表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染の友人の美少女に告白してOKを貰ったら、何故か次の日、幼馴染と同棲を始めているんだが……  作者: beru


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/26

第二十二話 気持ちに一区切りつく

「では、始め」

 試験監督の合図で中間試験の最初のテストが開始される。

 今日の科目は英語と数学だが……一応、かなり勉強したので、大丈夫だと思うけど、沙彩に少しでも追いつけるようになりたい。

 まあ、無駄な努力かもしれないが、沙彩に振り向いてもらうにはちょっとでも努力して、テストで良い点を取れるようにしないとな。


「止め。では後ろから回収してください」

「はあ……やっと終わった……」

 中間試験、最後のテストも終了し、ようやく肩の力が抜ける。

 手応えは……うん、それなりにあったと思う。

 過去最高の出来かもしれないが、まだまだ沙彩には及びそうにないので、頑張らねば。

「おつかれー、哲史。どうだった?」

「まあまあかな」

「何それ。あんた、今回はいつになく勉強頑張っていたじゃない。何かあったの?」

「さあな。少しは頑張ってみようかなって、思っただけだよ」

「へえ。沙彩の事かな?」

「私がどうしたの?」

 燈子が茶化すような笑みでそう言うと、たまたま近くに居て聞こえていたのか、沙彩が俺達の元へやってきた。

「ううん、テストどうだったのかなって、話していただけ? 沙彩は今回もバッチリだったんでしょ?」

「バッチリっていうか……いつも通りの出来だったかな」

 ということはめっちゃ良くできたって事か。

 学年でも常にトップクラスだからなあ、沙彩は。


「そうだ、沙彩。今日、三人で遊びに行く約束していたけど、カラオケにでも行く?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、決まりだな」

 定番ではあったが、カラオケに行くことが決まり、三人でカラオケボックスへと向かう。

 三人で遊びに行くの久しぶりな気がするな……最近、訳の分からないタイムリープに巻き込まれたりして、散々だったが、時間の感覚も結構おかしくなっているのかもしれない。


「哲史君はテスト、どうだった?」

「まあまあかな。沙彩は良かったんだろ?」

「うん」

 帰りのホームルームが終わった後、三人で歩きながら、他愛もない雑談をしていく。

 そうだ、ちょっと沙彩に聞きたいことがあったな。

「沙彩さ、卒業したらどこの大学行きたいの?」

「私? 北海道の大学に行きたいなって思っているの。獣医を目指しているからね」

「あー、前にもそんな事言っていたね、沙彩。獣医さんかー、すごいよね。ウチも猫飼っているけど、何かあったら、沙彩に頼もうかしら」

「そんなすぐには無理だよ」

 獣医……そんなの目指していたのか。

 だから北海道の大学に行ったのか。


(待てよ、ということはこの前見た二年後の世界はやっぱり……)

 本当の二年後の世界なのか?

 俺と燈子が付き合うことになって、卒業したら同じ大学に行って即同棲かよ。

 そんな夢みたいな展開が現実になっちゃうと思うと恐ろしいけど、やっぱり沙彩をまだ諦めきれん。

 とはいえ、まだ失恋したばいだしな……今、告白してしまうのはどうかと思っちゃうし、少しずつ距離を縮めていけばいくしかないか。


「うーん、カラオケもしばらくぶりね。ドリンクは何にしようかなー?」

 電車に乗って、カラオケボックスのある町まで行き、三人でカラオケボックスの中に入り、ドリンクを注文する。

 出来れば沙彩の隣に座りたいが……燈子も少しは気を利かせてくれないかな。

「あ、ちょっとお手洗いに行ってくるね」

「うん」

 燈子がドリンクを注文した後、トイレに行くと言って一旦退出する。

 おお、沙彩と二人きりの機会が出来たぞ。

 偶然なのか気を利かせたのか知らないが、サンキューな。


「沙彩、あのさ」

「なに?」

「えっと……この前の告白なんだけどさ……」

「――っ! あ、あれは……その、ゴメンね。突然の事で驚いちゃって」

「いや、謝ることはないんだけどさ。はは、俺の方こそさ……その焦っちゃったのかなって」

 別に沙彩に謝れるようなことではないのだが、やっぱり彼女にも気を利かせてしまったようだ。

「ほかに好きな人とか居るの?」

「そういう訳じゃないけど……えっと、気持ちは凄くうれしかったんだけど、何だかよくない気分に襲われちゃってね」

 良くない気分? 何だろう……まさか、あの燈子モドキの仕業だったりするのか?


「哲史君の事、嫌いになったわけじゃないんだよ。でも、何ていうか……ごめんなさい」

「ああ……良いんだ。俺の方こそ、悪いな。蒸し返すようなことしちゃって」

 沙彩は俯きながら、本当に申し訳なさそうにごめんなさいと言い、俺もガックリと来てしまう。

 今ので完全に俺の恋も終わったな……これ以上、付き纏ってもストーカーになるだけで、沙彩の心証を悪くするだけだろう。

「帰って来たよー。あれ、どうしたの二人とも?」

「いや、ちょっと曲を選んでいただけだよ。なあ?」

「う、うん」

 二人で気まずい気分になった所で、燈子が部屋に戻ってきて、沙彩の隣に座る。


「へへ、何歌おうかなー。あ、この歌、前に動画サイトでめっちゃバズっていた奴じゃん。早速、入れよう。沙彩も知っているよね、この歌?」

「聞いたことはあるけど、良くは知らないかな」

「そう。さあ、試験も終わったし、パーっと行くわよ!」

 燈子がさっそく歌を入力し、三人のささやかな打ち上げが始まる。

 そうだな……沙彩との恋は終わったっぽいけど、もういい加減、吹っ切れてしまおうか。


「うーん、楽しかったね」

 三時間くらいカラオケで楽しんだ後、三人で家路に着く。

 何かちょっと疲れちゃったな……はしゃぎ過ぎたのか、失恋でガクっと来ちゃったのか。

「あ、私はここで」

「うん、またねー」

「さようなら」

 一足先に沙彩と別れ、燈子と二人きりになる。


「自転車乗せてよ。私、疲れちゃった」

「嫌だよ、上り坂きついし」

「ケチねー。んで、沙彩とはどうだったの?」

「どうって……別に何もないよ」

「何もねえ……告白しなかったの?」

「まあな。でも、もうキリがついたかも。気持ち的にな」

 というと、燈子も俺の心境を察したのか、しばらく神妙な顔つきをした後、

「じゃあ、私と付き合う?」

「え? お前と?」

「そうだよ。まだ返事貰ってないんだけど」

 何日も保留にしていた燈子への返事をここで催促されてしまう。


 どうするかな……いや、もう迷わなくてもいいか。

「そうだな。初めての彼女ってのがどんななのか試してやっても良いかも」

「はあ? 何その返事? 何かムカつくんだけど」

「いや、悪い……えっと、お前の彼氏になりたいわ。どうだ?」

「――っ! そ、そう……うん、いいよ」

 そう返事すると、燈子もパアっと明るい顔をし、満面の笑みで頷く。

 結局、こうなるのか……まあ、幼馴染と付き合うのも悪くはないのかもな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ