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輸送

教会ボスは怒り心頭だったようで、私はすぐに運ばれた。


「こんな細くて、かわいそうになあ」


がしゃがしゃと運搬用の牢をいじりながら鎧を着た男が私に言った。


「でも、こっちも仕事なんだ。ごめんな」


しょうがない。あんなことをしてしまったのだから。

しょうがない。

しょうがない。


大人しく牢に乗り込むと前方の馬車が動き出し、煉瓦でがたがたと揺れ始める。


もう日が沈むころであったので人通りは少ない。

がらがらと車輪の音があたりに響き、障害物の無い馬車はどんどん前に進んでいく。


体は大分疲れていて、眠りこんでしまった。


「、、、い、おい、飯だ。食え」


もう既に夜も明け、昼ごろになっていた。

無骨な男に渡されたパンを食い始めると牢の扉をガチャンと閉められ、またガタガタと馬車が走りだしす。

男はもう厳しい鎧も着ておらず、武装といえば腰のベルトに帯剣しただけのものになっていた。


牢といえども粗末なもので、格子の隙間は体は通せないまでも外の景色を充分見れる程度には空いている。


そこで手を出して風を感じたり、緑に実るセルをぼーっと眺めたりして、今からラスエタへ行くとは考えられないぐらい穏やかに過ごした。


そうして3回日が沈み、4回目の日が昇り始めたころ。


動いていた馬車がぴたりと止まり、牢屋の鍵が開けられた。


「出てこい。森に、着いたぞ」


とうとう到着だ。

3日目には民家を見かけるのも珍しくなっていたので、当然ここにはそんなものはない。

しかし地面が少しぬかるむのみで、変なところは無い。

本当に着いたのだろうか?


「少し歩くぞ」


手錠に繋がれた手を引かれ、とぼとぼと男の跡をついていく。


輸送前に見ぐるみを剥がされたせいで、靴も履かず、身に纏っているのはボロ布だけだ。そんな状態で歩いているおかげで、足がべとべとになっている。


ところで、森というのはどんなものなのだろう?

本の挿絵でしか見たことがなく、恐ろしいところだという以外何も分かっていない。


ふと地面に固定していた目を前に向けると、おかしい、地面が途切れている。

崖、、、?


「ごめんな、嬢ちゃん、俺は家族がいるんだ。

だから、こうするしかないんだ」


すると、ゆっくりと手錠を外される。


混乱して、されるがままになっている。


男は優しく背中を押す。


「、、、エリアの神のご加護のあらんことを、、」


そうして私はラスエタの森へと一直線に吸い込まれていった。


、、、これ、魔物以前じゃないか、、、?


移動パートがどうにもつまらなすぎたので、主人公には手っ取り早く森に行ってもらうことにしました。

セルはこの世界の穀物です。


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