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幼馴染の友人の美少女に告白してOKを貰ったら、何故か次の日、幼馴染と同棲を始めているんだが……  作者: beru


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第二十三話 幼馴染が本当に彼女に

「う……ここは?」

「こんにちは」

「またお前かよ。何の用だ?」

 ハッと気がつくと、またあの異空間の中におり、小学生の頃の燈子の姿をした誰かが笑顔で声をかけてきた。

「燈子と付き合う事にしたんだ。やっと、私の言う事を聞いてくれたんだね」

「お前の言いなりになった覚えはないな。あくまで俺が燈子と付き合っても良いかなって、思っただけだよ」

「くす、まあそういう事にしておいても良いよ。私としては哲史が燈子と付き合ってくれれば、それで良いんだから」

 と俺の隣に座って、少女が愉快そうに笑いながら、そう言ってきたが、やっぱり態度が気に入らない。


 全てお見通しとばかりの神様気取りが鼻につくんだが、一体こいつは何者なんだ?

「私は燈子だって言っているでしょう? それ以外の何者でもないの」

「嘘をつくなよ。燈子はお前みたいに人の恋路を邪魔するような奴じゃ、絶対にない。いい加減に正体と目的を教えな」

「偉そうな態度だね。もし、私が神様とかだったら、どうするの? バチが当たるよ」

 既に理不尽な呪いをかけられているんだが、何か俺に恨みでもあるのか?

「私はあなたを助けようとしていたんだよ。沙彩と付き合っても上手く行かない。燈子となら、必ず上手く行く。それなら、燈子一択なのは当たり前じゃない。燈子と付き合った未来を見ても、それはわかったでしょう」

「俺が誰と付き合おうが、俺の勝手だろう。大体、燈子は俺の事、前から好きだったのか?」

「ずっと好きだったよ」

「いつから?」

「さあ。子供の頃からじゃない」

 マジかよ。

 そんな素振りは全く感じなかったんだが、本当に俺の事、ずっと好きだったのか?


 考えてみれば、割と可愛くて男子からも人気はあるのに、浮いた話の一つも聞いたことがなかったから、どうしてだろうなと思ったんだが……。

「それなのに、他の女子に告白しようなんて、何考えているの? よりにもよって燈子の親友の沙彩にさ。それじゃ、あの子だって遠慮するに決まっているじゃない」

「それは……だから、別に俺が誰を好きになろうが……」

 燈子の気持ちに気づけなかったのは悪いとは思っているけど、だからって、俺が付き合わないといけない義理はないはずだ。

「いい加減、教えてくれ。お前、何なんだよ? タイムスリップとかも出来るとか、人間じゃないだろう?」

「じゃあ、神様って事にしておくよ。燈子の守り神とでも言えば納得する?」

 神様って事にしておくって、散々、俺の事を弄んでおいて、自分の正体すら明かさないとは何て嫌な神様だ。

 絶対に敬ったりしないぞ、こんなの。


「もう時間だね。そろそろ帰りたいでしょう」

「そろそろどころか、すぐに帰してくれ」

「わかっているよ。あなたとはこれでお別れだよ。燈子の事、大事にしてね。あ、そうそう」

「何だよ?」

 やっと帰れるのかと安堵すると、燈子モドキの少女は、

「燈子と裏切ったら、それなりの代償を払ってもらうよ」

「代償? また脅迫かよ」

「そうじゃないよ。運命に逆らうと、手痛い目に合うって事。でも、燈子と別れることは100%ないけどね。仮にそんなことがあるとすれば、それはもう人類が滅亡するくらいの天変地異が起きると思っておいた方が良いよ」

「人類滅亡って……」

 またスケールの大きい話をしてきやがったが、俺と燈子はそこまで強い絆で結ばれているとでも?

 そんな話をしたら、ちょっとだけ試してみたくなるんだけど。


「わかった?」

「はいはい。わかったから、帰してくれ」

「うん。それじゃ、さようなら」

 少女がそう言って、指をパチンと鳴らすと、目の前が真っ白になって、意識が飛ぶ。


 ピピピピっ!

「…………はっ! ここは……」

 スマホのアラーム音で目が覚めて飛び起きると、そこは俺の家の自分の部屋であった。

 すぐにスマホで日付を確認したが、普通に日付が進んでいるので、どうやら元の世界であるようだ。

「はあ……起きるか」

「哲史。燈子ちゃんが来ているわよ」

「え? 燈子が?」

 ベッドから起き上がって、着替えようとしたら、母親がそう告げたので、慌てて部屋を出て、玄関へと降りる。


「おはよー、哲史」

「どうしたんだよ、こんな朝早く」

「良いじゃない。ちょっと早く来たかったの。てか、まだ着替えてなかったんだ。早く支度しなよ」

「おいおい、まだ早いだろう」

「そうだけどさ。じゃあ、ちょっと上がらせてもらって良い?」

「ああ……少し待ってろ」

 燈子が朝、俺の家に来るなんて何年ぶりだろうなと思いながら、すぐに二階の自室へと戻り、制服へと着替える。

 見たところ、燈子はいつもと変わらない雰囲気ではあったが……本当にあいつと付き合っているんだよな?

 それすら夢だったとかになると、流石に気がおかしくなりそうだぞ。


「それで、珍しいじゃないか。俺の家に来るなんて」

「良いじゃない。付き合い始めたんだし。おばさんにも付き合っているって報告しちゃっても良い?」

「そ、そうだな……でも、もうちょっと二人だけの秘密にしておくか?」

「何それ。今までさー、散々、私ら付き合っているんじゃないのって、周囲から言われまくっていたじゃない。おばさんにも二人はいつ結婚するのとか言われたことあるでしょう。だから、付き合い始めたって言っても誰も驚かないよ」

「いや、そうかもしれないけどさ……」

 着替えた後、燈子を俺の部屋に入れて、しばらく二人で話し込む。

 取り敢えず、付き合い始めたのは本当みたいなのでホッとした。


「沙彩には報告したのか?」

「まだだけど、どうする? 何か気まずくなりそうな気もするけど」

「あー……」

 何せ自分を振った男が、親友と付き合ったとかって聞いたら、沙彩も何か複雑な気分にはなりそうだな。

「内緒にしてもすぐにバレそうだしさ……」

「わかったよ。今日にでも報告しておくか」

「うん」

 沙彩に内緒にしても、どうせすぐにわかることなので、あいつには取り敢えず報告しておくことにした。

 何て反応するか怖いが……


「あのさ、沙彩。話があるんだけど」

「何?」

 朝、学校に行く途中で沙彩にバッタリ会い、燈子が意を決して、

「すうう……私さ。哲史と付き合うことになったんだ」

「えっ!? て、哲史君と?」

「うん。その……」

「ああ。俺達、付き合うことにしたんだ。沙彩には報告しておこうと思ってさ」

 二人が付き合ったと聞くと、沙彩もビックリして目を丸くしていたが、すぐにくすっと笑い、

「そうなんだ。よかったね」

「あ、ああ……その……」

「ううん。お似合いの二人じゃない。燈子ちゃん、やっぱり哲史君の事、好きだったんだね」

「あー、はは……いや、黙っててゴメン」

 沙彩も苦笑しながらそう言うが、やっぱり傍で見ていてもバレバレだったのか。


「うん、お幸せにね」

「ありがとう」

 内心はどう思っているが知らないが、とにかく沙彩は祝福してくれたようでホッとした。

 ああ、やっぱり沙彩も可愛いなあ……本当は沙彩と付き合って……いや、止めておくか。

 今の彼女は燈子だし、過去の事はもう忘れないとな。



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