかんという所ですか?

 勝ったんだから、良いんじゃないかと思いますが。


 ぶっちゃけると、他に将をつけようとも思ったんですが、なんかやらかしそうな気がしまして。

 流石に原作のような、一騎駆けで大ピンチなんて事は、考えてませんでしたが。

 今まで、下手にサポート付けると、そいつに全部投げで突っ込んだりしてたので、今回は将を付けず、兵を多めにして重石にしたつもりだったんですが。

 それが逆に不備になっちゃったんだったら、申し訳ないことになったかなあ。

 しかし、流石に将も兵も質が上で、徒歩相手に騎馬千五百もあれば、問題ないとおもうんだが?


「ふふふ、如何に賊の将とはいえ、将と名の付くものが、あそこまで不甲斐ないとは。

 ははっ、これで終わりだなどと、納得が行きませんぞ」


 なんか、趙雲さんがレイプ目でブツブツ言ってる……激しく怖い。


「おじ様、副将の人に聞いたんだけど」

「はい、何か言っておりましたか?」

「趙将軍が、敵を睨みつけて「我が威に慄き、恐るるならば、そら西が開いておる!! 逃げたくば逃げい!!」って叫んだら、連中が本当に逃げたらしいよ。

 それで趙将軍、呆気に取られて落馬したんだって。

 あの怪我は、その時ので……それから、同じように呆気に取られてた程遠志を討ったんだけど、一合も打ち合うことなく終わったんだって」


 それは……俺に、どうしろと?


「満腹殿……」

「ああ、お疲れ様でしたな。 ゆっくりと、お休み下さい」

「そんな労りの視線などっ!!」


 あーあ、泣きながら走って行っちゃったぞ、おい。


「何か、やらかされるよりは、良かったんじゃないかな?」

「まあ、それはそうですが」

「それより、例の仇討ちの人達が」

「ああ、来られたんですな」


 とりあえずは、黄巾の将である二人を討った事を伝え首を見せる事で、心中の一段落を付けることが出来ればと思ったのは、それなりの効果があった様子で、一同さんからの礼を頂いた。


「これからの事ですが、もし先の事が決まっていないようでしたら」

「はい、出来れば満腹様の、お手伝いをさせて頂ければと、考えております」

「それは、願ってもない申し出ですが、宜しいのですかな?

 この土地を離れる事になりますが?」

「もとより、住む土地を捨てた身ですので」


 そういや、そうですね。

 一応、ステータス的には、文官ステではあるし、父親亡くした美人姉妹とか、妙齢の未亡人と年頃の娘とかな、どう考えてもそういう風味で、見逃すのが惜しい人材であるし。

 ああ、本当に遠慮なくなってきてるな俺。


「それでは、これから宜しく、お願いいたします」


 ということで、政治と知力UPのアイテムで忠誠を上げた後、二十二人プラスアルファに指輪を渡す事になった。

 なんつうか「キャラクターに拘らないなら、そういう部分は簡単に楽しめます」といった話を実感できる流れだなぁ。

 金にモノを言わせて全ゲットする馬鹿が居るかどうかは別にして。


「あ、おじ様、実はね」

「なんでしょうか?」


 まだなんか、出てきますか?

 もう、別に驚かないですよ……多分。


「連中に囚われてた、飯炊きだとか娼婦だとかな人が」

「……如何程の人数が?」

「ざっと百人程」


 あははははははははは、インフレ過ぎて、笑うしか無いわぁ。


「とりあえず、お会いしましょうか」

「うん、代表者の何人かに来て貰ってるよ」


 で、来た人を見てみると、なんつうか、ピンきりですね。

 普通のおばちゃんから、それなりの美人まで。

 それで話をしてみると、第一に「この先どうなるんだ?」ってのが来たので、とりあえずは地元まで同行して貰って、その後は個別に話をしましょうって事に。

 その後、差し入れ持って、集まってる所に伺いつつ、ざっとある程度以上のステータスを絞ると、欲しいのは三十人くらいかなぁ。

 でも、二流半の魅力特化ステータスって、何に使えばいいんだろう?

 メイド喫茶か?

 ともかく、選んだ三十人ほどを、帰りの準備してる最中に、面談と称してゲットしてみた。

 使い道なくても、色んなタイプの美人がウロウロしてるだけで、良いものだしな。

 ただ、マイ外史に持ち込み上限とか無いよなぁ。

 ちょっと心配になってきたぞ。



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