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不安?

 青ざめている?


私の服装も、ヘアアレンジも、メイクですら普通に美しい出来栄えだ。もしかして父は、私がこんなに化けていたとは思いもよらなかったのだろうか?


私は割れ物を触るように、弱々しく声をかけてみた。


「あの…お父様。どうかなさいますか?」


父は私の声に我に返って「何でもない」とあっさり返された。もしかして⋯


(化粧もしたけど、思ったほど良くなかった⋯の青ざめじゃああああ ねえよなぁあ?ブッ飛ばすぞ?)


「す。すまない⋯とても、見違えっていて。驚いた程だ。」

「ソウデスカ」

「いいなぁ。いいなぁー⋯」


「ヘイドリック様。ドレスは以上でございます。」


ショーさんから変わって、いつの間にかココアさんがカートを動かして、持ってきてくれていた。


今着ている花柄が大きなドレス。

緑色と紫、黒の大人びいたのと。赤・ピンク・水色・青の動きやすくて、かわいいドレス。

あとの2着は動きやすくて、派手じゃない、スマートカジュアルなドレスの10着。


スマートカジュアルはいつ何らかのタイミングで逃げ出しても良いように、そして父に感づかれないギリギリのラインの服選びが出来たつもりだ。


父に止められても私はもう考えを変える気にならない。処刑されるまでの間、散々な目にあってきたばかりだったんだ。好きな乙女ゲームも、こんな扱いで殺されれば誰だって愛想もつく。

彼らに何の情も浮かばないのだから仕方ないのだ。

あのくっっそ意地の悪いサイコパスから逃げたいのを、グッと堪えるのも本当は嫌なのだが。今のところ我慢せざるおえないんだ。クソッタレめ。


父はチラチラとなにか言いたそうにコッチみてる。


「どうしましたか?」


「⋯⋯⋯10着で足りるのか?」


「はい」


「出ていくつもりだから、そんなに必要ないと⋯」

「いえ。そんなことはありません。でていきません。」


「⋯⋯⋯⋯わかれば、いい」


⋯⋯⋯ビビったぁー

父は早口で捲し立て、後ろに鬼を宿してた感じだった。瞬時に否定出来て良かったぜ。


「おねえさま」


「ん、なあにミルキィ?」


「おねえさま。とてもかわいいです。お姫様みたい」


いや!!グレースは元からお姫様みたいな美少女(美女)だっただろうが!てかっグレースは皇女っ!

ゲームのグレースは美少女だったけど、食べ物見つけたら無我夢中で食べたり、男を追いかけ回す子だったけど。それでもちゃんと可愛かっただろう!?

失礼なっ!!


 私達はお会計を済ませ、店から出てくると。

野次馬となった民衆がそのまま残っていた。その歓声の中から「あれ?もう出てきた?」と不思議そうにしていた声もあった。

本当にショーさんが言うように、このお店の中は時が止まった魔法がかかっているのだと実感する。


「グレース」

「はい、お父様。」


「お前にこれもやろう⋯」


父はジュエリーボックスを使用人に持たせ、私が見えるようにかかんで見せた。指輪にピアスにネックレスと、輝くものばかりを見せつけてきた!

私は「ここまではやり過ぎだ!」と脳内で叫ぶ。


「す。凄い綺麗です」

「えええええ!?ミルキィにはぁああ!?」


ミルキィはとうとう自分が優遇されてないと気が付き、目に大粒の涙がボロボロと零れ始めた。

ミルキィは父にすがってどうして?どうして?と嘆いた。しかし、ミルキィにアレだけ甘かった父は。私の隣国の王子との結婚に力を入れたいからと、今回だけはミルキィの声を振り払った。


「ミルキィ。グレースは大事な結婚が控えている。グレースは今までなかった分をあげているだけで、ミルキィはより多く貰っていただろう?」


「いやああ!今がいいの!今もおねえさまと同じくらいミルクにちょうだーい!いやああ!う゛ああああん!」


「すまないミルキィ。今日は我慢しようか」


「やあああぁだあああああ!ならミルクを王子様と結婚させてよぉお!おとうさまのばかぁあああ!」


ミルキィはどうしてもアレと結婚するか、服を買うかで揉めに揉めている。しかし、父は曲げない。

ミルキィの体に触るからと、すぐに馬車に乗り込ませようと使用人たちで強引に連れて行き、父と私も乗り込んで、王子に会いに行くことにした⋯


馬車の後ろ窓から覗くと、呑気に手を振る国民たち。

そして訪れていたお店も大衆に呑まれるように、入り口が塞がれていった。


お店のショーさん。


今思えば本当に不思議な人だった。


私は髪飾りを触る。

この世界で初めてプレゼントしてくれた人は、ゲームでは出会うことないサブキャラだった。私は自分の心臓が激しく脈打っているのが分かるくらい、不安があったが。堂々とするしかない!

と自分を奮い立たせるしか出来なかった。

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