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第八話 元の時代に戻る方法が判明?

「ふーん、ふふーん♪」

 家に帰り、燈子がエプロンを着て夕飯の準備をしていく。

 こういう姿はまるで新婚さんみたいだな……結婚はしてないけど同棲中ではあるから、あながち間違ってもいないし。

(そんな事より、早く元の時代に戻らねば……)

 燈子との同棲生活をいつまでも堪能なんかしていられない。

 夢でも本当にタイムリープしているにせよ、ここは俺の居るべき場所じゃねえんだ。

 どうすれば戻れるのか……考えろ、前はどうやって戻ったんだ? 


「なーに、難しい顔してるのよ」

「え? ああ、別に……あのさ、ちょっと良いか?」

「なに?」

「いやさ。その……お前、俺になんか隠してたりしない?」

「は? 隠しているって何を?」

 どう聞いていいかわからなかったので回りくどい訊ね方になってしまったが、燈子に原因があるような気がしてならず、取り敢えず聞いてみたがやっぱり違うんかな?

「なんか最近、変な夢を見ているって言うかさ。お前に関する夢なんだけど……」

「私に? なにそれ、どんな夢?」

「はは、いや……昔の夢っていうか、未来の夢なのかな? お前とこうして同棲している事が夢みたいに思えてきてさ」

 今のこの状況が夢のような気がするんだが、やっぱり上手く説明が出来ない。

 実は高二からタイムリープしてきたなんて言ったら、恐らく頭がおかしいと思われるだけだろうしな。


「意味わかんないんだけど。まあ、大学生で同棲は早かったかもしれないけどさ。同じ大学なら、どっちみち近くに住むんだろうし、一人暮らしするなら、私ら頻繁にお互いの家を行き来するわけじゃない? だったら、一緒に住んだ方が合理的だし、家賃も節約できるんじゃないかなって。あはは」

「ま、まあそうかもな」

 燈子の言っていることは正しいかもしれないが、随分と思いっ切ったことをしたもんだな。

 というかこの先、燈子と別れるようなことになったらどうするんだ?

 別れたら当然、同棲なんか続けてられないわけで、一人暮らしをすることになるんだろうけど、そうなるとなんか寂しい気も。

「ほら、夕飯出来たよ。今日は鶏肉のソテーに挑戦したわよ」

「お、おお」

「へへ、早く来なって」

 燈子に言われて、台所に行くと、実に美味そうなチキンソテーとサラダ、みそ汁にご飯がテーブルに置かれていた。

 うーん、おいしそうだな。

 こいつがこんなに料理上手だったとは……いい嫁さんになるかも……って!


(いやいや、そうじゃないんだって。このままじゃ本当に燈子と結婚することになりかねん)

 別に燈子との結婚が嫌なわけじゃないけど、俺は今は沙彩と付き合っているんだって。

「おいしい?」

「おお、最高だな」

「へへ、よかった。哲史もさー、今は私が料理は作っているけど、たまにはあんたも料理手伝うくらいはしないさいよ。私も哲史も授業やバイト、サークルとか友達付き合いとかあって、これから忙しくなるんだからさ」

「わかっているよ。まあ、料理なんて調理実習くらいしか経験ないんで、期待しないでいろよ」

「あはは、少しは練習しなって。共同生活なんだからさ」

 共同生活ね……まあ今時、彼女に家事を全部押し付けるって事もやりたくはないから、手伝うには手伝うけどそれは俺の仕事じゃないというか……この世界での『俺』の仕事やろ。


「なんか最近元気ない感じだったしさ。少しは元気出てきた?」

「あ……いや、大丈夫だよ。慣れない生活で色々と戸惑っているのかもな」

「そっか。悩みがあるなら、すぐ相談しなよ。私は哲史の一番の味方なんだからね」

 と胸を張って言ってくれた燈子がすごく頼もしく思えてしまい、胸がドキっとしてしまう。

(なんだよ、こいつ良い女じゃないか……)

 かなり生意気な幼馴染だと思っていたけど、彼女になると、こんなにもしおらしくなるものなのか。

 だったら、このまま燈子と……という誘惑にかられそうになってしまうが、そこはグッとこらえる。

 今は元の時代に戻ることを最優先に考えないと。


「はあ……どうすれば元に戻れるのかな……」

 夕飯を食べ終わり風呂から出た後、布団の上で寝ころびながら、どうやって戻るか考える。

 てか前はどうやって元の世界に戻れたんだろう?

 何か特別なことをやったかな……。

「哲史ー。あんた、今日はさ……」

「ん? いいっ!?」

 昨夜は何をやったかと考えると、燈子がバスタオル一枚巻いたままの姿で俺の部屋に入ってきた。

「お、お前、その格好……」

「え? ああ、後で着替えるわよ。それより、あんた私のシャンプー使ったでしょう。駄目よ、あれは女子用の何だからさ」

 バスタオル一枚巻いただけという何とも大胆な格好をしているにも関わらず、燈子は恥じらう様子もなく、胸元を見せつけるようにかがんでそういってきたが、彼氏だからってもうちょっとさ……。


「どうしたのよ、顔真っ赤にして?」

「いや……悪かった。今度からは気を付けるよ」

「そう。気を付けてよね」

 思い出した。昨夜は俺は燈子と二人で……まさか?

(あいつとセックスしたら元に戻れる?)

 一つの可能性としてそれが浮上したが、まさかな……でも、もしそうだとしたら……。

「な、なあ燈子」

「ん?」

「その……今夜もど、どうかな?」

「はい? 今夜もって?」

「だからさー。昨夜もやっただろ。俺、燈子とエッチしたいなーって」

 とわざと軽い口調でそう言うと、燈子もクスっと笑いながら、

「またー? 随分とお盛んになったじゃない」


 全くだなと思いつつも、どうしても試したいことがあったので、燈子とどうしてもやらないといけない。

 何だか罪悪感もあるけど……こっちも人生かかっているんだ。

「どうだ?」

「はいはい。じゃあ、今夜は私の部屋でやろっか♡」

「お、おうっ!」

 と、恥ずかしそうにしながらも、燈子は即オーケーしてくれ、燈子の部屋へと向かう。


(うう、緊張するな……燈子、すまん)

「で、電気は消すか」

「うん……い、いいよ」

 燈子の部屋に行き、電気を消して、ベッドに横になっていた燈子の体を触っていく。

 く……仕方ないんだ、これは。

 俺の人生がかかっていることだし、このまま欲望のまま夢中になって燈子を抱いていったのであった。


 翌朝――

 ピピピピっ!

「哲史、早く起きなさい」

「ん……もう少し……」

「遅刻するわよ、早く起きて支度する」

「わかったよ……って……はっ! ここはっ!?」

 ゆさゆさと起こされて飛び起き、部屋を見渡す。

 ここは……俺の部屋……自宅の俺の部屋だっ!

「今日の日付は……五月十五日……や、やった! 戻ったんだ!」

「て、哲史、どうしたの?」

 燈子とセックスすれば戻れるんじゃないかという読みがドンピシャ当たってしまい、歓喜する。

 いやー、俺って天才だわ……てか、俺は高校生なんだよなこれ?

「よくわからないけど、早く朝ごはん食べなさい」

「はーい」

 今回はすぐに元の時代に戻れたので、ホっと胸を撫でおろしながら、学校に行く支度をしていった。

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