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大雨

 大雨が何年かぶりに降り始めた。

このケルビン(連邦)は何年も雨が降らなくて、地面が乾ききっていた。

それだけじゃなく、穀物が腐り、変色・変形し。民衆の生活が激変した…そこで隣国であるヴァン帝国の王子、シュナプシュとの政略結婚の話となった。


ヴァン帝国とケルビンは領土問題で戦争をし、コチラの水不足をきっかけに一時休戦してくれていた…と乙女ゲームで語られている。


私が転生してから1回目で、ヴァン帝国も実は危険な状態で。ヴァン帝国の南側の隣国である、カナイ人民共和国との戦争もしないといけなくなり、共に戦ってくれる国がどうしても欲しくなったからなんだと。

学園で知った。


そんなカナイ人民共和国の来訪者が、シュナプシュと交代するかのように、コチラにやってきている。


 目が覚めた場所は、いつもの鳥小屋ではなく個室で。今日から私の寝室となった場所だ。

起きた時「ミルキィの部屋で寝てた!?」と飛び起きて、濡れた窓を見て冷静になったところ。


「そういや、ミルキィの許嫁が来るんだよね…」


大雨の中、やや濡れてやってくるのがこの乙女ゲームの攻略対象のひとり。

ルネガー…


金髪碧眼で、まさしく絵に描いたような王子様。

彼はお爺さま同士の口約束で、ケルビンとカナイ共和国は同盟国だったけど。カナイ共和国の党首が代わり、国を率いる大統領じゃなくなったので、今カナイ共和国との関係はそんなに良くはなくなってしまった。


それでも、父とルネガーの父との関係は続いており、ヴァン帝国と和平交渉しているとしても、特に咎める事なく仲良くして貰っている。


「はぁーーー!ミルキィはなぁーんでシュナプシュを選ぶんだろ!

まあミルキィはシュナプシュにお熱になった事でルネガーの立場がなくなり、学園で出会ったリヴァリーに執着…いや、恋をして。禁断の恋をするんだけどね〜」


私はまた寝返そうと、ベットに横になった。

ルネガールートをした時の事を思い出す。彼はとても真面目で大人しくて、優しいけど。常に周りに翻弄されては貧乏くじばかり引かされ、常に父親の理想通りの生き方を求められ。ミルキィには「つまらない人」と吐き捨てられて、リヴァリーと出会って自分を取り戻した「ヤンデレ男子」。


…姉のグレースにセクハラまがいの事をしても怪訝する事なく優しく接していた。


私が処刑になりそうな時は…全力で止めてくれなかったけど。


それでも公平に、私の言い分も聞いてくれていたんだよね…


「まあ、強く言わなかったけど…」


きっと今回もリヴァリーの味方として、他の王子様よりも王子様らしく助けたりするのだろう。


 ウトウト…と眠気が上がる。もしかして朝食もあるのかも知れない…時計が近くにないし、雨の日は余計に眠くなるので眠りにつく。


……

………。


夢の中で星の髪飾りを鍵に変えて、錆びついた扉を開けていく。雑草で茫々と生えているけど、道が開けられて、私は大きく手を広げて、錆びついた遊園地で沢山の妖精たちを引き入れた。


何故かシュナプシュや攻略キャラ達がいて、一緒に楽しんだ。


「あれは?」

「観覧車だ!行こうっ!」


そう上を見ながら観覧車を指さして、笑っていた時……………………………



左から不気味な生き物が突っ込んできた。



「ぎゃああっ!!」


 驚いて飛び起きた。あれはなんだ…?

いや、夢なんだから深く考える事じゃない。

かなり不気味な化け物だった。顔が真っ白な人で、体は蜘蛛のようだった…黒い、大きな蜘蛛人間…


もう二度と見たくはない…


「変な夢だったけど…そろそろ朝ごはん食べる時間だよね?」


ミルキィをいつも見ているので、こうゆう時は決まって、メイドがモーニングコールをしてくれるはずだ。

空腹だと、お腹の虫も訴えているし。喉だって渇いた。

自らリビングに行かないといけないのか?と考えると、はあー…っと大きなため息が出てきた。

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