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現代に残る見えない優生政策 ~障害年金二級で、人は家庭を持てるのか!?~

掲載日:2026/05/24

 障害基礎年金二級の給付額は、月に七万円台である。


 この額を見て、まず問うべき疑問がある。


 これで働けない人たちは暮らせるのか。

 そして、これで人は家庭を持てるのか。


 家賃を払う。

 電気代を払う。

 水道代を払う。

 通信費を払う。

 食費を払う。

 通院費を払う。

 薬代を払う。


 これだけで、七万円台など簡単に消える。


 それでも制度は、この額を障害基礎年金二級の給付額として提示する。

 まるで、あとは家族に頼れ、節約で耐えろ、生活保護へ行け、と言わんばかりに。


 しかし問題は、この額は、障害者から結婚の可能性まで奪っていることだ。


 特に男性の場合、その影響は重い。

 現代の結婚において、男性の収入はなお強く見られる。


 口では愛情が大切だと言われる。

 人柄が大切だとも言われる。

 それは間違いではない。


 だが、現実には住居費が要る。

 食費が要る。

 医療費が要る。

 子を望むなら教育費が要る。

 老後の備えも要る。


 この現代社会では、結婚は感情だけでは維持できない。

 生活の土台が必要になる。


 その時、月七万円台の障害年金しかない男性は、結婚相手として極めて選ばれにくい。


 これは女性を責める話ではない。

 女性にも生活がある。

 将来への不安がある。


 子を持つなら、なおさら安定を求める。

 病気や障害を抱えた相手を支えるには、精神的負担も経済的負担も発生する。


 だから、女性が慎重になるのは当然である。


 問題は、女性が冷たいからではない。

 問題は、国家が障害者に、家庭形成の土台さえ与えていない点にある。


 働けない。

 収入は月七万円台。

 貯金は減る一方。

 親が亡くなれば生活保護が視野に入る。

 病状が悪化すれば、役所の手続きさえ難しい。


 この条件で、どうやって恋愛しろと言うのか。

 どうやって結婚しろと言うのか。

 どうやって子を持つ未来を描けと言うのか。


 かつての優生政策は露骨だった。

 障害者を劣った存在と見なし、手術によって生殖や結婚の自由を奪った。

 それは国家による明白な暴力だった。


 今の制度は、そこまで露骨ではない。


 結婚するな、とは言わない。

 子を持つな、とは言わない。

 家庭を作るな、とは言わない。


 ただし、家庭を持てるだけの所得は与えない。


 ……一体、これは何なのか。


 法律で禁じていないから差別ではない、という話では済まない。

 暮らせない額しか渡さず、結婚相手として選ばれにくい状況へ追い込み、家庭を持つ未来を実質的に閉ざしているなら、それは制度による静かな排除ではないか。


 働けない障害者の恋愛は、きれいごとではない。


 好きだけでは家賃は払えない。

 優しさだけでは食費は出ない。

 誠実さだけでは医療費は消えない。

 将来不安を、愛情だけで埋めることはできない。


 つまり、障害基礎年金二級のみの男性は、最初から子孫を残す可能性の外へ置かれやすい。


 これは本人の努力不足ではない。

 魅力がないからでもない。

 人間性が劣るからでもない。


 制度が、その人を「家庭を支えられない存在」へ追い込んでいるのである。


 月七万円台の給付額は、単なる貧困の問題ではない。

 それは、障害者が結婚しにくくなる問題であり、子を持ちにくくなる問題であり、未来を描きにくくなる問題である。


 つまり、生存のみが認められる。

 これはあまりに残酷である。


 人は、病気になったから恋愛を諦めるべきなのか。

 働けなくなったから結婚を諦めるべきなのか。

 障害年金を受けているから、家庭を持つ夢まで捨てるべきなのか。


 私は、そうは思わない。


 本来の福祉は、命を最低限つなぐだけの制度ではない。

 人間が人間らしく暮らすための制度である。

 住まいがあり、食事があり、医療があり、そして将来を考えられるだけの小さな余白がある。

 そこまで支えて、初めて福祉と呼べる。


 障害者に必要なのは、同情ではない。

 美談でもない。

 頑張れという声援でもない。


 必要なのは、人間らしく暮らせる金額である。

 そして、家庭を持つ未来を完全には諦めずに済むだけの所得である。


 月七万円台では、人は暮らせない。

 月七万円台では、男性障害者は結婚市場から弾かれやすい。

 月七万円台では、家庭を持つ夢はあまりに遠い。


 直接の断種ではない。

 露骨な優生政策でもない。


 だが、結果として障害者が結婚しにくく、子を持ちにくく、孤独に追い込まれていくならば、それは現代に残る、見えない優生思想の影ではないか。


 この問いに、我々の社会はそろそろ正面から答えるべきである。

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良かったら是非読みに来てやってください (*´▽`*)

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― 新着の感想 ―
お金と効率より人優先で社会を回したらもう少し良くなるのかな…と思いますが、そうなるにはまだまだ時間はかかりそうですね。 福祉の進んだ国がどんな政策を取ってるのかが気になります。
厳しいですね。
根深い問題ですね……。
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