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その26

 ロビーに問い合わせたところ宅配サービスを使えるということで、霊媒堂で買ってきたお団子を売店で買った温泉まんじゅう等と共に事務所へ送ることにした。せっかく加屋さんお手製のお土産を買ってきたのに、ダメにするわけにいかないからな。

 『田山澄子は有名人だ、気づいた人がいれば声をかけたり一緒に写真を撮ってくれと頼まれたりするはず。だから耳を澄ませて歩くことが発見の鍵になるかもしれないな。』

 忠司さんからこのようなアドバイスをもらい、いつも愛用しているイヤホンは部屋へ置いていくことにした。そろそろ各施設がOPENし始める時間だ、とりあえず観光エリアを練り歩いてみることにしよう。



 それにしてもやっぱり寒い。天気は少し雲が出ている程度の概ね晴れといった感じで太陽光の暖かさは感じるが、肌に吹き付ける風がものすごく冷たい。元々田山流霊媒堂が栃木の山奥なので厚手のコートやマフラーで重装備してきたが、それでもかなり冷える。風が吹こうものなら無意識にコートの襟をつまんでしまうほどだ。2月だとまだ雪が降る日もあるようで、この寒さも閑散期の要因になっているんだろう。



 ホテルのロビーでパンフレットをもらってきたが、なるほど草津温泉というのはなかなか広い。なんだか細かい字が多くて読みづらいし…ってコレ、外国人向けのパンフレットじゃん!

 そうここは外国人観光客も多いため、英語表記のパンフレットも用意されているのだ。早く田山澄子を探しに出ないと、という逸る気持ちのせいでよく確認しなかった自分のせいである。しかし絵や写真での説明が多く英語がほぼ理解できないオレでもなんとなくは分かるのが救いだ。



 オレが向かって歩いている先には、温泉地の名に恥じない様々な湯が用意されている。本来なら全部の温泉に浸かってみたいところではあるが、残念ながら仕事中だ。それによく考えたら足湯など男女混合で入れるところはともかく、ガッツリ露天風呂のようなエリアは女湯に入られたらオレは手出しできない。やっぱり女性であるのり子さんが来てくれたら探索効率が上がったのにな…。

 温泉地の周辺には食事処や土産屋などが立ち並び、さらに少し外れの方に歩けば公園やお寺などもあるようだ。ただでさえエリアが広い上に、チェックすべきポイントが多すぎる。これは見つける前に田山澄子に移動されてしまうことも覚悟せねばなるまい。



 足湯に入ってのほほんとしてみたり、温泉卵を食べてみたり、土産屋や雑貨屋をまわってみたり…。もちろん田山澄子を探すのが大前提ではあるが、さすが有名観光スポットというだけありかなり楽しい。気づけばもうほとんど日が落ちていた。

 脱ぐ必要のある温泉は我慢してパンフレットに記載されている主要なスポットはほとんどまわったが、やはり人探しとはそう簡単にいくものではない。仕方ない、また明日がんばろう。



 そう思って宿泊先ロビーの自動ドアを潜ろうとしたとき、フと隣のホテルの入口が気になり、顔を向けると…。10名ほどの集団が入口へ入ろうとしていた。その先頭に立つ女性、あのキレイな顔立ちは間違いない、田山澄子だ!彼女はオレの隣のホテルに泊まっていたんだ!


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話は一部フィクションです。



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